外道、フォドラに立つ〜召喚士と英雄の日常外伝〜   作:(TADA)

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ベレス先生と黒鷲学級の初顔合わせです。


ちなみに短めです


はじめてのあどらーくらっせ

ベレスは担当学級を黒鷲の学級(アドラークラッセ)にした。特に理由があったわけではないが、強いて理由を挙げるとすればシェイカーに見せてもらったことがある鷲が好きだったからだろうか。

そして教室に教師として向かうと、生徒達が大騒ぎとなった。級長がエーデルガルトだったので静かで真面目な学級だと思っていたのだが予想が外れてしまった。

騒ぎ続ける生徒達相手にベレスがとった行動は簡単で単純であった。

そう、武力行使である。

ジェラルトがうるさくて授業が開始できなかった時はシェイカーも物理的にジェラルトを静かにさせていたから間違っていないだろう。

その結果が死屍累々の教室である。カスパルは扉を突き破って外に飛んでいき、フェルディナントは壁に叩きつけられている。エーデルガルトを庇おうとしたヒューベルトは床で痙攣しており、そして逃げようとしたリンハルトは延髄斬りの一撃で昏倒していた。ペトラもいいのをもらったせいか床に大の字で倒れている。

無事だったのは教室の隅でガタガタ震えていたベルナデッタ、巻き添いを食わないように退避したドロテア、ヒューベルトに庇われたエーデルガルトである。

 「せ、師? 一体何の真似かしら」

師と書いて先生と呼ぶ独特な言い方をするエーデルガルトに問われてベレスは不思議そうに首を傾げる。

 「授業のために静かにさせたんだけど、間違ったかな?」

 「間違っているでしょう!? なんで静かにさせるのに言葉じゃなくて拳が飛んでくるの!?」

 「私の『ナギ流格闘術』は先生に比べたら児戯みたいなものだから大丈夫だと思ったんだけど……みんな貧弱だな」

 「私達が貧弱なわけじゃなくて、師がおかしいのよ!?」

ベレスの言葉にエーデルガルトのツッコミが輝く。その言葉にベレスは首を傾げる。

 「やはり先生のゴーレムの方が良かったか。あっちだと強さの設定が先生の一存でできるから」

 「待って。あの魔道士は一体何者なの」

シェイカーをフォドラでも名高い大魔導師だと気づかないエーデルガルト。仕方ない。普段だけを見るとただのキチガイだから。

 「すごい、です」

 「ペトラ! 大丈夫!!」

声を上げ始めたペトラに気がついてエーデルガルトは助け起こす。

 「私、何かする、できません。先生、すごいです!!」

そして完全に間違った感想を持ってしまうペトラ。その目は憧れの眼差しになっていた。

 「先生! 私! 先生みたいに、強くなる、したいです!!」

 「ペトラ!?」

そしてペトラちゃん驚愕の発表。まさかのベレスに対する弟子入り宣言である。焦るエーデルガルト、困るベレス。

弟子入りさせてもベレスはその生徒にあった個人指導なんかできない。なにせ教師業もシェイカーの指導を受けながらやろうと思っていたのだ。

シェイカーは頭はおかしいが教師としては一流だ。特に個人の長所を伸ばし、短所を叩き潰すのには定評がある。

 「お〜っす。ベレス、早速やらかしたみたいだな」

 「先生」

そこにやってきたのは全ての元凶であるシェイカーであった。いつもの感情の読めない笑みを浮かべながら黒鷲の教室に入ってくる。一応、シェイカーの隣には外に飛んで行ったカスパルがフヨフヨ浮いている。どうやら魔力で浮かべているようだ。

それを見てベレスは力強く頷く。

 「さすがは先生。そんな精密な魔力操作もできるなんて」

 「こんなもん基礎中の基礎だ」

 「いえ!? どう考えても一流の魔道士でもなかなかできないことよ!?」

ズレた師弟の会話にツッコミを入れるエーデルガルト。このまま師弟の会話を聞いていると自分の常識がクラッシュされると思ったのだろう。

間違っていない。

 「ああ、そうだ先生」

 「うん? どうした?」

気絶している黒鷲男子生徒組でテトリスを始めているシェイカーにベレスは声をかける。そのテトリスを必死に止めようとしているエーデルガルトがいるがそれは無視する。ベレスとしてはさっさと諦めた方がいいと思うだけだ。

 「この子……え〜と」

 「私、ペトラ、言います」

 「ペトラを先生が直接鍛えてもらえませんか?」

 「師!?」

まさかのペトラをシェイカーに丸投げにエーデルガルトの驚き声が響く。ベレスの言葉にシェイカーはテトリスをやめてペトラの前でしゃがむ。

そして片手をふるとペトラが光のヴェールで覆われた。

 「せ、師、あれは?」

 「うん? ああ、あれは先生の能力精査魔法だ。私もよくわからないがあれで色々調べるらしい」

エーデルガルトの言葉にベレスは答える。

しばらく光のヴェールを眺めていたシェイカーであったが、しばらくすると面白そうに笑う。

 「うん、最初から当たりだな」

 「? 当たり、ですか?」

 「気にするな。少女、名前は?」

 「はい! ペトラ、言います!!」

 「よしペトラ! お前はこの瞬間から俺の弟子だ!! 明日は夜明け前から特訓を始める!! 日が昇る刻限に寮の前に集合だ!!」

 「はい!! 師匠!!」

そして流れるようにペトラの弟子入りが決定した。

 「うん、これでいい。あとは先生の教育方法を私も学べばみんなを教育することはできるだろう。うん? どうしたエーデルガルト。お腹痛いのか?」

 「いえ、これから起こる騒ぎを考えて胃が痛くなっただけです……」

 




エーデルガルト
しょっぱなからシェイカーの悪影響を受けたベレスを見て胃が痛くなり始めた様子

ベレス
言葉で言うことを聞かせるなんてナンセンス。うるさければ黙らせればいいじゃない(物理)

ペトラちゃん
弟子入りしたら強くなれるけど、常識を捨てることになる人物に弟子入りしてしまった。これから彼女の修行が始まる。

黒鷲学級の皆様
ベレス先生によって強制的に状態異常:サイレス(物理)をかけられた模様




そんな感じでベレス先生は黒鷲学級の担当です。え? 担当なのに生徒と会話していない? やだなぁ、拳の語り合いは少年漫画の王道でしょう。

そしてシェイカーに弟子入りしてしまうペトラちゃん。フォドラの知識が薄いペトラちゃんはシェイカーのやることを素直に信じてしまうのでしょう。

次回はペトラちゃん特訓編です。
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