ダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか   作:レイジー

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 とりあえず書きたいものを書くことにするわ(お?方針決まったのね)
 いや、うん、まあ…その時のテンションで書くよ(あ~絶対ロクな内容にならんな)
 それは出来てからのお楽しみ(精々高みの見物させてもらうよ)
 お前俺と同じ底辺ランクだろうが(自分より下のお前を見て笑ってやる)


第一四話 野蛮少女オリヴィア

 俺たちは今、15階層で戦っている。

 マップの把握は知識として済んでいるからそこまで詳細に階層を巡る必要もなく、大雑把に探索するだけで済むからすぐに次の階層へ降りることが出来て移動距離を短縮して次の階層に早く進めて楽だ。

 だが、中層はその地形の特性上広間(ルーム)以外で遭遇した場合の戦闘は非情にやり辛くもある。

 何せ中層は何も知らずに連れて来られたら天然の洞窟かと勘違いするほどに洞窟感にあふれている。

 

「硬ぇよこんちくしょう!」

「大剣が使い辛いからって素手で真正面から挑む馬鹿がどこにいる!魔法を使え魔法を!」

「ミスト!目の前の奴を見ろ!その馬鹿がいるじゃないか!つまりは私だ!!」

 

 そんなこんなで通路でミノタウロスと遭遇した俺たちは武器を振り回しづらい状況で戦う羽目となり、オリヴィアは動きが縦方向に制限されて窮屈だという理由で大剣を戻して肉弾戦を挑んでいた。

 簡単に説明するならば、『拳、もしくは天然武器(ネイチャーウェポン)である石大剣を避ける』『懐に潜る』『軽く跳躍して角を握る』『その状態で全力膝蹴りをして両角を折る』『その角を使って魔石を砕く』の五工程で全てのミノタウロスを倒している。

 俺は剣を貸すからそれで戦えと言っているのだが、オリヴィアは言う事を聞かずに狂戦士(バーサーカー)のような満面の恐ろしい笑顔で戦っていた。

 

「この馬鹿野郎め!……いや、女だから馬鹿女郎か?」

「知るか!言葉なぞ伝わりゃいいだろ!」

 

 ギャアギャアと喧しく戦いながら俺は戦闘にしか興味のない馬鹿を誘導して上階へ向かう階段へと誘導する。

 

「おいミスト、この階段上に向かってるぞ?」

「ああ、安全第一だからな。」

「え~、私はまだ戦い足りないぞ~」

「中層を侮って死にたくなけりゃ黙ってついてこい」

 

 そう言い聞かせるが、未だに不満そうなオリヴィアは何度もワザとらしい溜め息を吐いて気を惹こうとしてくる。

 はじめは俺も無視をしていたが、流石に十数回も聞かされると堪ったもんじゃないから階段を上りながらオリヴィアに尋ねた。

 

「…お前は今下の階層に行ってゴライアスに勝てると思ってるのか?」

「さぁ?勝てるんじゃねえの?」

「言っとくがゴライアスはLv.4相当の実力だ。Lv.を1つ分引っ繰り返せる冒険者は二人ほど知っているが2つ分は上級冒険者でも無理だ」

 

 一人は同派閥(うち)の【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。

 もう一人は俺たちと同時期にランクアップしながら俺たちよりも異常な速度でランクアップを果たしたという少年だ。

 一人は階層主と、もう一人は冒険差の大剣を使うミノタウロスと戦って勝利した。

 どちらも冒険者の実力で換算するとLv.が一つ上のモンスターと戦ったと言うが、どちらもそれで『冒険』をした、つまりは途方もない鍛錬を重ねてようやく勝てたのだ。

 決して俺たちのような気の緩んだ冒険者が出来るような『偉業』ではない。

 

「……分かった」

 

 そう説明すると自分の実力をちゃんと把握できているのかオリヴィアは不満な雰囲気を放つのを止めておとなしく着いて来るようになった。

 

「ちなみに俺たちが倒したインファント・ドラゴン。アイツはLv.1の奴らしい」

「へぇ~、どういうことだ?」

「つまり!Lv.1の冒険者が倒せる分類のモンスター相手に二人係で挑んで、瀕死になってってこと!ステイタスがあっても実力不足だったって事なの!」

 

