その場のノリで頑張って生き抜くお話   作:ホトロ

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戦闘描写って難しいッ!





第10話

 

 

 

わたしの繰り出した攻撃【鉄塊脚(てっかいきゃく)】は、ルフィ君が仰け反って後ろに飛んだことで、彼の前髪にチッ、という音を出して掠っただけでした。

 

しかし、わたしの攻撃はそこで終わりません。蹴った足を即座に戻し、反対の足で【(ソル)】ほとでは無いにしろ力強く地面を蹴ることでルフィ君に肉薄します。

 

ルフィ君は攻撃を避けてわたしとの間をとったと思った瞬間に、またわたしが距離を詰めてきたためそれなりに焦っていることでしょう。その証拠に「や、やべっ!?」って言っちゃってます。

 

でも、逃がしませんよ。

 

今度は手を手刀の形にします。それを手首と肘の中ほどから指先にかけて【鉄塊(てっかい)】で固めて、槍を突き出す様に捻りを加えて前方、ルフィ君の頭部へと目掛けて空気を切り裂きながら突き進めます。

 

「【鉄塊貫(てっかいぬき)】」

 

はい、簡単に言えば【鉄塊(てっかい)】を使った貫手ですね。

 

しかしそれも当たることはありませんでした。正確には、またもや髪に掠っただけでした。彼がその場で瞬時にしゃがんだのが原因です。

 

そのままルフィ君は手を地面につき、こちらに背を向けたまま足で攻撃してきました。

 

「ゴムゴムの槍ィ!」

 

それは意趣返しでしょうか。彼もわたしを貫くように攻撃してきました。槍ってまんま言っちゃってますけどね。

 

まあ、スピードはわたしが上なので当然軽々と避けます。そして避け際に足を一閃。

 

「【嵐脚(らんきゃく)】」

 

コレは当たりましたかね。とか考えていると、ついていた手をバネの様に使い、足を伸ばしている方向へと飛んで回避してしまいました。

 

でも、まだ足は伸ばしっぱなしですよ!

 

わたしは伸びている足を掴んで、力一杯壁に叩きつけました。

 

道力3200を誇るわたしの超人パワーによって、ルフィ君は吹き飛び壁を大破させました。

 

ガラガラと石造りの壁が崩れる音をわたし達以外誰もいない通路に響かせながら、ルフィ君は立ち上がり言いました。

 

「……やっぱり牛の奴より全然強え。けど、ハトの奴の方がもっと強え。」

 

「そのハトの人はCP9最強ですからね、当然ですよ。でも君はわたしより弱いですから、ハトの人どころかわたしに勝つことも不可能です。」

 

「不可能じゃねぇさ。おれはこんなとこで立ち止まってる暇はねぇんだ。だからお前もハトの奴もぶっ飛ばして、ロビンを取り返す。そんでもってONE PIECEを手にいれて海賊王になるんだ。」

 

ルフィ君は喋りながらも床に握った拳をつき、残った片手を膝の上へ起き、腰を膝が直角になるまで落とし、足を肩幅より更に大きく開いています。

 

何をする気か知りませんが、やらせない方が良さそうですね。わたしの勘が警鐘を鳴らしています。

 

「【(ソル)】!」

 

「ギア(セカンド)!」

 

言ったのは同時でした。

 

しかし、わたしが彼の目の前へ行き攻撃しようとした時、

 

「ゴムゴムのJETピストル!」

 

彼の拳が消えました。

 

マズイ、とは思いませんでした。思うよりも早く、わたしの体が脳の鳴らす警鐘に煽られ動いたからです。

 

攻撃しようとしていた腕を、勢いを止めないまま胸の前に持っていきクロスさせました。

 

衝撃は直ぐに襲ってきました。防御態勢に入るのが五分の一秒も遅ければ、わたしは大きなダメージを貰っていたことでしょう。わたしの天才的感覚の鋭さのお蔭ですねッ!

