その場のノリで頑張って生き抜くお話   作:ホトロ

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第3話

 

 

海列車はすでに発車しました。アクアラグナという高波が来ると予想されたためです。発車予定時間を10分程繰り上げての出発でした。

 

列車内では誰も喋りません。本当に暗い奴等ですね、こいつ等は。

 

何もすることがないこういう時は修行をするに限ります。

 

今からするのは見聞色の覇気の修行です。自分で言うのもなんですが、今では結構ものになっていると思います。

 

覇気は任務の帰り際に毎回海軍本部に寄って、そこにいる中将さん達に修行をつけてもらいました。そのおかげで不完全ながらも武装色の覇気と見聞色の覇気を身につけることが出来ました。

 

CP9長官はアンポンタンなので、わたしが任務からの帰りが遅くても簡単に騙されてくれます。いや、もうホントにチョロイです、長官。

 

やはり持つべきものは地位とコネとチョロイ上司ですね。

 

さて、今からわたしがするのは見聞色の覇気を完璧なものにするための修行です。まずは目を閉じ自分の知覚範囲を広げるために意識を集中します。そうすればほら、皆の心の声が聞こえてきます!はい、完了です。

 

これを毎日コツコツ続けて行くことで、覇気のコントロールの仕方や覇気自体の力の向上などを目的としているわけです。

 

覇気の修行において一番難しいのは、覇気に目覚めることが出来るか否かです。才能が無ければ、一生をかけても覇気に目覚めることは出来ず、逆に覇気に目覚めることが出来れば、その後は個人の成長限界にもよるでしょうが、修行を行うことにより覇気能力の向上は確実に可能と言えます。

 

わたしの場合も同じで、覇気能力に目覚めることに多くの時間を要しました。今はしっかりとしたコントロールが出来ていないので、覇気能力の向上よりもそちらを優先している状況です。

 

コントロールの修行方法としては、聴こえてくる全ての声をギリギリ把握出来ないところまで見聞色の知覚範囲を広げます。全てを把握出来る様になったら更に知覚範囲を広げる、これを繰り返して行くわけです。

 

言うなれば、視野を広げる修行の様なものです。眼は真正面を向いていても、視界に映っている全てを視認出来る様にする、と言えばいいでしょうか。

 

ついでに言っておくと、今のわたしの覇気ならばこの海列車内の全てを把握することが可能です。フフフ、下っ端達が『ロブ・ルッチさんマジ恐かったな〜』とか言ってるのも筒抜けなのです。やはり、わたしの笑みを見倣った方がいいと思いますよ、ルッチ君。

 

ただ一つだけ気になることがあるとすれば、第六車両にいる金髪の男性と、袋に入れられたカク君にも似た長っ鼻を持った男性、最後にリーゼントの男性です。

 

後方の第七車両と第六車両の下っ端君達が全員気絶させられているところを見るに、おそらくはタバコを吸っている金髪君がやったんでしょう。

 

更に彼は侵入者であることが推測されます。第一に服装が明らかに海兵のものでも政府の役人のものでもありません。第二に先ほど挙げた三人の中で行動可能なのが彼しかいません。

 

三人は少しの間第六車両で話していましたが、口論になり騒いでしまったために車上へと移動しました。

 

その騒ぎで第五車両の者達はようやく侵入者がいることに気付いた模様です。もうじき、この第二車両にも報告が来ることでしょう。

 

どうやら車上へと移動した三人(というより金髪君)はでんでん虫を使い仲間と連絡をとっている様です。内容はロビンちゃんが麦わらの一味のために政府へ我が身を差し出したことや、今麦わらの一味がこちらに向かって来ているということなどです。

 

はあ〜……最悪なのは麦わらの一味がこちらに向かって来ているということですね。予想が確信に変わってしまいました。

 

ただ、不幸中の幸いとでも言いましょうか。金髪君ことサンジ君(名前は仲間同士の会話から把握しました)は仲間達がこの海列車パッフィング・トムに追いつくのを待てない様で、今いるメンバーでロビンちゃん奪還を決行する様です。

 

本当に助かりました。はっきり言って無理ですからね。彼等程度の力と人数でこのCP9からロビンちゃんを奪還することなどね。フフフフフ……

 

「何を笑っているのかしら、ルーク?気持ち悪いわ。」

 

「何を言ってるんですか。わたしはいつも和かな表情でしょう、カリファちゃん。」

 

「面白いことを言うのね。あと、ちゃん付けは止めなさい。セクハラよ。」

 

「いいじゃないですか。昔馴染みなんですから。」

 

「そう、止めないのね。じゃあその人をイラつかせる気持ちの悪い笑みを張り付けた顔を原型が分からなくなるまで蹴るわ。」

 

「……………」

 

哀しくなんてなんてないですよ。おそらくカリファちゃんはわたしの爽やかな笑みに嫉妬してるだけなので。

 

そんな嫉妬する姿も可愛いですよ、カリファちゃん!ただ顔面をボコボコにされるのは出来れば勘弁して欲しいので、これ以上は喋りませんがね。

 

さて、海列車パッフィング・トムが司法の島エニエス・ロビーに着くまで、まだまだ時間がありますからね。それまで彼等の動向でも見聞しながら愉しませて貰うとしましょう。

 

ここ第二車両に来るためにはそれなりの強者達を倒さなければ辿り着けません。逆に言えば、第二車両に辿り着く事さえ出来ない程度の力しか持たないならば、CP9に打ち勝つ事など夢のまた夢としか言えません。

 

ここに辿り着くまでに期待出来る戦いを魅せてくれそうなのは……第五車両の海軍本部大佐Tボーンさん、第四車両のCP7ワンゼ君、第三車両のCP9新入りのネロ君、この三人ぐらいですかね。ワンゼ君とネロ君は微妙ですけど。

 

となると期待出来るのはTボーン大佐だけですか。

 

さあ、侵入者三人がどれほどの力量の持ち主なのか見せて貰うとしましょう。

 

 

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