 上級冒険者に教えて貰っておいて情けのない話だが、あれは俺たちの『強さ』でランクアップをしたんじゃない。

 あれは、俺たちの『弱さ』でランクアップをしたのだ。

 実力が足りないところを気合だの根性だのでゴリ押しした結果ようやく勝てただけ。

 それは強さではない。いつでも引き出すことの出来る実力を『強さ』と言うのだから、決して強さとは違う。

 瀕死になってリミッターが外れて引き出せる力に頼っているうちは恐らく三流だと罵られるだろう。

 

「そっか……私もお前も、まだまだ弱いな」

「ああ、だから弱いうちは無茶してんじゃねえ。ウチの先輩も似たようなこと言ってたからな」

「まじかぁ、頑張んねえとな……」

 

 ランクアップしてからのステイタスの上昇値はLv.1の時に比べると圧倒的に悪くなっている。

 10や20の上昇を果たすにも数回の探索が、アビリティによっては十回ほどの探索をしなければ上がらないほどに成長率が悪くなっているのだ。

 初日のように意図的にモンスターを呼び寄せて長時間の戦闘を繰り返せば多少マシにはなるが、勝てる相手を選んで戦闘を仕掛けてもステイタスの上がりは良くないだろう。

 やるならもっと深い層に行くしかないが下の層にはライガーファングなんかの凶悪なモンスターが出現するから深入りは出来ない。

 だから今後は下の階層に行きつつこれまでよりも気を引き締めて慎重に進むことになるだろう。

 

 

「やっぱり上層と違って中層まで来ると他の冒険者の姿がかなり少ないから楽でいいな」

「その分上層と違ってモンスターを押し付けられることがあるって話だがな……」

 

 ランクアップしても上層と同じように探索を進められると思っていた俺たちだったが、しばらく探索するうちにそれも思い上がりだったと思い知らされた。

 俺たちのステイタスの評価は大体がG~Fだったからひょっとしたらすぐに行けるかもしれないと調子に乗ってガンガン進んでたら、物量に押し負けて体力が尽きて危ない所を助けて貰った記憶は割と新しい。

 その人には「お前たちは猪か」と呆れられた。

 引き際を知らなかった俺たちを揶揄しただろうその言葉だったが所見時は説得力がなかった。

 なぜならそう言った彼女は何も荷物を持たずにダンジョンを歩いていたから、武器もなにも持たず防具もロクに着ずにただの服のみその身一つでいた。

 まあ、そんな俺たちの突っ込みと心配の混ざった感情は彼女の桁外れの強さに、文字通り目にも止まらぬ強さに吹き飛んだのだが。

 

「このまま戦っててもキリ無いから逃げるぞ!」

「了解!っと」

 

 オリヴィアの指示に従って空いた通路に逃げ込みながら天井に向けて通路の大き目の石を投げつけて軽い崩落を起こして追っ手を振り切りながら別の広間(ルーム)に逃げ込む。

 逃げ込んだ先で強臭袋(モルブル)を使ってモンスターが近づいてくるのを抑えながら鼻を抑えつつの休憩を取る。

 

「いい加減下の階層に行きてぇな」

「ステイタス的には行けるんだろうけど……数日戻らないくらいだったら事前にそうなる可能性を言ってるから大丈夫だけど」

「私も大丈夫だ。ゴライアスも倒されてるから走り抜けたら18階層には行けるな」

 

 それじゃあ行くかと正規ルートを最短で駆け抜けて、モンスターには目もくれずに嘆きの大壁を通り抜けた。

 

「まっぶしいな……」

「目がよく見えねぇ」

 

 到着した時間だと18階層は朝だったようで空から降り注ぐ水晶の光が暗所に慣れた俺たちの視界を真っ白に染め上げる。

 だけど周囲の匂いや音などは感じられるからそれだけでここが規格外の場所だという事が分かる。

 

「目が慣れてきた……」

「知識では知っていたけど…実際目にするとスゲェな」

 

 まるで地上のような、陽光を彷彿とさせるはるか遠くの天井からの光に感銘を受けながらこれまでの階層では想像が出来ないダンジョンに植物が生えている光景を目にしながらその既知外に足を踏み入れた。

 夢ではない、足に伝わってくる確かな草の感触に驚愕しながら森の中を歩き回る。

 

「ここって確か食える植物生えてんだっけ?」

「ああ、色々あるらしいな」

「ちょっと食ってくるわ!二時間後にさっきの入り口で!」

「あ、おい!」

 

