【月光の神】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:クックダッセ
「俺がガネーシャだ!!!!!!」
「うるさい、騒がしいぞガネーシャ」
ガネーシャ様がシュンとして、小さな声で「俺がガネーシャだ」と呟く姿は何故かかわいそうに思う。
僕たちはオラリオの検問を抜け、少し歩くとガネーシャ様が眷属のシャクティさんを後ろに連れて、待っていた。
「馬車を用意したぞ!なぜなら俺がガネーシャだからだ!!しかもこの馬車はガネーシャのように速い!!」
「この馬なら1週間ほどで着くと思われます、神アルテミス」
「あぁ、ありがとうシャクティ。ベル、レフィーヤ行くぞ」
僕たちはガネーシャ様とシャクティさんに感謝を伝え馬車に乗り込む。
レフィーヤは乗馬の心得があるので運転はレフィーヤが担当することになった。
多分神様もできるんだろうけど、レフィーヤが「さすがに神様に運転はさせられないです...」と言って手綱を握っていた。
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一週間。谷を超え、森を超え、幾度かの
僕達は精霊が住み付いているという祠の付近まで歩いていた。
「ここだ、私に類する精霊が住み着いている祠だ」
アルテミスが指を刺した方向をベルとレフィーヤは見つめると、その先には青白く光り輝く祠があった。けれどその奥は見えないように、扉があり、開かないように硬く閉ざされてていた。
アルテミスは目を閉じ、手を扉にかざす。アルテミスから蒼白い光が溢れ始める。それは神威。この扉はアルテミスの神威で開くことになっていた。アルテミスは下界に降りたのは最近だということを考えるとこの遺跡は今日初めて開くことになる。
扉が神威に反応を示し、錆び付いているのかゆっくりゴゴゴッという効果音をたてながら、開いていく。
「どんな試練が待ち受けてるか、私にもわからない。きっと厳しい試練が待ち受けてるだろう。けれど折れないで欲しい。どんな辛い試練があったとしても転んでもいい、倒れてもいい、けど折れないでくれ、立ち上がって先を見据えるんだ。自分が何を成し遂げたいのか。何に至りたいのか」
「「はい!!」」
「よし、いくぞ」
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この洞窟はただの洞窟ではない、薄く青白い光を放ち、松明も必要とならない。精霊の力が洞窟全体に染み渡り、こういう現象を起こしているんだろう。神秘的という言葉が当てはまる。誰一人来たことがない、探索することすらも許させていなかった空間。事実上この祠に入ったのはこの三人だけ。壊して入るということは絶対にできない。まずフィサーナの森。入ったら迷って出れなくなる言われてる場所で、最奥にあるこの場所にたどり着くわけないというのがあるが、一番は壊せないというところにある。
ベルとレフィーヤは物珍しそうに辺りを見渡し、若干不安そうに先へ先へと進んでいく。アルテミスの場合珍しいというか懐かしさを感じているようだった。
ある程度進むと分かれ道に至った、目の前に道はなく、右か左かに分かれることになる。ベルとレフィーヤはどちらに進もうかアルテミスに聞こうとしたところで祠の青白い輝きがいっそ激しくなった。
『『ようこそ、私たちの精霊の祠へ』』
二つの声がした。どちらも女性の声で、透き通った声をしていた。まるで女神のような声だった。
『神アルテミスの恩恵を授かっているようですね、ならば試練を受けることを許しましょう』
『これから貴方達が挑む試練は生半可なものではありません』
『覚悟して臨むことをおすすめします』
『一人は左へ』
『『もう一人は右へ』』
『『............』』
『ちょっと今の
『はぁ!?違うわよ!私が道案内をしました後に、一緒に汝らの加護が在らんことをって言うって言ったじゃない!』
『それは千年前に貴方が勝手に決めたことなのだわ!私は五百年前に変えましょうって言ったのだわ!」
「「あ、ハハハ.......」」
「............」
なぜか言い合っていた。精霊の姿形も見えないが、三人の目には浮かんでいた、女の人達が指を差し合いながら怒鳴り合ってる風景を。
ベルとレフィーヤは苦笑いをしながら聞いていた。アルテミスはというともう沸点がそこまで来ていて、いつ爆発してもおかしくない状態だった。アルテミスが声を上げようとした瞬間、精霊達はアルテミスに気づき、咳払いをして話を進めた。
『で、では!そこの白髪の兎みたいな子は左へどうぞだわ!!』
『じゃ、じゃあ!私はこの可愛いエルフの子を貰うわね!右へ!右へどうぞ!!!!」
『『だからアルテミス様!怒らないでください!!!謝りますから!ごめんなさい!!!』』
仲がいいのか、仲が悪いのか二人は同時に声を合わせてアルテミスに謝罪した。アルテミスの怖さはやっぱり人類共通かつ精霊にも伝わってるらしい。
「...........では、私はここで待ってればいいのか?
一人の精霊はルナ、もう一人はロナという。
ロナは普段はお淑やかなのだが、
ロナという精霊は気の強い精霊だが、ただ曲がったことが嫌いなだけだ。口調が荒いのでよくルナに『女らしくない』と言われている
『アルテミス様待っていても、どちらかについてきても構いません。けれど手出しはしてはいけません、ここはロナも同意見だと思います』
『ええ、そこはルナと同意見です。アルテミス様がどれだけ子どもたちを愛してるのかは知らないですけれど、手出しした場合私たちはもう二度と手を貸すことはないと思ってください』
『『これは彼ら、彼女らの子どもたちが紡ぐ物語。時代の英雄は
英雄になるのは子ども達、神や精霊ではない。神や精霊は手を貸すだけ、悩み足掻き取捨選択するのは子ども達。神々はただ手助けするだけ、そう精霊達はアルテミスに告げた。
アルテミスはそんなことわかってるように、アルテミスはすでに覚悟した顔だった。
「わかっている、私は手出ししないことを誓おう」
『それならば安心です。ではアルテミス様。ここで待ちますか?それともついて来ますか?』
「当然ついていく。私の子供たちの行方をこの目で見る」
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「よく来たわね!まずは貴方の名を聞きましょうか」
「は、はい!私はレフィーヤ・ウィリディスと言います!よろしくお願いします!!」
「私はロナよ!じゃあレフィーヤ。試練について説明するわ!」
レフィーヤはベルと別れ、右の道へ進んでいた。先へと進んでいくと開けた場所があり、まるでダンジョンの空洞が
そしてそこに立っていたのは、真っ赤な髪が腰まであり、
「私が行う試験は、『今に至ること』よ!」
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「こちらも始めましょうか。ではまずは名前を」
「べ、ベル・クラネルです」
「ベルね。私はルナ、よろしく。では試験を始める前に、アルテミス様は私の後ろに」
「わかった」
アルテミスはベルの元へと来ていた。やはり冒険者になって1ヶ月一応レフィーヤも冒険者になったばっかりだが、一応戦闘の心得はある。なので一番心配だと言えるのがベルだった。
ルナという女性は真っ黒の長い髪を一つにまとめ、
「私が貴方に課す試練は、『英雄とは何か』です」
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一人の少年と一人の少女は眠りについた。誰の声も届きもしない夢の中に。そこに映し出されるは、精霊達の課す試練。少年の夢はダンジョンへ。少女の夢は懐かしい故郷へ。これは夢であって夢ではない。夢で行われた試練はそのまま恩恵へと変わる。しかし試験を乗り越えることができなければ永遠に夢の中を彷徨い続ける。
女神は少女の安否を祈ると共に、少年の夢に落ちゆく様を、行く末を