外道、フォドラに立つ〜召喚士と英雄の日常外伝〜   作:(TADA)

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シリアス注意報発令。レア様とシェイカーくんがシリアスしてますのでお覚悟のほどをお願いします。


レアとシェイカー

 「意外ですね」

シェイカーとレアは大司教室でチェスをやっていた。その途中にレアが盤面を見ながらシェイカーに話しかけたのである。

シェイカーは駒を動かしながら口を開く。

 「何がだ?」

 「今回の課題にあなたがついて行かなかったことですよ」

レアはそう言いながらも盤面から目は逸らさない。シェイカーもまた盤面を見ながら会話を続けた。

 「そんなに意外か?」

 「貴方は他人に対しては死ぬほど冷酷ですが、身内になるとゲロ甘ですからね。お母さ……ベレスとペトラを心配してついていくのかと思ったのですが」

レアの言葉をシェイカーは鼻で笑う。

 「盗賊の討伐、しかもセイロス騎士団がお膳立てをするんだ。失敗はないだろうさ」

 「失敗はなくても怪我はするかもしれませんよ?」

 「そんな柔な教え方はしてない。唯一の不安材料はペトラが人を殺したことがないことだが……まぁ、それくらいは乗り越えてもらわなきゃいけないだろう」

 「冷たいのですね」

 「そうかね」

 「そうですよ」

レアが駒を動かすと、即座にシェイカーも駒を動かす。それを見てレアはさらに顔を顰めた。

 「生徒達はどうですか?」

 「スカウトした連中は計画通りに育てている」

 「上に立たせる人間は選びましたか?」

 「一応な」

 「それでしたら貴方をそのクラスの教師にしますか」

レアの言葉にシェイカーは冷たい笑みを浮かべながら首を振る。

 「残念ながら級長じゃない」

シェイカーの言葉にレアは驚いたようにシェイカーの顔を見る。

 「級長達じゃ駄目ですか」

 「エーデルガルトは政治的センスに欠ける。ディミトリは公私が使い分けられない。クロードはギリギリ及第点を出せるが、フォドラで上に立つ気概が欠ける」

一ヶ月観察した結果を告げるシェイカー。遊んでいるようにしか見えなかったが、その実生徒達を見極めていたのだ。

レアはソファーに座り直して口を開く。

 「どうするつもりですか?」

 「新しく国を建てる」

なんでもないかのように言ったシェイカーの発言に、レアは一瞬だけ考えこみ、そして驚いた表情を浮かべた。

 「国を建てるというのですか!?」

 「流石に土地を奪うところからやっていたら時間がかかるから、土地持ちの貴族を独立させる形だがな」

シェイカーの言葉にレアがようやく理解した表情になった。

 「マリアンヌとリシテアを引き抜いたのはそのためですか」

 「その通りだ。ペトラがブリギットの姫様だったのは想定外だったが、同盟国としては悪くない」

シェイカーもレアに合わせる形でソファーに深く座り直す。

 「レア、フォドラ中にいる怪しい連中に気づいているか?」

 「西方教会の連中のことですか?」

レアに浮かんだのは中央教会に反発している西方教会の司祭達。

だがレアの言葉にシェイカーは首を振る。

 「それを裏から操っている連中だ」

 「……そんな連中がいるのですか?」

 「王国にいる俺の弟子に接触してきた。弟子からの報告だから間違いないだろう」

 「その弟子はなんと言われたのですか?」

 「王国の実権を奪わないか、だとさ」

国を傾けるような話を軽く話すシェイカー。

 「返答はどうしたんですか?」

 「連中の動きを掴むために弟子には同意させておいた。王国での連中の動きは逐一こっちに情報が入ることになる」

 「相変わらず貴方は怖いですね」

レアの言葉にシェイカーは冷たい笑みを浮かべる。シェイカーにとっては裏から全てを操ろうとしている連中も利用価値のある駒程度なのだろう。

そこでレアは腕を組んで考え込む。レアは3級長のうち誰かをトップに立ててフォドラを潰させるつもりであった。だが、シェイカーは全員落第を言い渡し、1から王を育てようとしている。

レアは条件にあった学級の教師にシェイカーをつけようとしていたが、計画が狂った。

 (まぁ、こいつがこっちの計画通りに動いてくれることなんてないですしね)

昔から想像の斜め上か斜め下を突っ切るシェイカー。そのせいでレアやセテス達はよく振り回されたものだ。

 (だが、それが面白い)

レアは見てみたくなった。このキチガイが歴史の中心になって巻き起こる戦乱の嵐を。

一度始まれば大量の血が流れることになるだろう。

だが、それが変革するということだ。

そこまで考えてレアは嗤う。心底面白いと嗤う。

 (帝国も王国も同盟も踊ればいい。誰が最後までこの踊りについていけるか。私は特等席で見させていただきましょう)

どこの連中もセイロス教会を疎ましく思っている連中ばかりだ。そんな連中を守ってやる義理などレアにはない。

だからシェイカーの引き起こす戦乱がどうなるか、それだけが楽しみなのである。

 「グラーフ」

 「なんだセイロス」

 「面白い祭りになりますか?」

戦乱を祭りと称したレア。それに気づいたシェイカーもまた凄惨な笑みを浮かべた。

 「実力があれば生き残れる。そういう戦乱さ」

シェイカーの言葉を聞いたレアは心底愉快そうに嗤うのであった。

 




レア
色々ぶっ壊れているレア様。こいつも全てシェイカーってやつの仕業なんだ!

シェイカー
遊んでいながら生徒達を見極めていた鬼畜クソ外道。

3級長の評価
あくまでシェイカーくんの評価です

裏で暗躍している連中
闇うごさん、バレてますよ



そんな感じで課題には同行させず、完全オリジナル回。今回のお話でわかる通り、第二部は完全オリジナルで進みます。一応作者の頭の中では完全に話が出来上がっております。何やら書いているうちに不穏なことをレア様とシェイカーが言っていますが、作者はハッピーエンドが好きなので生徒達を不幸にするつもりはありません。
つまりみんな生存させる。

あと王国内にいるシェイカーの弟子ですが、原作キャラです。多分気づく読者もいると思いますが、第二部までお楽しみにしてお待ちください。
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