「出て行きなさいよ!」
突如、脳裏に女性の声が聞こえる新一。
(なんだ?)
「なんだ? じゃないわよ! これは私の体なんだからね!」
(あー、なるほど。悪いけどしばらく貸してくれ)
「ふん!」
「うわ!」
女性の体から新一の魂魄が飛び出した。
バフ!
新一の体がルキアが入ってる男の体にぶつかった。
「何をしておるのだ?」
「あの子、意識があって」
ルキアが女性を見る。
女性は新一を見ている。
「あー! あんた死神!」
女性が義魂丸を取り出す。
「貴様、虚か?」
と、ルキア。
「そういうあんたも死神ね」
女性が義魂丸を口に入れようとする。
「待て。我々に貴様と戦う意思はない」
「どうだか」
「俺たちはリアルワールドの死神だ」
「え? マジ?」
「ああ」
新一は女性に事の発端を説明した。
「——なるほど」
だからって——と、女性は続ける。「人に乗り移るなんて最低ね」
「……………………」
新一が言葉を失う。
「及川、最低だと」
「その最低な提案に乗ったあなたもですよね?」
ルキアのげんこつが新一の頭に落ちる。
「なんで!?」
「で、虚を使役するフードのことなんだけど……」
新一とルキアは女性を見る。
「もしかして、エニグマのことじゃないかしら」
「エニグマってナチスの暗号機か?」
「そうそう、その暗号……って、ちゃうわボケ!」
女性はどこからか取り出した巨大なハンマーで新一の頭を叩く。
「ぐは!」
怯む新一。
「説明をするわ、サイバさん」
「サイ……?」
エニグマは、現世と鏡面世界の
だが、それには現世にあると言われる大いなる力というものが必要不可欠で、その力を利用して世界の
「そのために一護がさらわれた、ということか?」
「ところで、君の名は?」
「ああ、自己紹介がまだだったわね。
「俺は及川 新一。こっちは隊長の——」
「阿散井 ルキアだ」
「エニグマとは一回やりあったけど、強くて強くて」
「エニグマはどこに?」
「狭間にいると思うよ」
新一とルキアは互いに顔を見て
「あなたたち、鏡を通ってきたのよね?」
「ああ」
「その方法じゃ行けないわ」
「どうやって行くんだ?」
「ないわ」
「え?」
「こちらからも、リアルワールドからも」
「致し方ない。戻って浦原に相談してみるか」
ルキアは男の体から抜け出す。
意識を失った男が倒れる。
「戻るぞ」
「はい」
新一とルキアは鏡を通り抜け、浦原の元に戻った。