あれです。ちょっと一言言わせて頂いても宜しいでしょうか?
何で、何で、どうして、目の前に“赤髪のシャンクス”が居るのですか!?
待ってください!私が何かしましたか!?いいえ、してない筈です!いつもとは気分を変えて、一人で月歩で空中散歩しながらパトロールしていただけで何で赤髪と遭遇しちゃってるんですか!?
もしかしなくても私、物凄く運が悪い!?
「あのー、シャンクスさん?私にそのとてつもない覇気をぶつけてくるの止めてくれませんか?」
しかもなんか本気っぽい覇王色の覇気を私に向けてぶつけてくるし。
正直、言葉はあれですがチビっちゃいそうなくらい怖いです。四皇、格が違いすぎます。どうやっても私が勝てるビジョンが浮かびませんし。
まあそれは相手がシャンクスだからかもしれませんが。
「ハッハッハ、何言ってるんだ?俺の本気の覇気をぶつけてるのにピンピンしてやがる奴が。流石に大将は違うってやつか?」
「本当に、冗談はそれくらいにしてくださいよ。私は、あなたと戦うためにここに来たわけではないんですから······て言うかなんでこんな無人島に居るんですか······」
「何でって、休憩がてら上陸しただけなんだが····俺たちがいちゃ悪いか?」
「いえ、そうではありません。が、いい加減私に覇気を当てるの止めてくれませんか」
「·····分かったよ」
やっと覇王色を消してくれた。それと共に私を襲っていた半端ない重圧も霧散した。
「それで、何で私に覇王色を向けてきたんですか?先程も言いましたが私はあなたと事を構えるつもりはありませんよ」
「いや、なんとなくだ。俺だって海軍と事を構えるつもりは今はねぇ」
······なんとなくで私はあんなに怖い思いをしたんですか······
「はぁ、そうですか。それじゃあ私は行きますよ。これでも私は忙しい身ですからね」
そう言い、踵をかえそうとしたらシャンクスに引き留められた
「おぃ、ちょっと待ってくれ」
「まだ、何か?」
「ちょいと俺と一戦交えてくれないか?その腰のモンは飾りじゃないだろう?」
はぁ?何言ってやがんですか、この
「赤髪······あなたはそれ、本気で言ってますか?」
「あぁ、本気だ」
そう言って真剣な目付きでこちらを睨んでくるシャンクス。······だから怖いんですって!!
「······分かりました。良いでしょう。ですが、先程も言いましたけど私はこれでも海軍本部大将なんですよ。ですから、当然忙しいので時間が来たら止める。その条件さえ呑んでくれるのなら構いません」
「そうか、分かった。もとより無理矢理やらせるつもりはなかったしな。それじゃ、始めるぞ」
シャンクスがそう言うと同時に、どちらからともなく相手に向かって駆け出した。
と、私に向かって急接近してきたシャンクスは、先ずは小手調べとばかりに、覇気を纏っていないサーベルを私に向かって横凪ぎにしてきた。
それを私はヤミヤミの実の能力で、その威力を完全に吸収することで防いだ。その為に、武装色も纏っていない私の脇腹に、不自然な程にシャンクスのサーベルがピタリと止まった。
「お前、何かの能力者か······」
「ええ、そうです。何のかは教えませんが」
「そうか。だが、次の攻撃は今のように無防備で受け止めるのは不可能だ」
そう言いながらシャンクスは今度は遠距離から覇気の纏った斬撃を飛ばしてきた。本気ではないのか、この斬撃は私が余裕をもってかわせる速度だったので、剃で真横に避ける。
が、その先にも既にシャンクスからの斬撃が飛んできていた。
流石にそれをかわす事は無理があるので、咄嗟に、左腰に提げている鞘から日本刀を抜刀し、武装色を纏って斬撃を受け止めた。
「グッ!」
流石に重い。今まで受け止めてきた覇気の比ではない。少しでも力を抜けば後ろに弾き飛ばされそうだ。
原作ではサカズキさんの流星火山ですら、サーベル一本で受け止めてしまっている。
「ほう、これを止めるか。
はは、この威力で少々強めとは······これはシャンクスを侮りすぎていたとしか言いようがないですね。しかし、私だってやられているだけではないのですよ!!
恐らく、シャンクス相手に能力オンリーで立ち向かっても意味はないでしょう。どうせ覇気を纏った攻撃に全て打ち消されるだけでしょうし。
だから!今回は近接武器で戦う!
「せやあぁぁぁぁぁっっ!!」
ありったけの掛け声と共に、武装色で黒色に染まった刀を大上段からシャンクスの頭上に振り上げる。
この際、攻守均等なんて芸当は不可能です。シャンクス相手にそんなことをすれば圧倒的な力量差の前に敗北するのは必死ですからね。
だから、私は防御を捨てて、攻撃にすべてのエネルギーを回す。
大上段からの攻撃は、呆気なくシャンクスのサーベルで受け止められる。
「ほう、中々のパワーだな」
完全に遊ばれている。その事実が私を更に奮い立たせる。もとより、この攻撃が受け止められるなんてことは想定済みだ。シャンクスがこの程度の技を受け止められない筈がない。
だが、シャンクスの注目は今ので完全に刀を持つ
私はシャンクスのがら空きな鳩尾に武装色を纏った左腕を思いっきり振るった。
「なにっ!?」
しかし、その攻撃はいつの間にか、サーベルによって受け止められていた。
「確かに、いい作戦だが、ちょいとばかし甘いな。確かに、並みの海賊なら今の攻撃どころか最初の攻撃だけで沈むだろう。が、何か忘れていないか?」
そのシャンクスの問いかけにわたしは思考を巡らせて考える。
「見聞色かっ!?」
「ご明察だ」
本当に厄介極まりない。あまりにもの突然の状況に失念していたようだ。相手····赤髪のシャンクスは全ての覇気を習熟している化け物だってことをすっかり忘れていたのだ。なんたる失敗か。
この最初の駆け引きが終わっても戦闘は続く。
が、相手は四皇でも最強の実力者のシャンクス。体力的にも技術的にもこちらが不利だ。唯一能力者であることが私の利点だけど、そちらはシャンクスの前ではあまり意味を成さない。
やがて、時間が経つにつれて私の方に浅い傷が付いてくる。体力が減っていくので、シャンクスの速度に追い付けなくなってくるのだ。
それでも、何とか能力を使ってカバーしている状態だった。
「ハァ、ハァ······すいませんが、そろそろ時間なのです」
「そうか······なら仕方がない。今回はここまでにするか。だが、また何れ再戦しよう」
「ええ、望むところです。今度は今よりも強くなってきますからね!!」
なんだか負け惜しみを言っているような気もしないが、時間が押しているのは本当なので、さっさとこの無人島から出発すべく、月歩で空に飛び立った。