外道、フォドラに立つ〜召喚士と英雄の日常外伝〜   作:(TADA)

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ギリギリ日曜日更新!!


これも全てポケモンGOでなかなかギラティナが捕まらなかったのが悪い


学園編
ガルグ=マク大修道院へ


ベレス達は助けた三人の子供達と一緒にガルグ=マク大修道院へと向かっている。

それと言うのも、ベレスが山賊相手にシェイカー直伝の戦闘技術でヒャッハーをしていたところ、ジェラルトの自称右腕であるアロイスという男性がやってきて、ジェラルトがセイロス騎士団の元団長だったり、三人の子供達がガルグ=マク大修道院に併設されている士官学校の生徒達だったからだ。

ベレス的には全く興味がなかった(むしろ突然脳内に現れた幼女の方が気になる)が、ジェラルトが連れていかれるので仕方なしについてきたのだ。

 「ガルグ=マク大修道院か……先生の授業では何回か聞いたことがあったが、実際に行ったことはなかったな」

 「先生? 貴女には先生がいるの?」

ベレスの独り言を隣にいたエーデルガルトが尋ねてくる。それにベレスは力強く頷く。

 「ああ、シェイカー先生が私の先生だ」

 「ゑ!? シェイカーってあのキチガッ!!」

クロードは最後まで言い切れることはなく、頭に小石が直撃させられる。

 「少年、陰口は本人がいないところで叩くのが長生きするコツだ」

 「グォぉぉっ、だったら口で言ってくれ。頭が割れるみたいに痛い……」

シェイカーの所業にエーデルガルトとディミトリは引いているが、ベレスは気にしない。割れていないだけ恩情なのだ。

 「さて、それじゃあベレス。授業の復習だ。ガルグ=マク大修道院とはなんだ?」

シェイカーの言葉にベレスは考えこむ。ここで間違ったりしたらまた地獄の授業が待っている。

 「確かフォドラ全土に敬虔な信徒を持つセイロス教の総本山。聖者セイロスを導いたとされる預言者グラーフが設計、建設した要塞としての側面も持つ大修道院」

 「まぁ、いいだろう。それではセイロス教とは?」

立て続けの問題にベレスは少し意外な気持ちになる。いつもだったら答えた後はもっと内容を掘り下げて説明されるからだ。

 「1000年以上前の聖人セイロスを教祖とする宗教で、現在の紋章至上主義、貴族制度を作り上げた宗教。信徒はフォドラ全域におり、軍備も持っている。そして意外だけれども異教徒には温和な態度で接するが、異端者には容赦がない……でしたか?」

 「その通り。宗教が軍事力を持つとか控えめに言ってクソとしか言いようがないんだけどな」

シェイカーの言葉にエーデルガルト、ディミトリ、クロードは意外な表情になる。彼らにとってセイロス教が軍事力を持つことは当然のことだったからだ。

 「なぜ宗教が軍事力を持ってはいけないのですか?」

そしてディミトリがシェイカーに尋ねる。その質問にシェイカーは片眼鏡を軽くあげて笑った。

 「連中は神の名の下になんでもしていいと考えるからさ。軍事力を持った宗教が野心を持ったら最悪だ。特にセイロス教なんて言うフォドラ全域に信徒を持つ宗教だったら民の反発を食らったら国が傾くぞ」

シェイカーの言葉に三人は今度こそ絶句する。だが、シェイカーはそんな三人の反応など無視するように指を先に向ける。

 「そらベレス、ガルグ=マク大修道院が見えてきたぞ」

ベレスがシェイカーの指先を見ると、巨大な城塞都市が見えてくる。ベレスはその城塞を見て絶句した。

ベレスはシェイカーに攻城戦の方法も教え込まれた。その教えを生かして傭兵として城を落としたこともある。

そのベレスが見てもガルグ=マク大修道院は難攻不落という言葉に相応しい威容であった。

シェイカーはニヤニヤしながらベレスに問いかける。

 「さてベレス。お前さんならガルグ=マク大修道院をどう落とす?」

 「不穏な授業をしてんじゃねぇぞ、シェイカー」

シェイカーの言葉を止めてきたのは呆れた表情をしているジェラルトだ。

 「おいおい、ジェラルト。必要になるかもしれないだろ?」

 「不穏なこと言うんじゃねぇよ。ここには俺たちだけじゃなくてアロイスだっているんだ」

ジェラルトの言葉にシェイカーは軽く肩をすくめる。

 「先生」

 「なんだ?」

ベレスが小声でシェイカーに声をかけると、シェイカーはいつも通りのなにを考えているかわからない表情で見てくる。

 「攻城側の条件と籠城側の条件は?」

ベレスの言葉に一瞬だけ意外そうな表情をするが、すぐにいつも通りの表情になる。

 「攻城側は本隊1万、援軍として2万が三日以内に来援する。籠城側はセイロス騎士団のみでの防衛だ」

シェイカーの言葉にベレスは歩きながら考える。おそらくは攻城側は援軍を合わせたら籠城側の3倍になるだろう。だが、ガルグ=マク大修道院は少数で大軍を迎え撃つようにできている。

