放浪の悪夢   作:ムメイ

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お咎めなしなら僕は突き進むー


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私の真理を突いてくれた男を頂いてから一眠りした。

この身体になっても私は欲望にド直球な夢を見るらしい。

前の身体の自分を含めて自分の一家をほぼほぼ殺戮した。

自分を犯すなんていう倒錯したものを見た、妹は……正直覚えていない。

でも、多分私は愉快に笑いながら殺したんだろう。

 

「クヒッ……キヒヒヒッ……」

 

あぁ、でもこれだけは明確に覚えていて今でも思い返すだけで達する事ができるものがある。

あの父親に嬲られたの、何度も殴られ首を絞められながら復讐強姦されたの。

暴力、屈辱、憎悪、快楽いくつもの感情が私の中で渦巻いてくる。

縊り殺したくて仕方ないアレに犯される……叶わない夢物語だけどかなり興奮した……

 

「はぁ、夢想するのはやめて……私を満足するように殺してくれそうなのは……ELIDかしらぁ?」

 

ここら辺に蔓延る強盗、盗賊、強姦魔じゃ物足りない。

どう頑張っても私を本気で殺しにかかっても満足な殺し方をしてくれない。

ポーズばかりの殺しになってしまう……勿論それも気持ちいいのだけど

人間サイズでパワーショベルや戦車並に強くなるというELIDとの戦闘になれば私を殺してくれるかもしれない

そう考えるとこの身体の奥底から……私の魂の底から興奮と喜びで満ちてくる。

 

「クヒッ♪まだ見ぬバケモノ、私が今参るわぁ……」

 

MAPデータと行動ログから参照してELID生息域に目標をセットして……

現在居る地点がグリフィン側との協定で示していたS08地区付近、汚染も近い……

汚染?汚染と言えば……私の自意識も大分汚染されていると思う。

この身体に引きずられているのだろうか?

少しずつ混ざっては境界線が……まて、何の境界線だ?

私は誰だ?生まれ落ちた刻の名前はロマネシア……じゃない、あれ?

 

「……まぁ良いわぁ、実質私の一生はここからはじまるんだもの」

 

前の一生はいわばデモンストレート、体験版にも満たないモノ。

私の今生の為のスパイス……

ヘレボルスの脚部装甲を着けて……ローラー駆動させて地表を駆ける。

早く、早く殺し合いをしたい、殺されたい。

完膚なきまでに陵辱されつくしたい……私の欲求は酷く歪んでいる。

 

 

 

 

ELIDというものは何も人間タイプだけじゃなかった。

汚染地域についたところ全ての動植物が変異していた。

元は蔦植物と思われるものはうねうねと意思を持ってうごめいている。

昆虫等も肥大化して悍ましい変貌を遂げている。

お互いに縄張りを意識しているのか……それとも食料とみているのか小競り合いがある。

 

「無論、私もターゲットにされたけどぉ……殺しにかかっては来てくれないのよねぇ……」

 

群がる蟲、纏わりつこうとする蔦触手……明確に殺意が薄い。

私を求めているのは違いないけれどぉ……殺意、食欲の矛先では無い。

 

「まぁギンギンに熱り立ったのを見せつけてるから……目的なんて一つでしょうけどぉ」

 

どいつもこいつも見覚えのあるシルエットのきのこを見せつけながら私に群がってきていた。

つまりはあの強盗連中よりもかなり欲望に正直な連中なのがわかる。

女と交尾して種付けして子孫を残そうとしている。

性欲は元を言えば生殖欲、生物としての自分の後を残そうとする欲求。

それに何の意味があるのかは私には皆目検討もつかない。

 

「でもぉ……気持ちいいならそれで良いわねぇ」

 

悍ましい生物に穢されるのも私の中の欲望が鎌首をもたげてくる。

殺すのよりこっちのほうが同じやつから何度でも摂取できるから殺すのより飼うのが良いのかもしれないわねぇ……

 

「あはっ♪焼き払われたのにそんなに私に種付けしたいのかしらぁ?」

 

何度も何度も焼き払って撃退したはずなのにしつこく蔦を伸ばしてくる植物がいる。

驚異的な生命力だけど力も想像していたよりも弱いし縄張り争いをしていた感じではそんなに強くない。

ELIDの中でもザコもザコって所でしょうけど……

私がよっぽど魅力的なメスに見えるのかしら?それとも穴があればなんでも良いのかしら?

 

「まぁ……どちらでもイイけどぉ♪」

 

足首から絡みつきコレ幸いにと四肢に絡みついてくる。

ちょっとヘレボルスは待機モードに移して……

相当怒ってるのかしら?私の首にも巻き付いてきて……あらあら、様々な触手が。

 

「お楽しみを始めましょぉ、植物のバケモノ♪」

 

ボロ布下着はもともと防御なんて無いも同然。

絡みつかれた後は口や前後、おっぱいに至るまで……

 

 

 

 

 

「残念ねぇ……結局本気で殺しにかかってくれるELIDが居ないじゃない……」

 

本気で私を殺しにきてくれるバケモノは結局居なかった。

みーんな私の肉体の方にご執心。バカみたいにデカイ……頭よりもでっかい胸に色々注がれたし……

腹にはDNAの特濃凝縮スープが並々と注がれたし……

私をただの母胎としてしか見てなかったわねぇ……残念ねぇ

 

「まぁ良いわ……次はそうねぇ……」

 

ヘレボルスを呼び戻してからボロ布ビキニを直して。

ここから近くて治安の悪い街へと向かうとしましょう……

 

その時だった

 

「あらあら、ようやく……殺意の塊がきたわぁ♪」

 

肌が痺れる、魂が震える、どろりとした殺意が私に叩きつけられる。

肥大化した腕を振り回し目玉は萎縮し脳もほぼ無いと思われる……

文字通りの筋肉ゴリラがソコにはいた、他のELIDは皆恐れて逃げていっている。

この地域の主かもしれないわねぇ……クヒッ

 

「楽しませてちょうだいよぉ……えぇ?」

 

生物のものとは思えない咆哮が汚染された地域に轟いた。

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