俺と雪ノ下の最初のポケモンがユキワラシなのはまちがっている。   作:リコルト

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今回はアンチ的要素があります。
注意して読んでください。



新たな指標と新たな騒動?

 

 

「これが俺の親父からの……」

 

 

「これを姉さんが………」

 

 

 当時を振り返るようにタケシは八幡と雪乃に二人の父と姉から託された物を渡す。

 

 異世界から意識だけ来てしまった俺からすれば、親父に何らかの形で間接的に触れるのは初めてだったが、タケシさんが言うには本当に強い人だったらしい。元の世界では普通のリーマンだったのに。

 

 タケシさんから貰った紹介状の中身を見るが、そこであることに気がつく。

 

「タケシさん、これ……」

 

「そうなんだ。紹介状に重吾さんの直筆のサインしか書いて無いんだよ。あの人が言うにはセキチクシティとシオンタウンに行けば、その紹介した人は分かるらしい。まったく、ポケモンリーグ優勝者が紹介状ぐらい丁寧に書いてくれって話だ……」

 

 タケシさんが俺の気持ちを代弁してくれたように、実は親父からの紹介状には親父の名前しか書いてないのだ。紹介した人の名前、詳しい住所、そして挨拶と内容。全てが空白なのだ。

 

 いや、マジで勘弁して欲しい。

 

 元の世界の親父も杜撰な方ではあったが、ここまで杜撰ではなかった。タケシさんもこれを貰った時は危うく捨ててしまう所だったらしい。

 

「大変ね、比企谷君」

 

「ああ……まったくだ」

 

 それに比べて雪ノ下の物はしっかりしている。正体不明の進化の石ではあるが、こんな白紙同然の手紙よりは全然マシだ。俺もそういう実用的な物が欲しかったわ。

 

「さてと、これで君達に渡す物は全て渡した。君達は次のジムに行くべきだけど、比企谷君は紹介状の通りならシオンタウンとセキチクシティに先に行かないと駄目だね」

 

「ええ……けど、ここからシオンタウンとセキチクシティってかなり遠いですよね?」

 

「別にそんなことは無いわ。2番道路に戻れば、ディグダの穴があって、そこからクチバシティまでショートカットが出来る筈よ。そこから近いのはシオンタウンかしらね?」

 

 流石は歩くポケモン図鑑。地理関係も全て把握済みだ。これには説明しようとしていたタケシさんも驚きである。

 

「どうやら、次の指標決めも完璧のようだな!なら、早くその目的地に行くと良い。けれど、次からのジムリーダー達は個人の力を確認する者達ばかりだ。鍛練を怠るなよ!では、また会おう!」

 

 

 こうしてジムリーダーらしい激励を頂いた俺達は長い戦いを行ったニビジムを後にしたのだった。

 

 

……………………

 

 

 

……………………………………

 

 

 

…………………………………………………

 

 

 

「次はクチバシティか。となると、次挑むとなるのはクチバジムだな」

 

「ええ、本来なら最も近いハナダシティのハナダジムを目指すべきでしょうけど、別にジムの順番は自由で良いと思うわよ」

 

「だな。戸塚達も一緒に「八幡。実は僕トキワシティに戻ろうと思うんだ」……えっ?」

 

 ニビジムを出てすぐの戸塚からのカミングアウトに頭が一瞬フリーズする。

 

「実は私も考えてたんだ」

 

 えっ!?川崎もか?急な話でついていけないんだけど。まさかのホームシック!?

 

「……何か理由があるのね?」

 

 そう言って雪ノ下は冷静に二人に訊ねる。

 

「さっき、タケシさんが言ってたけど、これからのジムバトルは個人の力で戦うんだよね。だから、僕はトキワシティとニビシティをしばらく拠点にしてポケモンを鍛えたいんだ」

 

「私も同じ。今回は二人に助けられたから、トキワの森も抜けられたし、ジムバッジも貰うことが出来た。だから、今度は自分の力で攻略出来るようにしたいんだ。残念だけど、二人とはお別れだね」

 

 戸塚と川崎は俺達と別れることに残念そうにするが、二人の新たな指標を聞いた以上、俺と雪ノ下がそれを止める理由はない。

 

「分かった。俺達は先で待ってるから。そこで、また強くなって再会しよう」

 