 

それにしても、なんという身体能力の上昇率でしょうか。わたしは防御したものの、攻撃するために前傾姿勢になりすぎていたため後ろに飛んで衝撃を逃がすことが出来ませんでした。なので今は後ろに吹っ飛び中です。

 

「ゴムゴムの……」

 

「ッ!?」

 

まだ吹っ飛んでる最中だというのに、ルフィ君はわたしの目の前まで迫り、攻撃しようと両腕を後ろへ長く長く伸ばしていました。

 

「【鉄塊(てっかい)(ごう)】!」

 

「JETツインピストル!」

 

またも言ったのは同時でした。

 

CP9最強の防御方法である【鉄塊(てっかい)(ごう)】を使ったわたしへと、瞬きをする間もなく襲いかかった二つの拳は腹部と胸部にめり込み、吹っ飛び中のわたしの体を更に吹っ飛ばしました。

 

「ガハッ!?」

 

腹部を殴られたことにより逆流した胃酸を吐きながら通路の奥へと吹き飛び、その突き当たりの壁に激突したことで漸くわたしの体は止まりました。

 

「おれ達の邪魔は誰にもさせねぇ!!!」

 

全く、そんなに吠えないでくださいよ。

 

しかし……あー、もうコレは本当にどうしましょうかね。立ち上がりながらルフィ君を見てみると、彼は体表を赤く火照らせ、体中から湯気を立ち上らせています。

 

一体何故ああなっているんでしょう……?

 

いや、今はそんなことどうでもいいですね。

 

問題なのはルフィ君の急上昇した身体能力です。アレは明らかにわたしよりも上です。もしかすればボッチ君とだって同等にやり合えるかもしれません。

 

……あれ?わたしに勝ち目なくないですか?

 

………しょうがないですね。能力、使いましょう。あまり使いたくなかったんですがッ!

 

この能力、多様性には優れているんですが色々と欠点があります。まず、戦闘中に使おうとすると発動するまでの時間が決定的に長いのです。あと近距離ではあまり使いたくないですね。使い様によっては被害がコッチにも及ぶので。あとコレはわたし一人の秘密にしているんですが、能力の有効範囲が結構広いです。おそらくロギアにも負けない程です。でもそんな使い方すればわたしも自身の能力の餌食になっちゃうんですよね。なので、ぶっちゃけ使い道ないです。仮に海軍の上層部に知られたりすれば生物兵器的な扱いを受けて、わたしの人生がTHE ENDです。

 

以上の理由により、あまり使いたくないのですが……周りに誰もいなく、わたしとルフィ君たった二人しかいないこの空間ならば使っても問題はないでしょう。

 

というわけで、

 

「"我が声を聴け""大気よ""唸り敵を切り裂く鞭となれ"」

 

わたしが言った瞬間、狭い通路の中で空気が歪み、ルフィ君へ向けて唸りながら進んでいきます。その光景は見えない蛇が獲物へと殺到している様に捉えることも出来るでしょう。

 

「な、なんだぁ!?空気がグニャグニャしてる!なんだか知んねえがヤベェ!!」

 

そう言って後ろに飛んで回避しようとしていますが、

 

「無駄ですよ〜。」

 

だってこの大気の蛇、ルフィ君の()()からも迫ってきてるんですからね。

 

そして噴き出すのはルフィ君の赤い紅い鮮血です。

 

「ぐあっ!?なんで後ろにもいんだ!?」

 

「ふふっ、わたしはコトコトの実の能力者。わたしの放つ言葉は対象に魂を宿します。そしてこの能力の範囲はわたしの声が届くところ()()です。この狭い通路です。逃げ場などありませんよ。」

 

四方八方に存在する大気の鞭はまだ唸りながらルフィ君を切り裂こうと向かって行っています。

 

さぁ、どうしますか?

 

「もう終わりでしょうけどね〜。」

 

「終わりじゃねえ!!」

 

そんな強がってもどうしようもないというのに、それとも何か策があるんでしょうか?

 

とか思っているとルフィ君はクルリと反転して、体が切り裂かれるのも厭わずに大気の鞭の中へ突っ込んで近くにある部屋の中へ逃げました。

 

バタンッ!!という音だけが通路に響きます。

 

えぇーーー……………。

 

逃げるんですか。そうですか。まさかそんな手に出るとは思いませんでしたよ、ええ。

 

しょうがなく能力を解除して、ルフィ君の入ったドアの前まで行きます。そのままドアノブを握り回そうとしたところで、ふと思いました。

 

コレ、もしかして罠ですかね?

