俺と雪ノ下の最初のポケモンがユキワラシなのはまちがっている。   作:リコルト

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今更ですが、評価を付けて下さった皆様、ありがとうございました!
これからも少しずつ投稿していきますので、よろしくお願いします!


※おもいでリンク(父と姉)

 

 

 

『カブトプス!げんしのちからだ!』

 

 

『バンギラス!ストーンエッジ!』

 

 

 ニビジムのバトルフィールド。普段のジムチャレンジとは違い、ギャラリーが誰もいない雰囲気の中で、タケシのカブトプスと比企谷八幡の父ー比企谷重吾のバンギラスが激しい戦いを繰り広げていた。

 

 互いのいわタイプの技がぶつかり合い、バトルフィールドは地形が変化する程だ。これには偶然戦いを見ていたフィールドの整備士も頭を悩ませる。

 

『カブトプス!きりさく!』

 

『バンギラス!きあいパンチ!』

 

 だが、そんな整備士の気持ちも知らずに二人は笑みをこぼしながら、激闘を続ける。

 

『カッ!?』

 

『ギラァー!!!』

 

 そして、長かった激闘も幕を閉じる。バンギラスのきあいパンチを喰らったカブトプスは吹き飛ばされ、そのまま立ち上がることは無かった。

 

『カブトプス!!?』

 

『勝負ありって所だな。戻れバンギラス』

 

 そう言って黒髪の青年ー比企谷重吾はバンギラスを手持ちのモンスターボールに戻した。

 

………………

 

 

………………………………

 

 

……………………………………………

 

 

『また負けたか……』

 

『俺としても簡単には負けるわけにはいかねーよ。第5回ポケモンリーグ優勝者なめんな』

 

『ああ……そうでしたね。嫌われもの達の主人(ヘイッテッド・マスター)

 

『その呼び名はマジで勘弁してくれ。子供にはその名前で呼ばれたくない。くそッ……ポケモン協会のジジイがドヤ顔で命名しやがって……』

 

 そう言って俺の前で頭を抱えている黒髪の男は比企谷重吾。ポケモンリーグ優勝者という肩書きを持ち、トレーナーズスクールでは先輩にあたる男だ。

 

 嫌われもの達の主人(ヘイッテッド・マスター)。それは比企谷重吾さんに付けられた異名だ。彼はあく・どく・ゴーストというトレーナーが嫌って捕まえようとしない3タイプのポケモン達を使用する。彼は不服そうにしているが、彼のおかげであくタイプ、どくタイプ、ゴーストタイプをトレーナー達が使うようになったことで、殆どの人達からは敬称として呼ばれている。

 

『けど、タケシ。前よりは強くなっていたぞ。つい先日のジムリーダー対抗戦ではミカンという少女に負けたらしいが、もう数年鍛えれば彼女には勝てるよ。相手がはがねタイプの使い手だとしてもな』

 

『はい……今日はわざわざ練習に付き合ってくれてありがとうございました』

 

 嫌われもの達の主人(ヘイッテッド・マスター)と呼ばれても、あく、どく、ゴーストタイプ以外が疎かになっているわけではない。あく、どく、ゴーストタイプのポケモンについて特出しているだけで、他のタイプについても一流に扱える技術を持っている。事実、いわタイプを使う俺への教え方も普通に上手いし。

 

『それにしても今日はよく来てくれましたね。家庭に仕事に忙しい筈でしょう?』

 

『ああ、実はついでにタケシにその話をしようと思ってな。俺の息子の話だ』

 

『息子……ああ!八幡君ですね。確か今はもう9歳ぐらいでしたっけ?』

 

『そうだ。八幡も後2年もすれば、ポケモントレーナーの資格を持つことが出来る』

 

『良いですね。自分がポケモンを初めて持つ時は一緒に来た親が泣いて感動してましたよ。ポケモントレーナーになるっていうのは大人に近づく一つの儀式ですからね!』

 

『ああ……そうなんだが、残念ながらその場にはいないかもしれない。仕事が入った』

 

『仕事……ですか?』

 

『そうだ。どうしても外せない仕事なんだ。依頼者がホウエン地方のとんでもない貴族で、娘達を一流のトレーナーにして欲しいという要望だ』

 

『……断らなかったんですか?』

 

『断れなかったんだ。相手はポケモン協会に多額の出資をしている。しかも、俺がシンオウやイッシュやカロスに留学した時に資金援助してくれたのがその人達なんだ。恩を仇で返すことは出来ない。だから、今日お前にこれを渡しに来たんだ』

 

 そう言って、重吾は俺に手紙を渡す。

 

『これは?』

 

『紹介状だ。俺の息子は最初にニビジムに挑戦する。もし、息子がジムバッジを得る程の実力を持っていることをお前が認めたのなら、その手紙も一緒に渡してくれ。『セキチクシティとシオンタウンに早めに向かえ』というメッセージと一緒にな。俺がいない時、息子をさらに強くしてくれる筈だ』

 

『は、はぁ……』

 

『頼んだぞ、タケシ』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『やっほー、タケシさん!』

 

 

『どうした?雪ノ下じゃないか!?』

 

 

 俺のジムに何食わぬ様子で入って来たのは雪ノ下建設の長女、雪ノ下陽乃。俺が認めた数少ないトレーナーの一人で、その実力はポケモン協会が認める四天王にも匹敵するぐらいだ。

 

『今日はどうした?雪ノ下がジムに来るなんて珍しいじゃないか。明日は流星群でも降るのか?』

 

『何で私がジム来たら、流星群が降るわけ!?ドラゴンタイプ使いへの宣戦布告と受け取ってもよろしいのかな?』

 

『いや、やめとく。お前だけでなく、ワタルやイブキも敵にしそうだ。その3人がニビジムに来るだけで俺の胃がもたない』

 

 

 顔見知りという仲を冗談混じりの会話で示す二人。しばらくそんなやり取りをしていると、陽乃はタケシにジムに来た本題を切り出す。

 

 

『タケシさん、実はお願いがあるんだ』

 

『お願い?どんなだ?』

 

『後、数年で私の妹の雪乃ちゃんがポケモントレーナーになるんだけど、彼女がタケシさんにジムバトルで勝ったら、これを渡してくれない?』

 

『これは進化の石か?』

 

 俺は雪ノ下からもらった進化の石を鑑定するように見る。みずの石に見えなくはないが、色は青緑色に透き通っており、中心部にはトゲトゲの吹き出しのような模様がある。

 

『そう、偶然見つけたの。でも、どんなポケモンを進化させるための物か分からなくてさ。だから、雪乃ちゃんに渡してくれない?旅のお守りとして』

 

『そんな物……姉であるお前から渡せよ』

 

『いやいや、私近い内にシンオウ地方に行くから。そこにはドラゴンタイプのポケモンの伝承が多く残っていてさ~!そこで鍛えれば、もっと強くなるかなぁと思って!今の所、一年はいるつもりかな?』

 

『まったく………』

 

 この前は親不孝者ならぬ、息子不孝者が来たと思えば、今度は妹不孝者か。

 

 だが、二人の頼みは流石に断れないな。なら、君達が話した息子と妹の実力を楽しみにして数年待つとしよう。

 

 

 

 





気付いた方もいるかもしれませんが、タグの方をいくつか変更させて頂きました。
ストーリー展開もある程度固まった上での変更なので、確認して頂けると、幸いです。
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