BLEACH - 鏡面世界   作:桂ヒナギク

1 / 6
1.虚の大群

 二〇一九年某月某日。

 尸魂界(ソウル・ソサエティ)瀞霊廷(せいれいてい)真央霊術院(しんおうれいじゅついん)は死神の学校である。

 その学校を卒業し、晴れて死神として護廷十三隊の十三番隊に配属になった及川(おいかわ) 新一(しんいち)。彼は、配属初日ということで、隊を挙げての歓迎会に参加していた。

「今日だけはハメを外しても構わんぞ」

 隊長の阿散井(あばらい) ルキア……旧姓、朽木(くちき)はそう言った。

「あ……いや、俺こういうの苦手で……」

「そうだったのか。それは知らなかったとはいえ、すまぬことをした。だが折角の宴だ。楽しもうではないか」

 新一の歓迎会は、その日は夜遅くまで盛大に行われた。

 その翌朝、新一はルキアについて現世にやってきた。

 二人とも義骸(ぎがい)に入る。

「及川、お前は確か、空座町生まれだったな」

「ええ」

「親御さんに会ってきたらどうだ?」

 新一の父親は尸魂界出身の死神だった。故に、新一にも死神の力があった。

「そうですね」

 新一は歩き出す。

「じゃ、ちょっと行ってきます。隊長の方はどうするんです?」

「私は久々に旧友に会ってくる」

 ルキアと別れ、現世で暮らしていた時の家に向かう新一。

 塀に貼り付けられた標札(ひょうさつ)には、及川と彫られていた。

 インターホンを鳴らす。

 ドアが開き、父親が出てきた。

「新一? 新一なのか?」

「ただいま、父さん。真央霊術院、卒業したぞ。十三番隊に所属してる」

「そうか。こっちへは何で来たんだ?」

「手伝いだよ。ルキア隊長の」

「そうか。まあ、入れ」

 新一は家に上がる。

「父さん、母さんはどうしたの?」

「母さんか……」

 父親が暗い顔になる。

「え、まさか?」

(ホロウ)に殺された。仇は打ったが、介抱しようとしたときには手遅れでな。魂葬はしたから、今頃は尸魂界だろう」

「そう……なんだ……」

 新一は泣きそうになるが、涙をぐっと堪えた。

 その時、虚の霊圧を感じた。

「虚!?」

 新一は家を飛び出す。

「月牙天衝!」

 と、斬撃を受けた虚が、新一の上に落下してくる。

「うわ!」

 ギリギリのところで(かわ)すと、墜落した虚が消滅する。

 上空を見上げると、複数の虚と死神代行の黒崎(くろさき) 一護(いちご)が交戦中だった。

 新一は義骸を脱ぎ、巨大な斬魄刀を手に助太刀に入った。

「なんだ、あんた?」

「及川 新一、護廷十三隊十三番隊の死神だ」

「じゅ……って、ルキアの?」

「知ってるのか?」

「ルキアとは腐れ縁だからな」

「それじゃ、ルキア隊長の旧友ってのはあんたか」

「そういうことだ」

 と、ルキアが現れる。

「しかしきりがないな」

 三人の死神は虚と応戦する。

「ていうか、おめえの斬魄刀でけえな」

「一護、無駄口叩いてないで殲滅(せんめつ)に集中しろ!」

「へいへい」

 会話しながら虚と戦う二人。

 新一は身の丈ほどある斬魄刀を振り回して虚を切り裂いていく。

「何で虚がこんなに」

 辺りを見渡すと、三人は既に囲まれていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。