 「……宿題でいいだろうか」

 「いいだろう。色々みてまわって落とせそうなところを探せ。期間はそうだな……1年以内に答えろ」

 「わかった」

シェイカーの言葉を真剣に聞いていたベレスは見られていた大司教の視線に気づくことはなかったのだった。

 

 

 

 

ジェラルト達は大司教レアと面談すると、ジェラルトはセイロス騎士団の騎士団長として、ベレスは教師として働くことになった。

 「教師だったら先生の方がいいのではないですか?」

それに異を唱えたのがベレスであった。ベレスにとって教師とはシェイカーだ。自分がシェイカーのように人に教えることなどできない。だからこそ言ったのであったが、レアは聖母のように微笑みながら首を振る。

 「先生とは大魔導師シェイカー・エナヴェール殿でしょう? シェイカー殿には別に仕事をご用意してあります」

 「……シェイカーのことまで知ってんのかよ」

ジェラルトは舌打ちするように呟く。レアの調査能力が想像以上に高かったからだろう。

だが、言われた本人は涼しげな表情だ。いつも通りに何を考えているかわからない笑みを見せている。

それからレアはシェイカーを大司教室執務室に案内する。ジェラルトは騎士団へ、ベレスは先任のハンネマンとマヌエラから生徒達について教えられている。

 「セテス、貴方も席を外していただけますか?」

 「な!? 大司教!? 相手は高名な魔道士とは言え、一介の傭兵です!! 二人きりなど危険です!!」

セテスの言葉もレアは微笑みながら口を開く。

 「安心してください。シェイカーとは古い友人です」

その言葉にセテスは絶句する。大司教に友人と言われる男。だが、シェイカー本人は涼しげな表情を崩していない。

セテスは何かを言いかけたのを辞め、一礼してから部屋を出て行く。

そしてレアとシェイカーの二人だけになり、シェイカーはようやく口を開く。

 「久しぶりだな、クレイジーサイコマザコン」

そして飛び出たのは酷い挨拶だった。

しかし、そんな超絶無礼発言もレアは聖母スマイルで受け流すように口を開く。

 「ええ、久しぶりですねグランドろくでなし」

レアも十分に失礼だった。

 「ガルグ=マク大修道院を建設したらナギ様と一緒に異世界にトンズラ……私に残ったこと全部丸投げとか人としてどうかと思いませんか?」

 「あ、ごめん。俺に人の道を説いても無駄だから。人道って言葉を理解しながら無視するのが俺だから」

 「こいつ死ねばいいのに」

口調が崩れるレア様。そしてレアはやれやれと言った様子で席を立つ。

 「いいテフがあるのです。今淹れますね」

 「俺は紅茶の方が好きなんだけど」

 「ええ、知ってます。だからテフにしました」

 「セイロスもイイ性格してるよな」

 「グラーフという人の皮を被った鬼畜クソ外道と友人になってしまいましたからね」

 「悪い奴だな、グラーフって男は」

 「貴方のことでしょう」

 「俺は今シェイカーなんで」

 「貴方も食事感覚で名前変えるのやめませんか? 歴史書見ると貴方の名前がみんな別々に出てきて超笑えるんですけど」

 「おいおい、後世の歴史家はちゃんと仕事してないな。俺をそれぞれ別人で書くなんて」

 「こいつマジで死ねばいいのに」

教徒が聞いたら卒倒しそうなことを平然と言い放つレア。テフの用意ができたのか二つのカップを持って(勝手に)ソファーに座っているシェイカーの前に置く。

 「いつこちらの世界に帰ってきたんですか?」

テフの香りを楽しみながら口に含むレア。

それを見てからシェイカーも口を開く。

 「30年くらい前かな……そっから色々放浪しながらジェラルトに拾われてベレスの教師をやっていた」

そう言いながらシェイカーはテフを口に運び、口の中に含む。

そして霧のように吹き出した。

 「ザマァ!! テフだと思いました? ざ〜んねん!! テメェに飲ませるテフねぇから!!」

 「てんめ……なんだこれ!! クッソ不味いぞ!!」

 「お湯にインクを溶かしたものですよ!! はっはぁ!! ようやく1000年前のペガサスの小便を飲まされた仕返しができましたよ!!」

そっからギャアギャアと二人で騒ぐ。そこにいたのは大司教レアとか聖者セイロスとか預言者グラーフとか大魔導師シェイカーの姿はなく、ただのバカ二人であった。

 「ああ、クッソ。無駄に喉消費した。そんで、俺に頼みたい仕事ってなんだよ」

 「ああ、そう言えばそっちが本題でしたね」

