俺と雪ノ下の最初のポケモンがユキワラシなのはまちがっている。   作:リコルト

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最初のポケモン

 

 

 雪ノ下のポケモン事情を聞きながらしばらく歩くと、目的地であるマサラタウンに辿り着いた。

 

「ここがマサラタウンね。ゲームみたいに家が一つ二つしかない所だと思ったけど、案外大きい町で、活気もある方なのね」

 

 雪ノ下さん、それメタ発言です。本当にゲームみたいな町構造だったら、現実だとそれは町とは言いません。

 

「そうだな。確か1番道路もゲームよりも少し複雑だったよな。ここはゲームとは似ている所があっても、ゲームとは同じじゃないと思った方が良い」

 

「ええ、そう思った方が良さそうね。それじゃあ、行きましょうか。目的地のオーキド研究所へ」

 

 マサラタウンに着いて、すぐに俺達は予想よりも大きい町の中でオーキド研究所を探す。家も多く、案外見つかりにくいと思いきや、他の建物よりも目立つ外見だったので、見つけるのにそんなに時間がかからなかった。

 

「ここがオーキド研究所ね」

 

「そうだな、中に入ろう」

 

 俺は玄関のドアノブに手をかけて、研究所内に入る。研究所内には研究員達と多くの機械やモンスターボールがあり、如何にも研究所だという雰囲気を醸し出していた。

 

「すごいわね。まるで社会科見学でもしているような気分だわ」

 

「ああ、ゲームだと簡素な感じだったが、現実に感じるとやっぱ違うな」

 

 研究所内の壮観な景色に圧倒されていると、奥から俺達を呼ぶ声が聞こえた。

 

「やぁ、君達が比企谷君と雪ノ下君だね。ほら、早くこっちに来なさい」

 

 俺達は拒否する理由もなく声に従うまま奥の方にやって来た。そこには三個のモンスターボールが乗っていたテーブルと一人のおじさんが立っていた。

 

 この人……まさか……

 

「初めまして。私の名前はオーキド。このオーキド研究所でポケモンについて研究しておる」

 

 マジかぁー!?やっぱこの人がオーキド博士だったか。確かに他の人と貫禄が何か違うもん!

 

「は、初めまして。比企谷八幡です」

 

「雪ノ下雪乃です。会えて光栄です」

 

「うむ、礼儀正しい子達だ。今までの子達とは雰囲気が違いおる。やはり、君達のお父さんの似る所は子供にも似る所があるのかの」

 

「「……へっ(はいっ)!?」」

 

 オーキド博士からさらりと出た言葉に俺達は驚きを隠せなかった。雰囲気の件は恐らく俺と雪ノ下の精神年齢が同学年より高いのが起因していると思うが、オーキド博士はまるで俺と雪ノ下の父親のことを知っているような話し方だった。そう言えば、父親が何をしているか聞いてなかったんだよなぁ。

 

「あの……オーキド博士は私達のお父様達とはどのような関係なんですか?」

 

「おや?雪ノ下君達はお父さんから何も聞かされていないのかね?雪ノ下君のお父さんとはポケモンについて学ぶ大学の先輩後輩の関係なんじゃよ。ホウエン地方でポケモンについて研究しておるが、たまに連絡を取っておる。一方、比企谷君のお父さんはというと、彼は昔オーキド研究所のテストトレーナーだったのじゃ。あれほど腕が立つトレーナーはなかなかいない。ホウエン地方に行くと言った時は説得した位じゃよ」

 

 し、知らなかったなぁ。まさか、お父さんがオーキド博士と知り合いだったなんて。というより、それ以前にお父さんの仕事も今初めて知ったわ。実質ポケモントレーナーをしていたのか。

 

「さて、君達のお父さんとの思い出話はこの辺にして、君達には一人前のポケモントレーナーとして私から最初のポケモンを渡そう」

 

 おっ、ついにこの時か。フシギダネにしようかな、ヒトカゲ……いや、ゼニガメも……今後の人生を左右すると思うとかなり重い重圧がかかるな。

 

「確か私達はくさタイプのフシギダネ、ほのおタイプのヒトカゲ、みずタイプのゼニガメから一体を選択するんですよね?」

 

 そう言って雪ノ下は俺より興奮した様子でオーキド博士に訊ねる。あんな雪ノ下見たことがない。

 

「うむ……雪ノ下君の言う通りなんじゃが、君達には別のポケモンを渡そうと思う」

 

「「別のポケモン!?」」

 

「そうじゃ。君達のお父さんから君達に渡してくれと急にポケモンが届いてな。何でもホウエン地方でも珍しいポケモンだとか」

 

 そう言ってオーキド博士はテーブルにあった三つのモンスターボールをしまい、その父さんから届いたモンスターボールを探す。

 

「おお!これじゃよ!」

 

 博士はプレゼントのように丁寧に梱包された二つの箱を俺達に見せ、中から一つずつモンスターボールを取り出して俺達に渡してきた。

 

「二人とも、出してみると良い」

 

「え、はい。出てこい、俺のポケモン!」

 

 俺は受け取ったモンスターボールを床に叩きつける。雪ノ下も俺と同じように地面に叩きつける。すると、ボールが開き、中からポケモンが現れる。

 

 

 だが、まさか………

 

「ユキッ!ユキッ!」

 

「ユキュッ!ユキュッ!」

 

 ポケモンが被るとはなぁ………

 

 

…………………………

 

 

……………………………………

 

 

………………………………………………

 

 

「雪ノ下……こいつらって」

 

「ええ、ゆきかさポケモンのユキワラシね。ホウエン地方ではあさせのほらあな位にしかいないこおりタイプのポケモンよ」

 

「おお、さすがは雪ノ下君。このポケモンを知っておったか。こいつらはユキワラシ。比企谷君のはオスで、雪ノ下君のはメスじゃよ」

 

 成る程、まさかユキワラシだったとはな。しかも、雪ノ下とポケモンが被るし。最初のポケモンがこおりタイプなのもどうかと思うが……

 

「ユキッ!ユキキッ!」

 

 まぁ、別にいっか。普通にかわいいし。

 

「どうやら、二人とポケモンの相性は問題無さそうじゃの。あと、二人にはこれも渡そう」

 

「これは……」

 

「ポケモン図鑑じゃよ。そこには君達が見つけたポケモン、捕まえたポケモンが記録される。君達の旅の中で有効に使うと良い」

 

 俺と雪ノ下はオーキド博士からポケモン図鑑を貰う。けど、俺の横には歩くポケモン図鑑がいるからなぁ。雪ノ下はもしかすると、無用かもしれない。

 

「さて、これで私の仕事は終わりじゃ。まず、君達はニビシティを目指すと良い。そこが最も近い大きな町だからな。朝からやって来た数名も早ければ、明日には着くだろう」

 

「分かりました、オーキド博士」

 

 

 こうして、俺と雪ノ下はオーキド研究所を後にした。今日はもう夕方だし、早く1番道路を抜けてトキワシティのポケモンセンターで一泊だな。わざわざ夜の森を歩く必要はないしな。

 

 

 

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