#リプで来たサーヴァントが2人1組で模擬戦するSSを書く 作:乃依
「あら、あなたは東洋の剣士さんね!」
「そうだ。私の名前はまじんさんだ。」
年端もいかない少女が、そう話しかけてくる。
「あ、自己紹介が遅れてしまったわ。私の名前はアビゲイル・ウィリアムズ。クラスはフォーリナーよ。」
「ふぉうりなぁ………知らないな。私はまじんさん。クラスはセイバーだ。マスターは違うと言っているが。」
「そうよね!だってそんな大きな剣を持っているんだもの。きっとセイバーのクラスなのよ!」
ぬいぐるみを抱き抱え、微笑みながらそう話す少女は、とてもサーヴァントとは思えなかった。
「さて、そろそろ始めようか。おやつの時間に間に合わなくなってしまう。」
「あっ、そうね!今日はエミヤさんの作ってくれるパンケーキだと聞いたわ。私、パンケーキが大好きなの!」
ニコニコと笑顔で手を振る彼女を入口近くに残し、自分は背を向けて奥に歩いていく。
「とてもフワフワで、甘くて、とっても美味しいのよ。」
可愛らしいアビゲイルの声が耳元で聞こえた。
「そうか。まじんさんはおでんが好きだぞ。ブーディカの作るおでんは格別だ。」
そう言って、顔をアビゲイルの方に向ける。
「あなた は どんな あじ かしら ?」
アビゲイルの額に昏い穴が開いている。
「む、どうしたアビゲイル。おなかでも痛いのか?」
「ええ おなか が すいて すいて すいて、すいて、たまラ ナイ の !!!」
右頬を風が撫でる。
それがアビゲイルの後ろから現れたタコのような触手が通り過ぎた事による風圧だと認識するまで、瞬き1つ分の猶予が必要だった。
「そうか。なら早く終わらせてぱんけーきを食べに行こう。」
煉獄を引き抜き、アビゲイルに向ける。
「ウフフ あア、哀れなヒト……私にカテル わけがないの ニ!」
今度は見逃さなかった。
アビゲイルがタコのような触手を使う時、少しだけ額の穴が閉まる。
その一瞬を狙って
「それは、どうだろうか?アビゲイル。」
その隙間を狙って、煉獄を投げた。
「(バカじゃねぇの??)」
煉獄が何かボヤいていた気もするが、気にしてはいけない。
そして煉獄がタコの間を掻い潜り、アビゲイルに当たる
という瞬間に
「あら コワイ 怖い……」
「なに…?」
煉獄が消えてしまった。
「剣を無くしてしまったのね?残念!残念ね?もう抵抗出来ない?出来ないのかしら?出来ないわ!ああ 待ちきれない。お腹がすいて 待ちきれないわ!」
「うお」
タコが両足と両腕、そして胴体に絡みつく。
「いただき キ マ す ……」
『アビゲイル。ジャック。バニヤン。ナーサリー。ジャンヌリリィ!おやつの時間だよ!』
「たまらない。たまらないわ!甘いソースとふわふわの生クリーム…いつも以上に美味しいわ!エミヤさん!」
「そうかね。口に合ったようなら恐縮だ。アビゲイル嬢。」
「ふふふ、美味しいわ…ずっと食べていたいぐらい…」