ダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか   作:レイジー

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 レヴィスさん良いよね~?(お主好きよのう)
 あの冷たい目で見下されたい!(へ、変態…あ!周知の事実だった)
 まあ、本音は五月蠅くないからだけどね~(キミって基本ボッチだから周囲の音量がデカすぎると胃にダメージ来るもんね)
 場合によっては腹も下す(うわ、汚い)
 出してねぇよ、腸が唸るだけだもん(さいですか)


第一五話 迷宮訓練

「ぐあッ!」

 

 反射的に拳を構えると同時に左脇腹に強い衝撃が走った。

 痛みを感じる前に木と衝突し、そのまま顎が砕かれたんじゃないかと錯覚するほどの蹴りが放たれる。

 

「死にたくなければ本能を呼び起こせ。感覚で敵を対処しろ」

 

 顔面を殴られる直前にそんな指示が下された。

 だから僕は全力で防御に徹した。

 このままでは攻めるなど到底不可能だから、ステイタスも直感も動員して動きを見ることに集中する。

 

「そうだ、目に頼るな。自分の領域を決めてそこに入ってきた外敵を打ち払え」

 

 視覚に頼っていたら不意打ちを防げない。

 今こうして攻撃を受けている間にも正面にいたはずなのに突然背後から攻撃が飛んでくる。

 たとえ木で背後を埋めてもレヴィスは平然とその守りごと貫通して攻撃してくるのだ。

 

「音を聞け、気配を感じろ」

 

 目つぶしで一時的に視覚を奪われる。

 これではレヴィスの姿どころか地形すらわかったものではない。

 

「風の音、草の音、水の音、土を踏みしめる音すべての音から状況を判断しろ」

 

 そうは言われても一朝一夕で習得できるほど簡単な技術ではない。

 だけどこの人は僕が出来ると信じて戦っている、むしろ信じているのではなく出来なかったら死ぬ状況に陥らせるのかもしれない。

 

「でき…る…かよッ」

「ほう?喋るだけの無駄な元気はありそうだな」

 

 顎に掌底がモロに入った。

 そのまま肘が左首筋に入って思わず腰を落とす。

 だけどそんなことは許されずに膝が落ちかけたところで膝が鳩尾に入れられて思わず腰を浮かせながら後退。

 さらに下半身に連続して蹴りを入れられる。

 

「はじめに言った事を思い出せ。死にたくなければ本能を使う事だ」

 

 連続して攻撃が入れられる中で防御のための右腕にレヴィスの左脚が当たった。

 もちろん当たって防げるほど甘くはなく、当たったことを承知で右腕への圧力が強まる。

 このまま受け続けると骨折しかねないから上半身を倒しながら右腕の角度を変えてそのままレヴィスの体勢を崩して左腕で宙に浮いたレヴィスの脚を掴んで攻撃を封じながら右手刀をレヴィスの首に向かって振り下ろした。

 

「甘い」

 

 左脚を抑えて攻撃を封じたにもかかわらず、レヴィスは残った右脚で跳躍するとともにその足で頬に回し蹴りを入れることで僕を倒した。

 

「ま、マジか…勝ったと思ったのに」

「ふん、あの程度抑えた内には入らんわ。やるなら徹底的にやれ」

「りょ、了解です」

 

 そう返事をするとレヴィスは再び立ち上がってやるぞとばかりに催促してくる。

 倒れている状態で襲われては堪ったもんじゃないから急いで立ち上がってレヴィスに流れを作れれる前に自分から動いて自分の有利な地形と状態で攻撃を待つ。

 

「そうだ。自分が相手よりも劣っているときは少しでも自分の有利な状況を作れ」

 

 平たい地形を選んだからさっきの根ばかりの場所よりも断然戦いやすい。

 

「だがそういう状況に持ち込ませて貰えると思うな。そうはいかないのが普通だ」

 

 撃たれた腕を迎えてそのままレヴィスを湖に落とそうとするも逆に反対の腕で後頭部を殴られて落とされる。

 こけるように前に倒れかけたところを前に回りがら体を反転させることで隙を減らしつつ速攻で攻撃を仕掛けて有利な状況への回復を試みた。

 

「攻撃しろ。相手にダメージを与えるのみが攻撃の意味ではない、形成の操作も攻撃によって可能だ」

 

