外道、フォドラに立つ〜召喚士と英雄の日常外伝〜   作:(TADA)

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襲われそうになっているヒロインを助けて『素敵(ポ』ってなるのは王道ですよね


いつだって恋は突然に

白虎の学級教室。ここには白虎の学級の生徒達が集まっていた。

そして教壇にはもちろんこの男。

 「よぉ~し、それじゃあ今節の課題やるぞぉ」

ガルグ・マク大修道院をレアと一緒に混沌に叩き込んでいる男・シェイカー・エナヴェールである。

 「はい、先生」

 「なんだ、リシテア」

そして律儀に手を挙げて質問をするリシテア。シェイカーに対する遠慮は一切なくなっているが、一応教師に対する敬意は残っているようである。

 「今節の課題は他の学級も含めて行方不明になっているフレンの探索と聞いていますが」

リシテアの言葉にシェイカーはその通りと頷く。

 「その通り。あのドタコン……じゃなかった、シスコンの強い要望で行方不明になっているフレンの探索になった」

 「先生」

 「なんだ、イングリット」

今度はイングリットが手を挙げておずおずと口を開く。

 「フレンでしたら……その……特殊性癖な方々が集まる会に参加していて、セテス様に連絡を忘れている可能性もあるのでは?」

フレンがホモ好きというのはガルグ・マク大修道院では周知の事実だ。特にセテスが攻められるのを好むというのも含めて広く知られている。

 「イングリットの考えは最もだが、今回は違う」

 「あの……今回は違うというのは……?」

シェイカーの言葉に質問したのはマリアンヌ。それにシェイカーは軽く答える。

 「この間のフレンの外泊騒動はそれだった」

その言葉に白虎の学級生徒全員の顔が味わい深い表情になる。

 「はい! 師匠!!」

 「はい、ペトラ」

 「私達、探す、します。でも、探す、する、範囲、広いです!!」

ペトラの言葉も最もである。ガルグ・マク大修道院だけでもかなりの広範囲になる上に、下手したら外まで探索することになる。

それは非効率的だ。

 「うむ、安心しろ。すでに俺がフレンの居場所は確認してある」

 「……あれぇ? それじゃあ課題は終わりじゃねぇかぁ?」

 「それじゃあお前たちの課題にならないからな。お前たちは自力で探せ。俺が居場所を教えるのはフレンが危険になった時だけだ」

ラファエルの問いにシェイカーが軽く答える。そして教室の隅に置いてある椅子に腕を組んで座ってしまった。もう関与する気はないらしい。

それを見ながらメルセデスが口を開く。

 「それじゃぁ、マリアンヌに方向性を決めてもらおうかしらぁ」

 「わ、私ですか!?」

 「貴女が級長だものぉ、当然よぉ」

突然のメルセデスの振りに少しわたついたマリアンヌであったが、すぐに顎に手を置いて考え始める。

 「あの……ハピさん……」

 「…………zzz」

マリアンヌの言葉をしかとして爆睡を続けるハピ。

マリアンヌは起こそうか迷うが、級友達は容赦がなかった。

どこから取り出したのかフライパンとお玉を構えるリシテア。他の級友達は耳を塞ぐ。

 「秘技!! 死者の目覚め!!」

 『ガンガンガンガンガンガン!!!!』

 「あぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁxっぁぁあっぁ!!!!!!!!!!!!」

耳元で轟音を聞かされたハピは机から転げ落ちて床を掃除する。

 「耳がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!」

 「ほら、マリアンヌの指名ですよ。さっさと起きてください」

 「本当にこの学級が大師匠に染まりつつあってハピちゃんには地獄すぎる……」

しぶしぶ起き上がってマリアンヌを見るハピ。

 「で、なんです級長」

 「あの……ハピさん……眼が死んでいます……」

マリアンヌの言葉にハピは乾いた笑いを浮かべる。

 「そりゃ眼も死ぬよ。起きている時は大師匠の地獄の授業。やっと眠れたと思ったら大師匠が夢まで出張してきて補習。ハピちゃんに安息の地はない」

 「ハピ、課題追加な」

 「うぼわぁ」

容赦のないシェイカーの言葉に吐血するハピ。だが、シェイカーの後継者になるとはそういうことである。

 「で、どうかした?」

 「ハピさんの探索魔法で……フレンさんの居所を特定できませんか……?」

 「ああ、なるほど」

マリアンヌの言葉にリシテアが納得したような声を出す。

 「確かにガルグ・マク大修道院中を探すのは時間の浪費です。大まかにでも場所が把握できれば速く見つけることができますね」

リシテアの言葉に納得する白虎の学級の面々。

 「それで……どうでしょうか……?」

 「一応ハピもできるけど、本当に大まかな方向くらいだよ?」

 「ハピの課題追加、と」

 「うぼわぁ」

正直にハピが答えるとさらに地獄がプラスされた。

哀れ、ハピ。

 「大まかでも探索の方向性にはなりますので……お願いします……」

 「はいは~い、と」

マリアンヌの言葉にハピは魔法陣を展開。それは一つだけでなくいくつもの魔法陣が浮かび上がっては消えていく。

それを見てリシテアは感嘆の声を出す。

 「多重展開魔法ですか……」

 「難しい技術なのですか?」

 「フォドラに魔導士数多いと言えどもこれができるのは片手で足りるほどです」

リシテアの言葉にこれを教え込んだ張本人であるシェイカーに視線が集中する。

 「魔法陣に無駄が目立つな。課題追加、と」

白虎の学級の生徒達は平然と行われたハピへの死刑宣言を満場一致で聞かなかったことにした。

 「はい、でたよ~。これはガルグ・マク大修道院の地下だね」

その言葉に再び視線がマリアンヌに集中する。

 「地下……ですか……」

 「そういえばアルファルド様が最近のアビスは治安が悪くなったって言っていたわねぇ」

マリアンヌの呟きにメルセデスが思い出したように付け加える。

それを聞いてマリアンヌは頷いた。

 「それでは白虎の学級はアビスを探索しましょう」

 

