#リプで来たサーヴァントが2人1組で模擬戦するSSを書く 作:乃依
※ルルハワ時空の話です。
「ナゼ、ソノフォーリナーヲ庇ウ。原住民ヨ。」
機械音とノイズの合間から聞こえる聞き覚えのある声。
サーヴァント・サマー・フェスティバル。
通称サバフェスで彼女と対峙するのは初めてのことではない。
「私たちカルデアの、仲間だからです。だから、どうか引いて下さいませんか。XXさん。」
身の丈以上の大盾を構えながら滞空している彼女へ向かって問い掛ける。
「…否。ソレハ約束デキズ。私ノ使命ハフォーリナーノ抹殺デアル。」
金属音が擦れ合う耳障りな音がして、白槍の切っ先がこちらを向く。
「XXさん……!」
「…ソノ名デ私ヲ呼ブナ。原住民ヨ。」
彼女の装甲が外れ、見慣れた、カルデアのトラブルメーカーと全く同じ顔が顔を出した。
「私は勤務中です。貴方の言葉はそれを阻害するもの。銀河宇宙刑法第〇〇条。原住民の抵抗がある場合は拘束しても構わない。遂行します。」
「……ッ!」
もう幾度となく繰り返したこのやり取り。今回も私は言葉を間違えた。止められなかった。
「今度こそ…負けません……ッ!」
両足を踏ん張って、盾を持つ手に力を込める。
「聖槍よ、その輝きを示せ。ここに築くは最果ての
視界が淀むほどの高濃度な魔力が、彼女に集まっていく。
「少々やりすぎな気もしますが。貴方の抵抗は十数回に及ぶ。そろそろ実力行使に出ても、本部も文句言えないでしょう。」
ルルハワの空が黒に染まる。
否。黒では無い。
「宇宙…………」
背後の葛飾北斎━━お栄さんが、言葉を零す。
広がる満天の星空。煌々と輝く一等星。それは正しく宇宙。
そして銀河そのものだった。
「『
煌めく星々の中で一際大きな光を放つ、最果ての塔。
「さぁ、大人しくお縄に掛かりなさい、フォーリナー!!!」
塔が傾く。
「っ、特異点ごと消し飛ばすつもりかヨ………!」
お栄さんがヤジを飛ばす。
その言葉に全身が凍りついた。
「特異点ごと」。この規模の宝具なら、それも可能だろう。少なくとも、対城宝具に収まりきる代物では無い。
その理由は?フォーリナーを滅ぼすこと?
違う。私だ。私が抵抗したから、彼女は最終手段に出たのだ。
今まではお栄さんが抵抗したとしても、
今このルルハワにはサーヴァントの皆さんがいる。
人理を取り戻すために戦ってくれた、皆さんがいる。
余暇を楽しんで、自分の好きなことに打ち込んでいる人たちがいる。
私たちの幸せを取り戻すために戦ってくれた人たちが、居る。
「私一人の都合で、皆さんを失う訳には、いきません。」
盾を構える。
足を踏ん張り、腰を低く保って、力を込める。
バビロニアでレオニダスさんに教えて貰ったことだ。
「真名、開帳………私は災厄の堰に立つ!」
自分のイメージを元に、白亜の城を組み立てていく。
「…………最後まで抵抗するとは、賢くないですね。」
塔が地面と水平になるほど傾いた。
私の心は、負けていない。必ず、防ぎ切る。守り切る。
耳障りな音と、衝撃の嵐が体全体を包む。
ふぅ、ふぅ、と荒く息を吐きながらも手に込める力は弱めない。
たった数瞬のはずだ。なのに、数分、いや、数時間かと思われるほど長い時間が経っているように感じる。
蒼と白の光が盾に押し寄せてくる。
「ここで、負けちゃ、ダメなんです………!」
だけど自分を奮い立たせて、真っ向から抵抗する。
自分は未熟だ。未熟だからこそ、英霊の皆さんには適わないほど未熟だからこそ。
ここで私が負けたら、マスターは消え、英霊の皆さんも耐えられず、何も救えない。守れない。
シールダーというサーヴァントである自分が、いま、負けちゃダメなんだ。
結論から言うと、勝てなかった。
けれど、負けることもなかった。
XXさんはいつの間にかどこかへ消え、ルルハワは何事も無かったかのように次の日を迎えていた。
その事に心の底から安堵したら、もう立っては居られなかった。
だけどマスターやジャンヌさんの顔をもう一度見ることが出来たのは、前とは違っていたな、と思った。
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