#リプで来たサーヴァントが2人1組で模擬戦するSSを書く 作:乃依
「いやぁ、どうしてだろうね?」
「これも私の運が悪いせいで………」
マスターにくじ引きで引いた番号の組で模擬戦をやれ、と言われた。
原因は
「理知的なバーサーカーよりもバーサーカーしてるよね、彼らは。」
なぜこの魔術師は私の考えていることがわかるのだろう。
「何故って私はマーリンお兄さんだからね。」
意味がわからない。変な人と当たってしまった。
「これも不幸……不幸のひとつ………」
視界がぼやけそうになる。しかしそれを何とか理性で押し止めて、魔術師の方へと顔を向ける。
「とっとと終わらせて出よう。その方が貴方にも都合がいいのだろう?」
「いやぁ、私はこれはこれで楽しみたいんだけどね?」
魔術師は杖から両手剣にしては少し短く、片手剣にしては少し長い剣を取り出した。
「…魔術師なのに剣?それに私はセイバーだぞ?」
「なに、少し剣にも得手があってね。最初はこれで相手してもらおうじゃないか。」
剣を抜き、5歩ほど間合いを空けて対峙する。
「それでは始めようか。魔術師……マーリン殿?」
「あぁ、なんなら気軽にマーリンお兄さんと呼んでくれても構わないよ?ラクシュミー・バーイーくん。」
飄々とした口調と態度に少し苛立つ。
その感情のまま踏み込み、彼の心臓を狙って1突き。
「おっと。乱暴だなキミは。」
そしてそのまま彼の頭上を飛びながら腰の拳銃を1発。
「危ないな。そぉ…れっ!」
まさかの
「…勿体ぶって居ないで、魔術を使えばいいでしょう。そんなモノ、私には通用しない。」
「やだなぁ。キミの剣も私に通用していないよ。」
模擬戦とはいえ殺し合いが始まったと言うのに、飄々とした態度は変わらない。
「しかし、そうだね。アルトリアにはそう教えたのだし。私が礼節を守らなくちゃいけないね。」
彼が剣を杖に戻し、一言二言呟いた。
「王の話をしよう…」
瞬く間にシミュレーションルーム全体が花畑となった。
「な、ッ…デタラメも良いところだぞ…!」
足元には彼の花、つまりここは敵の掌も当然だ。
自分の出しうる最高速度で走り出し、今度は足を狙う。
「まだ話は始まってすらいない。観客席にお戻り?」
しかし放った銃弾は蔓によって阻まれ、剣戟は花で受け流された。
「女性に対して、あまり乱暴なことはしたくないんだけれどね。」
そしてそのままその蔓と花が浮いている自分に向かってくる。
「く…っ……!」
それをなんとか切り落とし、着地する。
「チェック・メイトだ。ラクシュミーくん。」
着地した地面を中心に大木が伸び始める。
そしてそのうちの1本が足を掴むと、それに呼応するかのように他の木々も四肢を掴んだ。
そしてそのあとは成す術もなく、ズルズルと引きずられ、逆さ吊り状態だ。
「…私の負けだ。下ろしてくれ。」
「いやぁ、年甲斐もなくはっちゃけてしまって申し訳ないね。」
「フン………」
甘ったるい花の香りが、部屋に戻るまでくっついたままだった。