【月光の神】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:クックダッセ

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だから、彼と彼女の祭りはまだ終わらない。

ベル・クラネル

Lv.1

力 : E 457→C 677 耐久 : D 500→C 624 器用 : E 448→D 536 敏捷 : C 601→B 721 魔力 : I 0→H 105

 

《魔法》

【オリオン・ヴェロス】

・破邪の一撃。

・誓いによって威力上昇。

・誓いによって消費魔力上昇。

 

《スキル》

英雄憧憬(ヒーロー・フレーゼ)

・早熟する。

夢見(おもい)がが続く限り効果持続。

・夢見の丈により効果向上。

 

「このスキルは本当に...」

 

割とアルテミスは呆れていた。何ならアホすぎると思っていた。

本当に英雄の階段をとんでもないスピードで駆け上がっている。

アルテミスは審判でもあったまだ冒険者になったばかりの子がこんなスピードで駆け上がってくるのは経験不足を否めない。

いつか心と体が一致せずに隔離するとそう確信していた。

でもそれはベル一人ならの話だ。今はアルテミスもレフィーヤもいる。

きっと大丈夫。ベルが困ったときは家族(ファミリア)で支えて、家族(ファミリア)が困ったときはベルが支える。

それが家族(ファミリア)ってものだろうと確信していた。

 

 

「そしてレフィーヤ」

 

「は、はい」

 

「お前はベルに負けるな。きっとベルはすぐにお前を超えてくる、だから負けるなレフィーヤ」

 

レフィーヤは手に力をぎゅっと込めた。きっとベルはレフィーヤを超える。レフィーヤもそう直感してる。けれど抜かれないようにではない。ベルのように自分も成長していくんだと改めて実感したからだ。

 

「はいッ!!」

 

ベルとレフィーヤは笑顔でアルテミスに誓い合う。アルテミスは笑顔で彼らのような眷属を持てて幸せだとそう思った。

 

******

 

怪物祭(モンスター・フィリア)が終わり、ダンジョンに潜って1週間が過ぎた。いつもの通り、ベルとレフィーヤは夕方になるとダンジョンから切り上げて、豊穣の女主人へと戻る。アルテミスは今日は休日だったため、部屋でのんびりとしているらしい。

 

「ただいま帰りました、神様」

 

「ああ、おかえりお前たち」

 

アルテミスはいつも通り笑顔で迎えてくれた。アルテミスはカチャカチャと音を立てて、何やら食事の準備をしているようだった。

 

「今日は私がミアから教えてもらった料理を作ってみたんだ。いい感じにできたと思うから食べて欲しいんだが」

 

「アルテミス様って料理できたんですか?意外ですね.....」

 

レフィーヤがボソッとベルの後ろで呟くと、ベルは心の中で’’レフィーヤサンッッ!!’’と呟きながらアルテミスの方を恐る恐る見る。

 

「レフィーヤ......それはどういう意味だ?」

 

「いッ!?い、いまの聞こえてました.......?」

 

「..........レフィーヤ、今日はお前夕飯抜きだ」

 

「すみませんでしたッ!!」

 

ベルは始めてレフィーヤが深々と頭を下げて謝罪する瞬間を目撃するのだった。

 

******

 

食事が終わり、ステイタス更新をしてもらおうと僕は神様に声をかけようとした。

 

「ベル、レフィーヤ。私から少し提案があるんだが聞いてくれないか?」

 

僕が話しかけようと思った矢先、神様が話し始めた。

 

「は、はい。提案ってなんでしょうか?」

 

レフィーヤは神様の問いに返す。

 

「私に類する、精霊の祠に行ってみないか?」

 

「「精霊の祠??」」

 

精霊の祠。いくつかの英雄譚でも聞いたことがある。精霊は神様の使いであり、神様の命により下界に降りてきた。そして精霊は下界に暮らし始めたという。神秘な森や祠などに住み着き始め、下界の子供達はその噂を聞き、探しにいくが全く持って見つからないので伝説となっている。

