外道、フォドラに立つ〜召喚士と英雄の日常外伝〜   作:(TADA)

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今回はマリアンヌちゃんメインのほのぼのですよ!!

(たぶん)ほのぼのですよ!!


支援会話:マリアンヌ

マリアンヌは憂鬱な士官学校生活の中で、数少ない仲良くなれた動物である馬のドルテのところへと向かう。

内向的で自罰的なマリアンヌと仲良くする珍しい人物など同じ学級でもヒルダくらいしかおらず、そのヒルダも頻繁に周囲の人物と遊んでいるためにマリアンヌは必然的に孤独なことが多かった。

自分が持っている紋章もあって孤独を苦とするマリアンヌではなかったが、それでも人並みの寂しさは持ち合わせている。

そんな彼女の孤独を埋めたのも彼女が忌み嫌っている紋章の力であった。

紋章の力で動物と会話ができる彼女は、人気のいないところで動物達と話をしていた。それが彼女の数少ない癒しであった。

 「……あ」

そんな彼女がガルグ=マク大修道院にいる馬のドルテのところに来ると、予想外の人物がドルテを撫でていた。

その人物が気がついたようにマリアンヌを見る。

 「うん? ああ、マリアンヌだったか」

 「は、はい。こんにちわ、シェイカー先生」

我らが黒フード(キチガイ)である。

キチガイであるシェイカーが動物を愛でる事なんかあるのか? 読者諸兄にはそれが気になる人物がいるだろう。当然のようにマリアンヌちゃんも気になった。しかし、マリアンヌちゃんはどこに出しても恥ずかしくないコミュ障である。レア様のように「え? 貴方みたいな鬼畜クソ外道が動物愛でるとか槍が降るんじゃないですか? はは、ワロス」なんて言えるわけがない。

当然のようにマリアンヌちゃんは立ちすくんでしまった。大切な友馬であるドルテを助けたい気持ちはあるが、それ以上にマリアンヌちゃんを縛り付けたのは何をやらかすかわからないシェイカーの言動だ。気分次第で次の瞬間にはドルテが馬刺しになっているかもしれない。そんな事をされたらマリアンヌちゃんは士官学校を辞めかねない。というか辞める。元々、通学には否定的だったのだ。

しかし、次に再びマリアンヌは驚く事になる。

なんとドルテが甘えるようにシェイカーに顔を擦りつけたのだ。それはドルテの甘える時に仕草であった。

驚いているマリアンヌを見てシェイカーは苦笑する。

 「俺が動物を可愛がるのがそんなに意外か?」

 「は、はい……」

マリアンヌは自分の失言に気づいて慌てて口を抑えるが、シェイカーは気にしたふうはなく、優しくドルテを撫でた。

 「俺を変えてくれた人が遊牧民族の出身でな。馬は友人みたいなものだ」

 「シェイカー先生を変えた人……?」

マリアンヌの問いにシェイカーは優しい表情でドルテを撫で続ける。

 「俺が若い頃……旅に出てしばらくしてからか、人という存在に絶望をしたことがあった」

シェイカーの言葉をマリアンヌは黙って聞いている。なんとなく聞かなければならないと思ったからだ。

 「自分の利益しか考えない人。他人を妬み、嫉み、どうでもいい逆恨みをする人。そこにいたのは人の皮を被った薄汚い生物ばかりだった。俺はそのような連中と同じ生物という事だけで絶望した。そしてそいつらを破滅させていた」

シェイカーの口から出たのは謎が多いと言われるシェイカーの過去。

 「そして自殺するように修羅が集まると言われる平原に俺は足を踏み入れた。食料も持たず、水も持たず……ただ死ぬためにそこに行った。そして死ぬのだと思って倒れたのを助けてくれたのが彼女だった」

 「……その人の言葉でシェイカー先生は変わられたのですか?」

マリアンヌの問いにシェイカーは苦笑する。

 「言葉ではなかったな。腹パンされた後に顔面に膝を入れられた」

シェイカーの言葉にマリアンヌは絶句する。

 「それをした理由が『あなたの笑顔が胡散臭かったから』だぞ? 信じられるか?」

 「それは……その……」

マリアンヌは返答に困る。話を聞いているだけならその女性もシェイカーに負けず劣らずのキチガイだ。

 「だが、それからだな。自分の気持ちを素直に出すようになったのは。彼女のおかげで友人もできた」

シェイカーは優しい表情でドルテを撫で続けている。

 「その彼女が遊牧民族だったからかな。馬や動物は友人だと考えてしまう」

 「……良い方だったんですね」

 「……ふむ、少し喋りすぎたな」

マリアンヌの言葉にシェイカーは何も返さず、いつもの胡散臭い微笑みを浮かべた。

 「先生! 質問が!!」

そして大広間の方からリシテアがやってくる。それにシェイカーはそこで待つようにジェスチャーをしてからドルテを撫で、その場から歩き去ろうとする。

そしてマリアンヌとすれ違いざまに小さく伝えてくる。

 「今、話した事は内密にな」

マリアンヌが驚いたようにシェイカーをみると、シェイカーは微笑してから歩き去った。

シェイカーとリシテアが歩き去ってから、マリアンヌはドルテに近づく。ドルテは甘えるようにマリアンヌに顔を擦りつけてきた。

それを撫でながらマリアンヌは小さく呟く。

 「……どちらが本当のシェイカー先生なのでしょうか……」

キチガイの言動をするシェイカー。今、マリアンヌだけが見た優しい微笑みを浮かべるシェイカー。

その翌日、マリアンヌはスカウトされる形でシェイカー塾に入塾する事になるのであった。

 




マリアンヌ
シェイカーの意外な一面を目撃してしまった少女。

シェイカー
動物には優しい。

シェイカーを助けて腹パン、顔面膝蹴りをした少女
いったい何者なんだ……


そんな感じで支援会話:マリアンヌ編でした。え? マリアンヌちゃんが贔屓されているって? 作者のお気に入りだから仕方ないね!! 自分の好きなキャラに幸せになって欲しかったら自分で書こうぜ!!

いつもと違ってほのぼの風味。ところどころにキチが入り込んでいますが、誤差の範疇でしょう。
次回からはいつものノリに戻ります。
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