弱小国の王太子に転生したから死ぬ気で国を生き残させる   作:ほそほそピーナッツ

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会談は吉となるか凶となるか

レシツィア王国の王宮は無駄にデカい。未だに大帝国だった時代のものを使い続けている事もあり、小国の王宮あるまじきデカさだ。だから当然ほとんど使われず放置されてるに近い場所がいくつもある。そんな事もあり何時も何処か寂しい印象を与える。

丁度使われなくなって等しい第二図書室を通り過ぎ、目指すは「王太子」専用の応接室へと向かう。

 

会談の条件は二つあった。全員共に従者は一人ずつ。そして他は使用人すら出入りを禁ずること。暗殺を恐れてイルザール側が提示した条件だ。こちらも何の不都合も無いからその条件を呑んだ。

 

やべぇ、めっちゃ緊張する。そりゃ確かに王太子(おれ) の記憶にはあるが俺が会う事は初めてだからだ。

 

複雑な王宮の廊下を進みながらそう考えて居ると前を歩いていた爺が止まった。応接室についたかと思い顔を上げるや否や、爺は囁いた。

 

「何者かが我々の後をつけているようです。」

 

またか。そう思った。というかこの国のセキュリティ管理はどうなってんだよ。ザルか?穴の空いたヤカンか?

だがそんな文句を言う前になんとかしなければならない。一応傷は魔力のお蔭(魔力が高いと怪我は治りやすくなるらしい)で塞がってはいたが万全ではない。もし手練であれば今度こそ逃れられないだろう。

 

そう思い周りを警戒していると急に後ろから人影が飛び出した。驚きながらも身を守ろうと振り向く。

するとそこに居たのは嫉妬する程に綺麗な金髪に女と見紛う端整に整った顔、末の弟ツヴァイシア公爵家当主のルーグスだった。

 

「アハハハ、おかしいや、その驚きよう。ビクッだって、ヒャハ、アハハ」

 

ムカつくぐらいに笑っていやがる弟に顔を顰めながら聞いた。

 

「一体何してたんだ?俺をつけて?探偵ごっこか?」

 

「違うよ!タイミングをはかってたんだよ。邪魔虫共(イルザール派)がいなくなるまで。 」

 

ルーグスは端整な顔を歪めながら言った。

 

「?そこまでして一体何を?」

 

そうルーグスに聞くと彼はあっけらかんととんでもないことを言った。

「会談には出るな。死ぬぞ?」

 

「なっ、何を言ってんだ!これでも兄弟だぞ?イルザールがそんな事する...」

 

「そんな事するはずがない、とでも?」

 

「なっ、いや」

 

ルーグスの鷹のような眼力に押され肯定が出来ない。こっわ。目で人殺せるんじゃない?我が弟は。

 

「甘いよ兄さん。兄弟だからこそ、こうやって殺し合いの跡取り合戦になるんだよ?」

 

「でも...」

 

「でももクソも無いよ。今実際応接室では兄さんを殺そうと何人も待ち構えているよ?」

 

「それは本当でございましょうか、ルーグス様。」

 

今まで沈黙を貫いてきたルイシフォンが言った。

 

「あぁ、確かさ。だって僕も誘われたからね。」

 

「なっ、」

 

「それよりここも安全じゃないよ。そろそろ来るよ。あいつら」

 

そういうルーグスの目は有無を言わさぬ強い敵意が宿っていた。

 

 

だから怖いって、我が弟よ。何故目で人を殺そうするんだ?

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