俺と雪ノ下の最初のポケモンがユキワラシなのはまちがっている。   作:リコルト

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大変遅くなりました!
2話目です!


状況把握。そして、マサラタウンへ

 

 

 俺と雪ノ下がこのポケモンの世界にやって来てから、一日目が経った。今日は俺達を含めたクラスメイトがポケモンを初めて貰う日であり、クラスメイトの数名は朝からオーキド研究所のあるマサラタウンに向かったらしい。

 

 

 

 だが、俺と雪ノ下は朝からポケモンを貰いに行く余裕はなく、午前中はずっと俺の周りの環境やこの世界について分かる事をひたすら調べていた。だから、俺と雪ノ下は午後にマサラタウンに向かう約束をしており、トキワシティと一番道路の境の近くで待ち合わせをしていた。

 

「お、雪ノ下」

 

「遅れてごめんなさい。色々と冒険の準備に戸惑ってしまって」

 

 そう言いながら、雪ノ下は俺に謝罪する。雪ノ下の格好は肩から下げる大きなバックと帽子が目立つ動きやすい格好、ポケモンの女主人公を彷彿させるような姿だった。

 

「やっぱその感じ…ポケモンを貰ったら、旅をする感じたよな」

 

「ええ、ポケモンを貰う一日前に旅をやめるなんて親に言えないわ。そういう比企谷君もでしょ?」

 

「ああ……そうだ」

 

 ちなみに俺の格好はというと、黒い半袖パーカーの服と長ズボンで、背中にリュックを背負った格好だ。どうやら、この世界ではポケモンを貰ったら、旅をするのが当たり前らしく、それを知ってしまうと、ポケモンを貰う一日前に親には簡単に旅をしたくないと言えない。

 

ああ、去らば我がインドア生活よ。

 

 

………………………………

 

 

……………………………………………

 

 

………………………………………………………

 

 

 その後、俺と雪ノ下は各々が集めた情報を共有し、確認しながらマサラタウンに向けて1番道路をゆっくりと歩いていた。

 

 どうやら雪ノ下からの情報だと、葉山グループの葉山、三浦、戸部、海老名と由比ヶ浜は朝一番にポケモンを貰いに行ったらしく、今頃はトキワの森にいるだろうか。

 

 

「そう言えば、比企谷君。話が変わるけど、貴方はこの世界での自分の状況を確認したかしら?」

 

「ああ、確認した。俺の出身はトキワシティで、家族構成など他の部分はクラスメイト同様変わった所はなかった。だが、父親は今ホウエン地方に行っているらしい。何でも単身赴任をしているそうだ」

 

「比企谷君の父親もホウエン地方に?実は私のお父さんも今ホウエン地方で働いていることになってるのよ」

 

 話を聞くと、雪ノ下はホウエン地方からカントー地方に引っ越して生活をしている人生だったらしい。原因としては母親がカントー地方で建設会社の規模拡大を狙っていたからだそうだ。

 

「そうだ、陽乃さんは何をしているんだ?」

 

「姉さんはどうやらポケモントレーナーをしているらしいわ。シンオウ地方にいるらしいのだけれど、連絡が取れなくて……」

 

 そうか、陽乃さんも旅をしているのか。あの人の性格からしてポケモントレーナーとかかなりお似合いだよな。

 

「ところで、ずっと雪ノ下に聞きたかったんだが、お前はこの状況をどう説明する?」

 

 俺は雪ノ下に俺達がこの世界に来てしまった理由とそれについての説明を訊ねた。

 

「……私の仮説が合っているとは限らないけど、おそらくここは私達の知る世界の平行世界だと思われるわ。もしポケモンがいたらという世界のね」

 

 雪ノ下はそのまま話を続ける。

 

「こっちの世界にも平行世界の私達がいた。でも、あのトラック事故のせいか、私達という別の世界の魂もしくは意識がこっちの平行世界の私達に移った。現実味がまったく無いけれど、これが今一番納得できる説明ね」

 

「成る程な。俺もそれに賛成だ」

 

 確かに雪ノ下の説明はとても現実味が無いが、俺もその説が濃厚ではないかと思っていた。やはり、そういうことになるか。

 

「ちなみに聞くが、俺達が元の世界に戻れるという可能性はどのくらいある?」

 

「見当がつかないわ。そもそも、私達があっちの世界で死んだかどうかも分からない。そうなった以上、今は成り行きで旅をするしかないわ。旅をしていれば、私達と同じような境遇の人に会うかもしれないから」

 

「まぁ、そうだよな。悪いな、変な希望を持たせるような質問をして。説明した雪ノ下が一番帰りたいと思っているもんな」

 

「え?私は出来るなら、この世界のまま帰りたくはないのだけれど?」

 

「……ふぇっ?」

 

 予想外の答えに俺は思わず口から変な声が出てしまった。その間も雪ノ下は何を言っているの?みたいな目線をこっちに送っている。

 

「私、実はポケモンの世界に憧れていたのよ。ポケモンの主人公みたいに自由に活動できる環境がね。比企谷君もゲームが好きだから貴方もここに残りたいと思っていたのだけれど?」

 

「いや、確かに俺もこの世界には感動している。だけど、状況が状況だろ。もしかすると、あっちの世界では両親や友達が心配してるかもしれないし…」

 

「なら、その考えは今すぐ捨てなさい。これから貴方の両親はこっちの世界の両親と友達よ。それに、もし戻ったとしても貴方は向こうでどうなってるかしら?良くて下半身不随、最悪全身不随よ。トラックに確実に轢かれてるのだから。ちなみに私はすでにこっちの両親を両親と認識しているわ」

 

 容赦ねぇ!?えっ、雪ノ下さんそういう感じ!?あっちの世界の家族と友達バッサリ切り捨てたよ!?あっちの世界に思い入れの一つや二つはある場面だよ!?ゼロじゃん!?全く無いじゃん!?

 

 だけど、向こうに戻った時の雪ノ下の予想が的を射ていそうで本当に怖い。向こうで、意識が戻ってすぐポックリとかあり得そうだわ。

 

 だったら、早い内に悟りではないけど、割り切った方が良いかもしれない。この世界でポケモンマスターになるんだ!というレベルで。

 

 

「…そう言えば、雪ノ下さん。ずっと気になってたんだが、かなりポケモンに詳しいご様子…」

 

「最近だとサンムーン、最も古くてレッドグリーンまでやりこんでいたわ。向こうの世界でお父さんがポケモンにハマッていた成り行きよ」

 

 いや、それ成り行きじゃないです。ドハマりの間違いです。成り行きでポケモンゲームを完全制覇する奴なんてそうそういません。

 

 

 雪ノ下とそうこう会話していると、目的地であるマサラタウンに辿り着いた。

 

 最初のポケモンって確かフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメだよな?何にしよう。

 

 

 

 

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