放浪の悪夢   作:ムメイ

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8 [Find In Neverending HappinessDream]

ガタガタと車両の揺れる振動が程よく眠気を誘う。

車に載せられるなんて何年ぶりかしら?記憶にあるのは5歳の誕生日に遊園地へと連れて行かれる時だけか。

そのあと親と呼んでいたアレが渋滞や人混みにキレ散らかしたからお笑いよね。

ふふ、そう思うとあの時から私は人間ではなく人形だったのかもしれないわね……

 

「何がおかしいの?」

 

私の首輪に繋がった手綱を握った人形が覗き込んで来てしてくる。

手枷で縛られた自由の少ない手で頬をぐにぐにと撫でてみる。

たしかに口角が上がっているのが分かる。人工筋肉のシミュレート結果も出てくる。

 

「いやねぇ、私が人形臭すぎて笑えてきたのよぉ」

「はぁ?」

「ところでぇ……こんなチンケなので止めれると思ってるのぉ?」

 

ちょっとデモンストレーションで引きちぎってやろうかしら?

ヘレボルスとのリンクは何故か完全に制限されてるし……

 

「……?」

 

ギリギリ……と手錠と鎖は軋むが引きちぎるに至らない。

間違いなく命令として躯体に最大出力を出して引きちぎろうとしているのに……

まさか改造された時に……

 

「そもそもだけど変な気を起こしても抵抗できないようにリミッターを掛けさせてもらってるわ」

 

……プログラムプロトコルが鉄血の物ね。

そしてこのソースの書き方は……裏切りが居たのね。

D.Lillyねぇ……フン、百合なんて可愛らしいものじゃないでしょう?

上位モデルの私にも通用するリミッターを仕掛けるなんてねぇ

いや、開発者はあくまでもハード面しか見てなかったからかしら……

チッ、使えないドクターだったこと。ダイアンサスなんて知らないわ。

 

「で、移送先は何処なのよ。それくらいは教えてくれてもいいじゃない?」

「貴女を抑えれるだろう基地ですよ」

「ふぅん?基地って何処の?」

「G&K統括区域、D08ですね……あぁやだ、あそこ行きたくない」

「ねー、それ。セクハラの温床なんでしょ?」

「入ったら最期製造時とは違う身体にされちゃうんだって……おぉこわ」

 

私を抑えれる基地ねぇ……抑圧しきれると思うのかしら?

あの手この手でそんな抑圧抜け出すわよ、幸いこの身体の耐久力やパワーは凄まじい。

リミッターの発動条件は不明だけど……多分だけどG&KやIOPの人間相手にかかるって程度でしょうねぇ……

どんな手で落とし込んだか知らないけど……私を落とすのは簡単じゃないわよ。

 

 

 

 

 

IOP本社所属の移送部隊は手荒い扱いをしてくれたわ。

移送トラックから下ろす時なんて私のハレンチメイド服の小物……首輪をわざわざ引っ張ってくれたんだから。

わざとらしく艶めかしい声を出したら止めたけど。

よっぽど鉄血人形に対して嫌な感情があるみたいねぇ……クヒッ……

 

「でぇ?ここがそのD08基地ぃ?」

 

ゴテゴテと大型施設が並ぶ上にデカイ櫓があって……そのクセ防護壁は金網フェンスだけぇ?

守りが固いのやら薄っぺらなのやらわからないわねぇ。

本社の奴らはもう帰っていったし……門番がきっちりこっちを見てるわねぇ。

誰も案内はしてくれないのかしらぁ?

 

「ぁん?」

 

(´・ω・`)ちょこーん

 

なぜだか私の足元にペットロボみたいなのが居たわ……

ワンコ座りしてずっとこちらを見上げて……胸が邪魔で全然見えなかったわ。

カメラアイに表情が出てるのねぇ……一般的には可愛らしいって思われるのかしらね?

 

「クヒッ……」

「はい、ストップよぉ♪」

 

腹いせに踏み潰してやろうか……なんて思って足を上げた所。

突如背後から胸を掴まれた。私と同じ声のやつに。

 

「ふぅん……あら、これ軍事グレードのフレームねぇ、となるとあの数値食い違いの原因かしらぁ?」

「アンタが裏切り者ぉ?」

「はじめましてねぇ……D08保護観察処分中のドリーマーよぉ」

 

保護観察?随分と甘っちょろいみたいねぇ……

少しコイツからハッキングして

 

「ハッキング能力は私のほうが上手ねぇ♪」

「……チッ」

「まぁまぁ、悪いようにはしないわよぉ、ほらほら入って入って」

 

胸を揉みくちゃにしながら押すんじゃないわよ、私の根底がコイツを否定したがってる。

ナンダコイツ、ワタシジャナイ。

 

 

 

「お、そいつが今日来たっていうドリーマーの姉妹か?」

「コードネームはロマネシアですって、ドリーマータイプのアーキテクターが躍起になって上位モデルを自作したみたいねぇ」

「ほー……なるほど」

「ダーリン、おっぱい見すぎ」

「……IOPの奴らになにかされなかったか?」

 

……何よコレ、歓迎ムード?

私って鉄血の人形って認識されてないのかしら?

私みたいな鉄血人形を叩き込む懲罰施設みたいなところじゃないのかしら?

上等な椅子に座らされてずらりと並んだ豪奢な料理が私を迎える。

最高責任者であるはずの指揮官が自らやってきて……あたま、撫でた?

 

「……なに、よ?」

「ようこそ、新しい家にな」

 

くしゃり……と頭を撫でて……これ、これこれこれこれこれ

これこれこれこれこれこれょぉ!!

 

 

 

 

「で、なんでアンタがダーリンの膝の上なのかしらぁ?」

「僕の私の場所」

「メイドみたいな格好なら大人しく脇で控えてなさいよ、私のほうが先輩なのよぉ?」

「やっ!僕のほうが上位モデル!膝の上は譲らない!!」

 

やっと見つけた、私の本当の、求めていた……家族。

 

「みんなー、オヤツができたよー」

「今日のオヤツはなに?ママ」

「……ママ?ドリーマー、なんかイジった?」

「しらないわよぉ」




FIN HappyEndingってね。

んじゃ、そろそろ417をカリカリ書き始めますわ。
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