 辛うじてでレヴィスの攻撃を捌きながら時折攻撃を仕掛けてみるも一向に状況は良くならない。

 拳を打ち込もうと踏み込んだところで脚を掛けられて体勢を崩すがそのまま地面に両手をついて体を回転することで回し蹴りでの牽制をした。

 だがその回し蹴りを受け止められ、足を掴んだ状態で振り回される。

 遠心力で体を起こすことが出来ずに体を固める事で精一杯になっていると思い切り木に叩きつけられた。

 

「どんな状況でも死なないために身を守れ」

 

 その言いつけ通りに落下してくる巨大な木を蹴り飛ばして落下軌道を変えて回避する。

 そして蹴った勢いのまま立ち上がり、通常ならば倒れてしまうような低体勢でレヴィスに向かって突撃した。

 

「格上の相手にそれは悪手だ。モンスターならば問題ないかもしれんがLv.を上げるとそう言ったことも必然的に付きまとおう。今のうちに対人の技術を学んでおいても損はない」

 

 全力で突撃した僕を交わすのではなく両腕を上下に差し込み回転させて地面に叩きつけたレヴィスはそのまま僕の腹を踏みつぶさんばかりの勢いで脚を落とす。

 横に転がって地面が陥没するほどの威力の踏み抜きを回避した僕はそのまま腕で体を支えて足払いをした。

 だが巨大な岩を蹴っているかのような錯覚に陥るほどの圧倒的な抵抗力でその企みは阻まれ、逆に脛に攻撃を受ける。

 

「重ッ!?」

「ほほう?随分酷いことを言ってくれる」

「あ、やば」

 

 あまりの抵抗力に思わずそう叫ぶと怒ったような雰囲気のレヴィスがさっきまでよりも全体的に強い能力でありとあらゆる攻撃を仕掛けてきた。

 もちろんレヴィスはオリヴィアよりも一般で想像する女的な性格はしていないしそう言ったことも気にしないからそれが別の意図を持ったものだという事は分かっている。

 

「私は重くないぞ?」

「分かっております!」

 

 念のために返事をしながら腕を構えると防御しそこなってしまった。

 その理由を考え、さっきの言葉の意味を理解する。

 今防御し損ねたのはこれまでに比べて攻撃が単純になったから、恐らくは何かしらのシチュエーションで動きが単調になった相手との戦闘をイメージしているのだろう。

 

「どうした?防御が下手になったな」

 

 突然動きのリズムが変わったせいで動きへの対応が遅れてしまいさっきから直撃までとは行かずとも攻撃を受けることが増えてしまった。

 むしろさっきまでのような身体の芯を捉えたような攻撃とは違って身体を掠めるだけの攻撃になった影響で逆にその力が僕の重心を崩すようになって戦いづらくなる。

 

「戦闘では複数と戦うのはよくあることだ。モンスターならばリズムは同じだが冒険者相手だとそうは行かない」

 

 単調な攻撃やそれ以前の攻撃リズムに加え、また別のリズムで攻撃をしてくるから単調じゃなくなった分ダメージを伴った攻撃を受けることが増えた。

 

「ほら、戦闘中でもちゃんと教えたことを復習しろ。目に頼るな」

 

 背後に回って仕掛けられた回し蹴りを足で抑えて防ぎつつレヴィスの腕を掴んで背負い投げで地面に叩きつける。

 だがレヴィスは背中が付く前に足で踏ん張り、投げられた勢いを利用して逆に僕を投げた。

 

「とりあえず休憩だ。お前の仲間の視線が鬱陶しいからな…」

「え?」

 

 レヴィスのその言葉に驚きながら視線をたどるとそこには見慣れた姿があった。

 

「よ、よう…さっきからエグイことやってたが何してんだ?」

 

 それは、と説明しようとしたところでレヴィスに声をかき消されてしまう。

 

「コイツに稽古をつけてやっていたんだ。明日くらいにはゴライアスが出るだろうからそいつと戦わせようとしてる最中でな」

「ミスト…面白そうなことやってんなぁ」

 

 遅かれ早かれ言う事にはなっていたことは理解しているのだが、面倒な奴に聞かれたという感覚には変わりはなかった。

 

「なあなあ、私にも稽古つけてくんねえか?」

「構わないが…今は待て」

 

 レヴィスが待つようにと言うとオリヴィアは大人しく待つ気のようで荷物を下ろすと僕の隣に腰を下ろす。

 