 止める間もなく木々に隠れるように走り抜けていったオリヴィアに取り残された俺はなで肩になりながら森を抜けた先の湖で顔に付いた血糊を洗い落とす。

 

「結構攻撃受けてたんだな……」

 

 戦闘の興奮で顔に攻撃を受けていたことに気づいていなかった俺だが、湖の冷たい水が傷口を看過させずに刺すような痛みを伴って教えてきた。

 ひょっとしたらさっき洗い落とした血はモンスターの返り血ではなく自分の血だったのかもしれないと思い出しながら荷物の中から無地の真っ白なハンカチを取り出して顔の水分を拭き取る。

 

「思った以上にキツイな、中層ってのは」

 

 体力回復薬(ポーション)を呷って傷を塞ぎながらそんなことを呟いていると湖を回った先に人影を見つける。

 

「不用心だな…」

 

 その人影がいったい誰なのかはよく見えないが、その人物が横になって寝ていることは分かった。

 呆れて思わず近づいてみるとその人影の正体を理解して余計俺は呆れた。

 

「この人は一体何をしているんだ……」

 

 人影の正体は見知った赤い短髪のヒューマンだった。

 これまで数回ダンジョン内で遭遇して、名前は知らないが途轍もなく強い冒険者だという事だけは知っている荷物を一切持たない女性冒険者。

 初めて会ったときは危ない所を助けられてお礼を言ったところで「礼をするというのなら魔石を寄越せ」と言ってきたから印象としては割と強い人物だ。

 

「この人が強いのは知ってるしここらの魔物じゃこの人を傷つけられないのは知ってるけど……女の人が無用人過ぎるだろうに」

 

 俺もこの一年弱で『一般的な人間の感覚』と言うモノが分かってきた。

 だから分かる。この人は美人と呼ばれる部類で、一般的な男の人がこの人の大きな胸に惹かれるという事が。

 

「この人は…襲われたらどうすんだか」

「なんだ?お前は私を襲うのか?」

 

 呆れてそう呟いたところで五月蠅くしていたのかこの人が起きてしまった。

 

「あなたは美人なんですから、少しは用心してください」

「私のような化物に欲情する男がいるとはあまり思えんがな…それに私を襲うとしたら別の意味だろう」

「…あまり自分の事を悪く言うもんじゃありませんよ。あなたは化物じゃありません、化物だったら俺たちを助けてくれなかったでしょう?」

「……お前の感覚はおかしいな」

 

 話の全容はよく分からないから俺は理解できた内容から俺が思ったことを正直に言った。

 するとその人は馬鹿にしたようにそう言ったが少し楽しそうにも見えた。

 

「えぇ、えぇ、おかしくて結構です。自分が慕っている人の事を化物だ何だと馬鹿にされて笑えるほど情けない人間じゃないんでね」

「くくッ、そうか…お前は私の事が好きなのか」

「もちろんです。俺はあなたの事が大好きです。じゃなかったら話しかけませんよ」

「……少し揶揄ったつもりだったが、お前は少し素直すぎるな。そのセリフは私以外の人間、特に女には言うなよ?絶対に誤解を生むだろうからな」

 

 好きかと聞かれたから素直に好きだと言ったらなぜか怒られた。

 そういえば一般的には思った事はそのままは伝えずに少し変化球気味に伝えると聞いたことがある。

 

「…べ、別にアンタの事なんか好きでも何でもないんだからねッ。か、勘違いしないでよね!」

「……頭でも打ったのか?」

「いえ、一般的にはこうするのが正解と聞いたことがあったので」

「私も一般常識には疎いが…それだけは違う。断言してやる」

 

 どうやら正解ではなかったらしい。

 以前街中で誰かが言っていた言葉を引用してみたのだが…なぜか呆れられてしまった。

 

「感情の表現方法がよく分からないので、好きだという感情を表現する方法を試してみてもいいですか?」

「……オチが読めた。お前は絶対私に抱き着くつもりだろう?」

 

 ば、バレてしまった。

 どうやら好意の感情表現に抱き着く行動は不適切らしい。

 参考にした対象が街にいた親子だったのがダメなのだろうか?では街中の恋人たちを参考にしてみよう。

 

「…なにをしている?」

「何って。抱き着くのがダメだと言われたので街中で見た恋人同士を参考に手を握ってみました」

「まあ、それならいいのか?……いいのか?」

 

 何度も悩んで首を傾げるその人に俺はとりあえず落ち着くようにと頭を撫でてみた。

 

「今度は一体なんだ?」

「ファミリアの先輩によくやられることをしています。これをされるとなぜか落ち着くので」

「お前は本当に何も知らない人間だな」

 

 またしても呆れられてしまった。

 おかしい…はじめは俺の方が呆れていたはずなのに、今は立場が逆転して俺が呆れられているではないか。

 どうしてこうなったのだろう?