 「更年期か?」

 「ぶっ殺すぞ」

シェイカーのジャブに殺意マシマシの視線を送るレア。女性に年齢の話題はタブーなのだ。

 「いえね、貴方に言われた通りに宗教を運営してみたらかれこれ1000年運営できちゃいまして」

 「さすがは俺」

 「言った張本人が異世界に高飛びした件について」

 「最低限の仕事はしていっただろ?」

 「ガルグ=マクの建設はあんたの趣味だろうが」

 「否定はしない」

 「否定しろよ」

完全にキャラ崩壊しているレア様。こんなレア様に誰がした。

 「私の目的はお母様の復活なのに、教団の運営がクソ忙しくて研究が進んでいないのが現状なんですよね」

 「人体実験してるくせに?」

 「失敗した娘もきちんと修道院で育てているからセーフ」

 「倫理観ガバガバ女」

 「それブーメランってこと知ってます?」

会話が全く進まない二人。一歩進むと三歩脱線する。

 「まぁ、単刀直入に言いましょう」

そしてレアは真剣な表情でシェイカーを見る。

 「今のフォドラをぶっ壊してもらえますか?」

レアの言葉にシェイカーは楽しそうな笑みを崩さない。

 「せっかく上手くいっているのに壊すのか?」

 「本当にムカつきますね。紋章主義の台頭。そして紋章に連なる貴族主義。この二つは貴方の計画していたことではなかったでしょう。そしてこんな結果になったから貴方は帰ってきても私のところには来なかった。違いますか?」

 「違わない」

 「素直に認めるところが本当にムカつきますね」

 「素直に答えたらこの対応。俺にどうしろと言うんだ」

 「死んでください」

 「俺は生きる!!」

シェイカーの返答に米神に青筋が浮かぶレアだが、テフを一気飲みして気分を落ち着ける。

 「セイロス教も大きくなりすぎました。そろそろ小さくしなくてはいけないでしょう」

 「なぁ、セイロス」

 「なんですかグラーフ」

シェイカーの言葉にレアはシェイカーを見る。そこには普段見せない真面目な表情をしたシェイカーがいた。

 「俺に任せると言うことはどう言うことか理解しているな?」

シェイカーの言葉にレアはなんでもないかのように頷く。

 「『時代が変革する時、多くの血が流れる』……確か貴方の言葉でしたね?」

レアの返答にシェイカーはニヤリと笑って頷く。

 「理解しているならいい。だが、肝心の駒がない」

 「今年の士官学校にはいい生徒がたくさん集まっています。その中から使える子を見つけて貴方が育ててください」

レアの言葉にシェイカーは口笛を吹く。

 「いいだろう。ただし人選は任せてもらう」

 「こと人の育成に関して私から貴方に言えることなどありませんよ。悔しいですが貴方は教育者として一流です。中身はクソを煮詰めたような存在ですが」

 「いやぁ、そんなに褒められると照れるな」

 「後半もちゃんと聞け」

 「断る」

流れるように胸ぐらを掴みあうレアとシェイカー。そこにノックの音が響き、レアとシェイカーはさも穏便に会談をしていましたと言う雰囲気を見せながら、レアは入室を許可する。

 「レア様、セテス様がおよびです」

 「わかりました。ご苦労様です、ツィリル」

やってきたのはレアの身の回りの世話をしているパルミラの少年、ツィリルであった。

そんなツィリルを見て驚愕の表情を浮かべているシェイカー。レアはツィリルに聞こえないように小声で問いかける。

 「どうかしましたか?」

 「ババショタだと……」

 「誰がババアだ。本当にぶち殺すぞ貴様」

 「?」

 




シェイカー
1000年前のレア様の戦いに協力していた模様。その時に名前はグラーフだが、同時期に色々な偽名を使っていたためにそれぞれ別人扱いされている。

レア様
速攻でネタバレかますけど聖者セイロス本人。お母様奪還のためにシェイカーの協力をもらってネメシスを討った。その後にゆっくりお母様復活のための研究をしようと思ったらセイロス教が忙しくてそれどころではなくなった。





一週目帝国ルートを無事にクリアしたために更新開始です。そして出てきて速攻でキャラ崩壊したレア様。大昔にシェイカーと関わったばかりにこれである。そしてシェイカーのせいで城塞都市になるガルグ=マク大修道院。

とりあえず導入はこんなものにして、次回から学園編が始まる(予定)です
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