「うん、僕もポケモンの医者になるための知識を蓄えて二人に追い付くから。八幡と雪ノ下さんも無理しないように頑張ってね。それじゃあ」

 

 そう言い残して、戸塚と川崎はトキワシティへの方向へと戻っていく。この時間なら、トキワの森を抜けてトキワシティに今日中に着くだろう。

 

「比企谷君、貴方はどうする?彼らを追うようにディグダの穴に向かう?」

 

「なわけ。今はカマクラを回復させるのが優先だ。二人にも無理をするなと言われたばかりだ。今日はニビシティで一泊するぞ」

 

「賢明な判断ね。貴方がパートナーで良かったわ。もし、貴方が脳筋みたいにクチバシティに行こうとしてたら、見捨てていたわよ」

 

「……笑えねぇ冗談だ」

 

 戸塚達を見送った俺達はその足でポケモンセンターに向かおうとする。雪ノ下のピッピは大丈夫そうだが、俺のカマクラは限界まで頑張ってくれたため、かなり疲れが溜まっている。まだ昼ぐらいだが、ここは休むべきだろう。カマクラを回復させている間は生活必需品の補充も出来るし、観光もありだな。

 

 そう思いながら、雪ノ下と話を進めていると、俺達を遮るように見慣れた男達が現れる。

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、ヒキタニ君に雪乃ちゃん。どうやらジムバッジをゲットしたようだね。俺達も最後の方を影で二人の戦いを見ていたよ」

 

「……だから、何だ?俺達はポケモンセンターに行きたいんだ。邪魔をしないでくれるか?仲間を巻き込んでまでよ」

 

「いや、君の戦いを見ていたけど、トレーナーズスクールでの成績がまるで嘘みたいでね。あの下位の成績だったヒキタニ君がここまで強くなったとは思っていなかった。だから、俺は君にポケモン勝負を挑もうと思うんだ」

 

「はぁ?」

 

 葉山の言い分に思わず呆れてしまう。俺がトレーナーズスクールでは成績が悪かったという新たな自分についての情報は分かったが、ポケモン勝負を挑む理由があまりにもひどい。

 

「葉山君、貴方はタケシさんから説教された筈よ。こんな事をしているなら、貴方はその説教を生かすために他にやることがあるはずだけど」

 

「これがそうだよ。タケシさんに勝ったトレーナーに勝てば、タケシさんも実力を認めてくれる筈だ。俺が鍛えたポケモンが負ける筈が無い!」

 

 そう言って葉山は誇らしげに言うが、あまりにも醜い。周りの状況を確認すると、三浦と由比ヶ浜は葉山に協力して、戸部と海老名は嫌々としている感じか。

 

「断る。俺は行く場所がある」

 

「はぁ!?ヒッキーマジキモいし!ジムリーダーに勝ったのもどうせマグレだし!」

 

「由比ヶ浜さん!貴女ね!比企谷君は……」

 

「結衣の言う通りだし!ポケモンも私達が知らないポケモンを使っているし、ジムリーダーに勝ったのはそのポケモンのお陰だし!」

 

 由比ヶ浜と三浦の醜い罵倒を雪ノ下は必死に弁護するが、治まる様子が見えない。

 

「おい、葉山。先にポケモンセンターに行かせてくれ。勝負するならそれから「駄目だ。ポケモンを入れ換えようなんてする真似はさせない。君は手持ちのそのカマクラというポケモン()()で戦うんだ」

 

 

ブチッ

 

 

 こいつは本当にポケモントレーナーか?回復が済んでいないポケモンに勝って何が嬉しいんだか。そんなんで、タケシさんが認める筈が無いだろう。

 

 だが、良いことが聞けた。

 

 

「……分かった。()()()()()()()()()()()なら良いんだな?」

 

「ああ、そうだ。それなら大丈夫だ」

 

「そうか、ならすぐに場所を移して戦おう。すぐに終わらせてやるから」

 

 まさか、こいつらが良い感じに勘違いしているとはな。ジム戦では出せなかったが、どうやらこいつの出番はまだ残っているようだ。

 

 

…………………

 

 

…………………………………

 

 

………………………………………………

 

 

 

「何よあれ……どういう状況?陽乃に言われてニビシティに来たけど、来て早々にトラブルの予感じゃない。最悪のケースも考えて、私も行ってみた方が良さそうみたいね」

 

 

 

 

  

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