「お前…よく生きてるな?」

「あの人手加減が上手くてさ…僕が言われたことを一つ使う度にそれに合わせた実力で迎え撃ってくるからね」

 

 するとオリヴィアの目が一瞬だけ気の毒なものを見る目付きに変わったが、すぐに自分もそうなることを理解して珍しく遠い目になった。

 

 

「よし、それじゃあやるか」

「本音を言うならもうちょっと休みたいけどね」

「安心しろ。私も手加減に慣れてきたから休ませないし自殺まがいの事をしようとも気絶できないギリギリのダメージで悶絶させてやる」

 

 さらりと告げられた恐ろしい言葉に二人で身震いしながらレヴィスを挟み込むような状態で体を構える。

 誰が合図をしたでもなく、僕とオリヴィアはほぼ同時に攻撃を仕掛けた。

 オリヴィアは右ストレートを、僕は反時計回りの回し蹴りを。それぞれ上下からの攻撃を試みるもレヴィスは一切僕の方を見ることなくオリヴィアの拳を受け止めつつ僕の回し蹴りを踏みつけて抑える。

 そして受け止めた拳から手を滑らせて腕を掴んで投げ、踏みつけた足を退けて僕を蹴り飛ばした。

 

「なんだ?変な感じだな?一瞬だけ受け止められたけどすぐに自分から飛んだみたいに投げられた…」

「受け流すのが上手いとそう感じるんだよ!……こなくそ、水も滴るいい男だぞ?こんちくしょう」

 

 蹴り飛ばされたせいで湖に着水した僕は水を全力で蹴り飛ばす。

 弱いとはいえLv.2のステイタスで蹴りだされた水は想像以上の勢いで交戦中の二人に向かって突き進む。

 そんな行動お見通しだと言わんばかりに一切顔を動かすことなく水の柱を避けたレヴィス。

 取り残されたオリヴィアは当然一人でその水柱を直撃し、全身をビショビショに濡らした。

 

「あとで覚えてろよ?ミスト!」

「ご、ごめん」

 

 明らかに激昂したオリヴィアは鬱憤晴らしと言わんばかりにレヴィスに向かって突撃し、攻撃を受け流されて全身を土塗れにする。

 一瞬惚けていた僕に小石が飛んできて眉間に直撃し、正気を取り戻した。

 むやみやたらに攻撃を仕掛けるオリヴィアに割って入ってオリヴィアの頭を冷やさせるとともにレヴィスに手刀を振り下ろす。

 

「冷静になれ、オリヴィア」

「す、すまん…って、お前のせいだけどな?」

 

 攻撃の手を止めて感覚が戻ってきたオリヴィアは軽口を叩きながら跳躍し、踵落としを加えた。

 だが真っすぐ横に交差した腕で衝撃を吸収すると、そのまま腕を伸ばしてオリヴィアの脚を腕の交点で跳ね上げて背後に向かって飛ばす。

 そしてオリヴィアの背後に隠れていた僕はレヴィスの死角から殴りかかる。

 

「お前は視覚に頼るなと言う私の言葉を忘れたのか?」

「…それ言った本人が出来ないわけないですよね~」

 

 突き出した腕は当然のように掴まれ、後ろに誘導されたことでオリヴィアと衝突して倒れてしまった。

 

「ダメだぁ…勝てん!」

「言われたことは理解できるけど同時にそれを出来るかって言われたら教えられたばかりの事だから頭が混乱するなぁ」

 

 さっきからずっと戦っていたせいで思ったように体に力が入らず、そもそもそれ以前もずっと戦っていたのだから動かないのは当然と言えば当然だ。

 

「はじめからお前たちが言ったことを全て身につけることが出来るとは思っていない」

「ははは、酷い言われようだ」

「そうだ…な……」

 

 戦い疲れたせいか急に眠気が襲って来た。

 こんなんじゃあ下の階層には行けないな、と内心苦笑しつつ抗いきれない眠気で意識を手放した。




 言葉攻めは良いけども暴力はダメなタイプのMです(ソフトさん)
 そうです、好きな人にやられるのは嬉しい。もちろんされたことないけどさ(異性と接したことほぼないもんね)
 ね~。基本的に正論を突き付けすぎるから最低と罵られる(実は嬉しかったり?)
 しねえよ!あんな同調しかしないアフォ共を誰が好きになるか!ヴァカメ!(この話題はイカン…読者がドン引きだ)
 今更感(それもそうね~)
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