 

んー……ルフィ君が、罠……?

 

あの天然丸出しの子が?

 

いやいや先入観に引っ張られてはいけません。案外、戦いになると頭の回るタイプかもしれませんし。

 

……よし、覇気を使いましょう。

 

未だ戦いながら覇気を完璧に使える程修めているわけではありませんから使い所を考えていましたが、ここが一番の使い所になりそうです。

 

さて、早速意識を集中していきます。覇気を使う際に一番重要なのは強いイメージです。

 

今回使う見聞色の覇気は自分の感覚を広げるイメージです。

 

今ルフィ君がいる部屋は、わたしの記憶が正しければ政府の高官などがここ司法の島を訪れた際に宿泊するための部屋だった筈です。

 

入口はわたしの目の前のドア一つだけで他に出入り口はありません、確か。

 

この閉ざされた部屋の中で彼は一体何をするつもりなのか。まぁ、だいたい予想は出来ますが。

 

さて、感覚が目の前にある部屋の隅々まで広がりました。ルフィ君は……部屋の奥に位置どっているようですね。どうやらドアが開いた瞬間に殴ろうという魂胆みたいですが、フフッ残念でしたね。対処はしっかりさせていただきますよ。

 

まずは目に見えない鎧を着ているイメージで武装色の覇気を纏い、ドアを開けます。その時の攻撃次第では【鉄塊(てっかい)】も使って防御します。

 

そしてルフィ君が攻撃中の一瞬の硬直を狙って強力な一撃を叩き込みます。

 

うん、完璧です。わたしの天才的な計画立案は素晴らしすぎます。わたし、マジ天才ッ!!

 

じゃあまずは強力な一撃を準備しましょうかね。

 

「"我が声を聴け""風よ""我が右腕に集いて敵を貫く鉾となれ"」

 

言葉を放つと共に、わたしの右腕に渦巻くように周囲の隅々から、それこそ隙間風や遠く離れた窓やドアから入ってきたであろう微風迄もが集まってきます。

 

実はここだけの話、こんな言い方じゃなくても良いんですが、普通に言うのも面白くないのでこういう言い方になりました。

 

フフフッ、カッコいいでしょう?何時もとは違う口調で唄うように紡がれる美声は、聴いた女性の心を鷲掴みにすること間違いなしです。

 

何はともあれ準備完了です。

 

さて、では行きますか!

 

ガチャリ、とドアノブを捻ってドアを開けます。迅速に素早く一気に開け放ちます。

 

そうしてわたしの眼に写ったのは、

 

「でかっ!?」

 

巨大な、巨人族と見紛う程に大きくなったルフィ君の右腕でした。

 

「ゴムゴムのォ!ギガントピストル!!」

 

コレはマズイです!予想外にも程があります。っていうかこんなの予想のしようもありませんよッ!

 

「クッ!【指銃(しがん)(りゅう)】!」

 

わたしは急いで右腕に渦巻く風を右人差し指に集め、前方へと打ち出します。それは小さな竜巻の様で、先端を尖らせて敵を貫こうとルフィ君へ向けて飛んでいきます。

 

そして時間のロスを抑えるため、腕を前方へ突き出したまま掌を広げて防御へと移ります。使うのは覇気と【鉄塊(てっかい)】の合わせ技、

 

鋼鉄塊(こうてつかい)!」

 

瞬間、大きな衝撃がわたしを襲いました。ルフィ君の拳のあまりの威力にわたしの足は床から離れ、石造りの壁を壊して司法の島の外へと吹っ飛ばさせれてしまいました。

 

しかしわたしは見ました。わたしが吹っ飛ばされる直前に、わたしの放った風の一撃は確かにルフィ君の肩に命中していたのを。

 

狙いは少々外れましたが、別にいいですよね?

 

だって、この一撃を食らったお蔭で本気で勝てる気がしなくなりましたもん。

 

 

 





いつの間にかお気に入り登録者数が100を超えていた……。全く嬉しい限りです。

読んでくれている方々、更に登録してくれている方々、本当にありがとうございますッ!!
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