 

ガルグ・マク大修道院地下街アビス。地上から様々な理由で追い出された連中が集まる場所である。

 「怪しい連中が最近出入りしている……ですか……」

ここに住んでいたことのあるハピの聞き込み調査によって怪しい連中が多く入り込んでいる情報を白虎の学級の面々は手に入れていた。

 「マリアンヌ、どうしますか?」

リシテアの問いにマリアンヌは少し考える。

 「出入りしている怪しい連中というのはどれほどの強さでしょうか?」

 「私達にしてみれば雑魚当然って感じかなぁ」

マリアンヌの問いに魔法陣を浮かべながらハピが答える。

 「それでは各自バラバラで探索しましょう」

 「マリアンヌ!! 不審者!! どうする!! しますか!!」

マリアンヌの言葉にペトラが張りきって手をあげる。それに苦笑しながらマリアンヌは答える。

 「攻撃してくるようであれば容赦はいりません」

 「よっしゃぁ!! 暴れてくるぞぉ!!」

マリアンヌの言葉にラファエルは元気よく答えるのであった。

 

 

ヒルダは涙目になりながらも自分を攫ってきた連中を睨む。

ヒルダもフレンを探していたのだが、運悪く人さらいの連中と遭遇し、無力化の魔法をかけられて捕まってしまったのだ。

 「へっへっへっ、ガキの割にはいい体しているじゃねぇか」

人さらいの一人の言葉にヒルダは体を強張らせる。

それに別の男が呆れたように声をかけてきた。

 「おい、せっかくの上者なんだから傷はつけるなよ」

 「へへ、わかってるって。うっぱらう前に愉しませてもらうだけだ」

 「ん~!! ん~!!」

猿轡と紋章無効化の鎖をつけられて身動きがとれないヒルダであったが、必死に逃げようとする。

男はヒルダの反応を愉しんでいるかのようにゆっくりとヒルダに近づいてくる。そして舐めまわすようにヒルダの体を見る。

 「ひひ、うっぱらうには勿体ないくらいのいい体だ」

そして男はゆっくりとヒルダにのしかかる。ヒルダは必死に逃げようとするが、少女の力しか持たないヒルダには反攻する術がない。

男の仲間達も下卑た笑いを浮かべながらヒルダと男を見ている。

ヒルダに覆いかぶさった男はヒルダの耳元でねっとりと呟く。

 「安心しろって、お前さんもすぐに気持ちよくなる」

その言葉にヒルダはどうすることもできずに眼を瞑るしかない。

まさしくヒルダの花が散ろうとしたその瞬間、ヒルダに救いの手が現れる。

 「ナギ流格闘術『駿牙』」

 「げっぼほぅっ!!」

ヒルダには聞き覚えのないナギ流格闘術という言葉。だが、それと同時にヒルダに覆いかぶさっていた男の上半身が消し飛ぶ。

スプラッターな映像がなくなったちょうどよいタイミングでヒルダは眼を開く。

そこには武術の構えをしているマリアンヌがいた。

 「ま、マリアンヌちゃん……?」

ヒルダの言葉にマリアンヌは不器用に笑う。

 「大丈夫ですか? ヒルダさん」

マリアンヌの優しい言葉にヒルダは思わずときめくが、男達が色めき立っているのを見て慌てて叫ぶ。

 「マリアンヌちゃん!! ダメ!! こいつら紋章無効化の魔法具持ってる!!」

 「もうおせぇ!!」

ヒルダの叫びと同時に男の一人が魔法具を起動する。

その事実にヒルダの絶望が深くなる。自分のせいで友人であるマリアンヌも巻き込んでしまったと思ったからだ。

男の一人がにやにやと笑いながら縄を持ってマリアンヌに近づいてくる。

 「お友達か? せっかくだから一緒にうっぱらってやるから安心しろよ」

そう言って男はマリアンヌの肩に手を置く。

 「ナギ流格闘術『獅子砲』」

 「ごぼっはぁ!!」

そしてその男の腹に大きな穴が空いた。

唖然とした表情を浮かべる男達に、マリアンヌは力強い言葉を放つ。

 「私の友達に手を出した落とし前はつけてもらいます」

 (キュン!!)

その言葉にヒルダの乙女心が強く反応するのであった。




マリアンヌ
アビスを探索していたらヒルダが誘拐されているのを見て救出。

ヒルダ
助けてくれたマリアンヌちゃんに胸がトゥンク

ナギ流格闘術駿牙
離れた距離を一瞬で詰めて一撃を放つ。相手は死ぬ

ナギ流格闘術獅子砲
零距離から掌底。相手は死ぬ

ヒルダを誘拐しようとした方々
マリアンヌによって皆殺しにされた

シェイカー
必要になったらヒルダを助けようとしていたが、マリアンヌが皆殺しにしたのをみて満足した



更新おくれて申し訳ありません!!(開幕土下座

そんな感じで本編も話を進めてフレンが誘拐されました。犯人もフレンの居場所もわかっているけど手出ししないシェイカーくんがほんとクソ。
でも生徒の成長のためだからね!!
尚、本当に危なくなったら助けるつもりもある模様。

そして入れたかったマリアンヌのヒルダ救出編。この出来事からヒルダちゃんはマリアンヌガチ勢になります。
性的暴行どころか誘拐から助けてもらったら惚れても仕方ないね。

ちなみに今回書いていて一番難しかったのはヒルダが性的に襲われそうになっているシーン。
公募用小説でも書いたことないので難易度高かったです。
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