その指揮官、助平につき   作:暑坊/atuboo

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5月10日だし何か書きたくて投稿。稚拙な文ですが頑張ったのでどうぞ。


助平とメイド服

 5月9日、突然にそれは基地に届いた。グリフィン本部から届いたそのコンテナには"10日まで開封厳禁"というクルーガー社長直々のサインが書いてある紙が貼られており何やら物々しい雰囲気を放っていた。

 

 並々ならぬ事態と内容だと判断したのはこの基地の主、助平(すけひら)指揮官である。グリフィン本部からの秘匿性の高い緊急作戦の指示であると受け取った彼は基地に所属する戦術人形に戦闘準備命令を発令、日が変わるまでに体制を整えるように厳命し基地は緊張状態に包まれた。

 

 翌10日午前0時。

 コンテナ前に助平(すけひら)指揮官とその横に副官であるG36を先頭に基地所属の戦術人形がピシリと並ぶ。

 

「これよりコンテナの開封を開始する。G36、開けてくれ」

「Ja」

 

 空気が張り詰める。果たして本部からどのような任務と荷物が届いたのだろうか。コンテナの扉が開いた。中には——ラックにダンボール箱が等間隔に並べられている。

 

「なんだこれは……!手前の箱にはG36用書かれているが……」

「ご主人様、中身を確認します……これは……」

 

 G36が箱から折り畳まれている中身を取り出し広げた。

 

「丈の長い黒のスカートに白いフリル……?」

「ご主人様これは……ロングスカートのメイド服ですね」

 

 場の空気が困惑する。コンテナの中を再度探すとファイルに入った一枚の紙が入っていた。内容を読み上げると——有り体に言えば普段の働きによるボーナスと書かれていた。

 場の空気が困惑を飛び越え弛む。昨日から今までの張り詰めた緊張感は何だったのだろうか。流石に少し苛立ちを覚えたので手持ちの携帯通信機でクルーガー社長に直接通信を飛ばす。回線の秘匿性なんぞ知ったことか。

 

「社長、助平(すけひら)です。あれはどういう事ですか。期日まで開封厳禁とか貼られると色々と勘違いを招くのですが」

「その反応だと届いたという事だな。貼り紙については私はペルシカリアの指示に従ったのだが……いや、すまない。だが君はロングスカートのメイド服好きだろう?」

「えぇドストライクで大好きですとも……いや、そうじゃなくて!てかペルシカの仕業かよ!」

「まぁつまりはそういう事だ」

「どういう事だよ!!」

 ツッコミが追いつかない。

助平(すけひら)指揮官!」

 クルーガー社長がいきなりマジトーンで呼びかけてきた

「なんです?」

「夜中に大声出すとご近所さんに迷惑—」

「基地の周りに民家なんて無いわボケ!!」

 

 俺はキレたし通信は切った。場は解散した。コンテナの中身のメイド服は勝手にしろと言い俺は指揮官室に帰った。

 

 

 

 翌朝

 昨日の夜はとんだ出来事だったなと思いながら指揮官室で準備をしているとドアがノックされた。入っていいぞと言いながら振り返るとそこには——

 

「失礼します。おはようございます、ご主人様」

 

 窓から入る朝日に照らされた美しくちょっと可愛らしいカーテシー。昨日のロングスカートメイド服に身を包んだG36が居た。袖や裾に施されたレースやフリルの付いたエプロンの白が眩しさと、ふんわりと揺れる黒いロングスカートに俺は暫く見惚れてしまった。

 

「ご主人様? どうかされましたか?」

「え……あぁ、いや、うん。おはよう」

 

 思わずちょっと目を逸らす。顔が少し熱い気がするのは朝日に照らされてるからだろう。軽く呼吸をして調子を戻す。

 

「昨晩はすまなかった。少し取り乱してしまったな」

「いいえ、誰も気にしていませんよ。むしろ普段はああいう表情をなさらないのでちょっと面白がってる娘もいましたし」

「あまりああいうのを面白がらないで欲しいが……まぁいい。朝食を食べに行くか」

「はい。ご一緒いたします」

 

 G36と一緒に食堂までの道のりを歩く。歩くたびに揺れる長いスカートの裾っていいよなと思いつつ歩いていたら後ろからパタパタと走る靴音が聴こえてきた。

 

「ご主人さま──っ!」

「Gよんいぐへぁっ!」

 

 G41の元気で可愛らしい声と後ろからのダイブ&アタック。倒れなかった俺、頑張った偉い。

 

「G41!」

「G36、いい。おはようG41」

「おはようございますご主人さま!」

 

 叱ろうとするG36を抑えつつG41に挨拶をする。今日もケモミミ元気な彼女を見ると——

 

「あれ?その格好は……」

「はい!昨日のメイド服!私も着ちゃいました!」

 

 笑顔でその場でくるくると回るG41。風でふわりと広がる彼女の髪とロングスカート。正しく可愛らしさの頂点な気がした。

 そしてもしかして、と思い俺はG36に聞いた。

 

「G36、まさか……」

「ふふっ、ご主人様。早く食堂へ行きましょうか」

「そうだよ!早く早く!|朝ごっはんー!」

 

 二人に手を引かれ食堂の前までたどり着く。

 俺の予想が正しければこの扉の向こうは——意を決して開いた。

 

「あら、おはようございます指揮官」

 

 スプリングフィールドがいた。メイド服で。いや、それだけでは無い。みんなみんなロングスカートのメイド服である。MP40もG43もWA2000もUMP姉妹もSAAもコンテンダーも……!! 

 

「ここが……天国か……!」

 

 昇天しかける。

 どうやら昨日の社長との通信内容を聞いて労いを込めてみんな着た、との事だった。彼女らの指揮官としてこんなに嬉しい事はないと思いつつも、もっと頑張らねばなと思うのであった——。

 

 

 

「ところでG36、なぜメイド服だったのだろうな?」

「あら日本の血筋を引いてるご主人様なら知ってると思ったのですが。今日は5月の10日。MAYの十日でメイドの日、だそうですよ。日本らしい語呂遊びですね」

「そういうことか……」

「ちなみにコンテナの最奥にご主人様分の箱もありました」

 

 彼女たちがメイド服なら俺はカッコいい執事服だろうか。少しワクワクしながら箱から中身を出したが——

 

「これは……これもメイド服ですね」

「なんでやねん……」

「ご主人様は背丈も小さいですし顔も童顔だから似合うと思いますよ」

「えぇ……」

 

 この後このメイド服を着ることになるのだがそれはまた別の話。

 




ロングスカートのメイド服っていいよねって思って勢いだけで書き上げました。後半の内容が息切れしてるし色々と投げっぱなしだけど熱いうちに書き切ったから私の勝ち。
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