英雄譚では、伝説の英雄達なので精霊から力をもらったり、神秘な森に行き、精霊の力をもらったりしている。

 

その時は神様達が下界に降りてきてない時の話が多数で、今では神様達が下界に降りてきている。神様の恩恵がある今では精霊を探しにいく人なんていう人はほぼいない。

 

「ああ、そうだな、なんと説明した方がいいか」

 

神様がむむむっと考えていて、神様はそうだと手を打ち、口を開いた。

 

「英雄譚の『アルゴノゥト』という童話を知っているか?」

 

「はい、有名な英雄譚ですから。英雄に憧れる少年の物語ですよね」

 

『アルゴノゥト』道化の少年がなし崩し的に、ミノタウロスからお姫様を救う物語。

原初の英雄と言われていて、最も古い英雄譚として有名だ。

 

「それがどうかしたんですか?」

 

僕が神様に尋ねる。

 

「『アルゴノゥト』という英雄譚を見たならわかるだろうが、アルゴノゥトは精霊の祠に行き、精霊から強大な力をもらったと書かれていたな?その祠のことだ」

 

「その精霊の祠はどこにあるんですか?」

 

レフィーヤが小さく手を挙げて答えた。確かに精霊から力をもらえるというのならば、みんな欲しいだろう。精霊の祠は今では伝説である。神様が降りてきた今、精霊の祠を探すよりも、ダンジョンに潜って実際に経験値を積んだ方が早いのだ。その精霊の祠を今では誰も探していないため、精霊の祠の場所は誰でも気になる。

 

「オラリオから少し離れた場所に、『フィーサナの森』という場所がある。そこに精霊の祠がある」

 

『フィーサナの森』全く持って僕は聞いたことがなかった。それも僕は田舎に住んでいたので、田舎の近くの村かおじいちゃんから聞かされていたオラリオくらいしか知らないのだ。

神様はそのまま話し始めた。

 

「数日前、ガネーシャに怪物祭(モンスター・フィリア)で迷惑かけたお礼がしたいと言われたのでな、遠くに行けるような馬車が欲しいと頼んだところ、貸してくれると言ってくれた、ガネーシャは明日には出発できると私に今日言われた」

 

「と、突然過ぎませんか!?」

 

僕は大声を出してしまった。けどまあ、さすがに突然すぎるよね.....。明日出発するなんて....。

 

「だから選んで欲しい。精霊の祠にはたくさんの危険がある。私に類する精霊と言っても、はいそうですかと言ってお前達の力になるわけではない。きっと精霊の祠にはお前達を試す試練が待っている。危険が伴うはずだ。それでも精霊の祠に行くか?」

 

僕とレフィーヤは顔を下に向けて考えた。精霊の祠に行くか行かないか。だがそれはすぐに答えが出た。僕とレフィーヤは顔を上げた時が一緒で一緒のことを考えていると思ってしまったので、顔を見合わせて笑ってしまった。

 

「「行きます!!」」

 

僕とレフィーヤは同時に神様に返す。きっと精霊の祠では危険が沢山あると、神様も言っていた。きっと大変なことが待っているのだろうと思った。けれどあの人に追いつけるなら、一歩でも早く英雄になれるなら、そして最も尊敬する神様に認められるような人になるなら、僕は精霊の祠に行きたいと願った。

 

「そうか、わかった。精霊の祠までガネーシャが言うには一週間で着くらしい。食料は用意してある。準備はできている」

 

「あ、あの。神様は僕たちが行くって言うことがわかっていたんですか?」

 

「当たり前だろう?お前達は私の眷属だ、お前達がなんて答えるかわかるだろう」

 

神様は当然な顔で僕のことを見てきた。本当にこの神様には敵わないと僕は改めて実感した。

精霊の祠では何があるのかわからない。けど、強くなるための僕は一歩踏み出した。

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