 

「……はぁ。どう育ったらお前のような人間が生まれるんだか」

「それは…内緒です」

「なぜ今仕草を女のようにしたのか理由も分からん」

 

 やはり行動の参考対象を女の人にするのはダメだったようだ。

 戦闘に関してもティオナお姉ちゃんを参考にしていたからついそのまま女の人を参考にする傾向があったらしいな。

 

「俺って常識面では多分オラリオ内で一番疎いんですよ~。だから皆を参考にして頑張ってるんですけど…やっぱりダメみたいですね」

「確かにお前は常識面がかなり弱いな。そもそも得体の知れない私のような奴に進んで声をかけている時点で分かってはいたことだが」

「だって初めて出会った時に名前を聞いても教えてくれなかったじゃないですか」

「それは暗に『関わるな』と言っていたに過ぎん。なのにお前と来たら……」

「そんな言外に言われても分かりませんよーだ。言いたいことがあるならハッキリ言ってくれないと伝わりませんのでね」

 

 人と接した経験が圧倒的に少ない俺は察しろと言われたところでそんな高度な技術は持ち合わせていないのだ。

 だからそもそも前提が間違っている。

 察する能力のない人間に察しろと言うのは蟻を落下死させろと言うくらいに無理難題である。

 

「はぁ……それで?私に何の用だ」

「いえ、不用心だったので気になって近づいただけです」

「お前はいつか大きなトラブルに首を突っ込みそうだな?」

「そんなことないですよ。俺は平和主義者です」

 

 俺が正直にヘラヘラとしながら答えると、その人ははぁ?と耳を疑ったように漏らすと気を紛らわせるように首筋を掻いた。

 

「あのな……迫りくるモンスターの大軍を嬉々とした表情で、しかも二人だけで、倒す奴は平和主義者とは言わん。それは一種の異常者、戦闘狂(バトルジャンキー)だ」

「なん…だと……!」

「出会う度にお前たちは楽しそうに戦ってやがる…どう考えても狂ってるだろ」

 

 俺もオリヴィアに毒されて来ているのか?それとも元々俺にはそういう素質があったのか?

 どちらにしても俺は一般から逸脱した感じになっているのかもしれない。

 

「ま、いっか!」

「開き直るのか……と言うか少し前まで15階層で危なくなってた奴にしてはここにたどり着くのが早いな」

「ん?ああ、ひたすら走り抜けてきた」

 

 戦闘の大半を回避してたどり着くためだけに階層を降りてきたことを伝えると、その人は納得したような眼差しになると一瞬俺たちの降りてきた通路のほうに視線を向けた。

 

「お前たちは今日中に帰るのか?」

 

 静寂の中で湖を眺めて呆けていると突然思い出したように声が掛かる。

 

「どうでしょう?もう一人の方がひょっとしたら街を見たいと言うかもしれませんし……でもどうして?」

「明日になればちょうど二週間、次産間隔(インターバル)はそれ前後だから早くしないとゴライアスが再出現する。そうなれば討伐されるまでは帰れなくなるぞ?」

「そっか!行きの事しか考えてなかったけど早くいかないとそうなるのか!」

 

 思わずそう叫ぶと計画性の無さに呆れられてしまった。

 そうなると早めに戻りたいのが本音なのだけどもオリヴィアの体内時計は当てにならない。特に何かに熱中した後の感覚はかなりズレている。

 

「どうする?お前もゴライアスと戦うか?」

「え!?そんな俺が戦えるわけないですよ?」

 

 突然飛んできた予想外の言葉に反応が一瞬遅れながら当然のことを告げる。

 俺たちがランクアップしてからそこまでの時間は流れていない。

 ステイタスで言えば少しは成長しているのだがLv.2として身につけるべき技術を一切と言っても過言ではないほど身につけていないのだ。

 これはある意味短期間でLv.2になった弊害ともいえるだろう。

 序盤での成長が早かった分その頃に経験しておくべき苦労や困難を負っていないから冒険者としての経験がかなり浅いのだ。そんな俺たちが階層主に勝てるわけがない。

 

「勝てずとも戦うくらいはしてみたらどうだ?お前も冒険者だろう、自分の居場所を勝手に決める前に出来ることは全てやっておくべきだ」

「そ、そうですけど…死んだら意味ないでしょうが」

 

 俺たちは基礎工事の時点で失敗をしてしまったのだ。

 基礎工事の時点で失敗してしまった以上、その地盤の上に小さい家を建てることは出来ても上級冒険者と言う巨大な城を建てることはできない。

 俺たちは結局そこ止まりの冒険者で終わる可能性が高いだろう。

 

「それで?お前は勝手に限界を決めて、それで満足なのか?」

 

 命の恩人ではあるが彼女の言葉は――酷く腹が立った。

 俺たちの失敗など一つも知らない癖に上から目線でモノを言って…俺からしてみれば非常に不愉快だ。

 

「……いいワケないでしょ!俺だって出来るなら冒険者として…いつかあの人たちの隣に立てるくらいに強く!あの人たちと冒険がしたい!だけど俺じゃ無理なんだよ!…いくらでも罵れよ!分かってたことだ、俺には才能がないんだよ!根性も何もなくて、こうして自分を偽らなくちゃ満足にやって行けないんだよ!」

「答えは出ているはずだ…」

 

 だけど彼女のその言葉は、酷く俺の胸に突き刺さった。

 だから俺は子どものように叫んで、喚き散らして、正論を突き付けられた幼い子どものように駄々をこねるように現実から目を背ける。だけど彼女はそんな俺を見放すことなくより突き刺さる正論を突き付ける。

 

「『強くなりたい』?なら強くなればいい。『根性がない』?お前の根性は私自身のこの目で幾度となく見てきたぞ。私はお前の事を知らんし聞く気もないがお前の望みを叶えたいのなら意地でも食らいつけ。みっともなくてもそれで結果を出せばお前の勝ちだろうが」

 

 淡々と刃を突き立てられる。

 心がボロボロに切り刻まれる。

 

「お前が望むのならば……使えるものは全て使え、お前が望めば私は力を貸してやろう」

 

 止めてくれ…そんな希望を僕に見せないでくれ……

 縋りたくなる。手を掴みたくなる。希望を目指して突き放されるのは嫌なんだ。

 だからそんな言葉(やさしさ)を俺に向けないでくれ。

 

「…本当に手を取っても良いのか?」

 

 そんな思い(うわべ)とは裏腹に(こころ)がその手に縋りつこうとしている。

 本心が認めたというのだろうか。

 この人なら僕を引っ張り上げてくれると。希望を現実のものとしてくれると。

 

「ああ、私の手を取れ。今日中にその根性を圧し折って強くして帰してやる」

「こんな僕だけど…よろしく頼むよ」

「当然だ、私が責任もって育ててやる。たとえ死にかけても私が地獄の底まで迎えに行ってお前の理想にたどり着けるまでキッチリ育て上げることを約束しよう」

 

 こうして理想を選んだ。

 一般からするとこんな理想論は唾棄されるだろう。だけども僕は理想とともに強くなる。

 元々一般とは程遠い人間だったんだ、だったらいっそのこと思いっきり逸脱した存在で突き進んで行こう。

 

「これからよろしく、師匠。僕はミスト・グリージョです」

「レヴィスだ、敬称は要らん」

 

 驚くほどに強くて、僕以上に正直なレヴィスはただ一言「死ぬなよ」と言って拳を構えた。




 あ~うん、とりあえず原作ルートからは外れたな(そうね、君悪役だろうと好きよね)
 おうとも!作者的には「どんな性格だろうとそれに至った理由がある」っていうのと「善悪は一方的な感覚に過ぎない」というのがあるから悪役でも好きになる時はすきになる(悪役にも感情移入できるタイプよね)
 悪役だから嫌いと言うのはおかしい、それに気付いたのはいつだったかは忘れたけれども今でも印象的な悪役は「ゾルフ・J・キンブリー」だよね(彼は悪の美学を持ってたもの)
 そそ、ネタ枠では通じるかは分からんが「新島春男」が割と好き(あの宇宙人は悪役と言うかただの悪友だけどね)
 …話を戻すが、ここからは引き返せませんなぁ(頑張りたまへ)
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