機動戦士ガンダム外伝 - Zeitalter des Schrof - 作:びわ之樹
・こちらでは登場人物や用語、作中の出来事にまつわる年表を纏めています。
本編の進行に伴い適宜修正・追記されますので、ご承知ください。
【登場人物】
《フラナガン機関》
〇アネット・クレージュ
・フラナガン機関に所属する軍属の少女。16歳。宇宙世紀0079年9月の志願兵団第一陣(学徒兵)派遣に付随して、曹長の階級を与えられてジオン突撃機動軍第61遊撃艦隊のファブリスMS中隊に派遣される。
・過去のとある出来事によりニュータイプ能力が発現するものの、その後のフラナガン機関における能力開発試験では一向に能力の発達が見られることはなかった。そのため、フラナガン機関は彼女を『ニュータイプのなりそこない』『欠陥品』と判断し、実戦におけるニュータイプ能力強化の可能性や心理的影響を調査するためのテストベッドとしてアネットを前線へ配属させることとなった。アネット本人も能力不足は十分に理解しており、せいぜい『何か嫌な予感がする』『見られている気がする』と感じるのが関の山である。一方でMSの操縦技能についてはフラナガン機関における能力開発の一環で手ほどきを受けており、他の学徒兵の面々より操縦技能は高い。
・過去の出来事とフラナガン機関における扱いを経たため、性格は真面目ながらもどこか卑屈で引っ込み思案。責任感は強い一方で、その来歴と与えられたミッションの関係から自らの生死を軽視する傾向がある。外見としてはオレンジ色を帯びた蜂蜜のように濃い色の金髪と、伸ばした後ろ髪を折って結い上げているのが特徴。
・配属時の乗機はフラナガン機関より融通されたMS-09R『リックドム』。制式採用の目途が立たなくなったYEX-T2-2『試製ビームバズーカ』も廃品処分同然の形で配備されており、基本的な『リックドム』の装備と併せて携行することが多い。
〇マルファ・キーロヴナ・イオーノヴァ
・ニュータイプ研究機関『フラナガン機関』に所属する上級専門技術員。27歳。アネットのファブリス中隊配属に伴い、彼女のバックアップを名目として配属される。
・低覚醒率ニュータイプの前線における能力発達をテーマとした研究を手掛けており、前線で死の淵に立たされたニュータイプが『進化』しうるかどうか、アネットを素材として研究を行っている。覚醒率の高いニュータイプを管轄する他の研究部門と比べれば相対的に権力の弱いセクションに所属しているためか、同機関の研究員に対する競争心は強い。
・一見して落ち着いた雰囲気の女性でアネットに対しても労わるような素振りを見せることもあるが、研究のためには冷徹に徹することも厭わない性格。基本的に黒のスーツを着用し、細長いレンズ形状の眼鏡をかける。髪色は淡い茶髪で、後ろでシニヨンに結っている。
《学徒兵》
〇アルマ・クーニッツ
・ジオン公国軍志願兵団第一陣の際にファブリスMS中隊に配属となった少女。アネットと同じく16歳で、階級は兵長。志願兵とはいえ愛国心や士気が特段高い訳では無く、メディアで目にしたシャア・アズナブルやジョニー・ライデンといったエースパイロットの活躍に憧れて志願した経緯を持つ。
・人好きでコミュニケーション能力に長けており、どんな相手でも物怖じせずに接する。積極的にぐいぐいと推して来る性格のため、コミュニケーションの苦手なアネットにとってはありがたい相手でもある。癖の強いウェーブがかった、セミロングの黒髪が特徴。
・乗機はMS-06F2『ザクⅡF2型』。塗装パターンは一般的な若草色と濃緑のツートン。
〇ルッツ・マウラー
・アルマと同時期に配属となった志願兵第一陣の少年兵。階級は兵長で、アネット、アルマと同じ16歳。プロパガンダ放送やエースの活躍を謳う報道の影響で愛国心を刺激され、学友らとともに学徒兵に志願した。…のだが、適性兵科の関係で肝心の学友らとは離れ離れの配属となってしまう。
・世話焼きな性格で、アネットや学徒兵が集う時はたいていアルマのストッパー役となる。年少者の中ではガッツもあり、体育会系のリヒャドとは相性がいい様子。短く刈り揃えた金髪と青い瞳が特徴。
・乗機はアルマと同じく一般的なMS-06F2『ザクⅡF2型』。学徒兵3人組の中では最も操縦技能に長ける。
〇ランドルフ・フィッシャー
・アルマ、ルッツと同じく志願兵第一陣の一人。彼のみは大学を休学しての志願であり、年齢は19歳。それを考慮して、階級も他の2人より一段高い伍長となっている。
・元々ジオンのプロパガンダや戦争というものを倦厭しており、学徒兵への志願も全く考えていなかった。しかし保守派の軍属の家系にあったため、周囲の推薦で半ば強引に志願させられた結果、ファブリスMS中隊に配属されてしまう。以上の経緯もあり、軍人という存在に対して批判的で、斜に構える傾向がある。小さな丸眼鏡に色白の肌、額を覆う程度に伸ばした黒髪が特徴。
・乗機は他の2人同様にMS-06F2『ザクⅡF2型』。
《ファブリスMS中隊》
〇ファブリス・ナヴァール
・突撃機動軍第61遊撃艦隊の艦載機であるMS中隊を預かる少佐。29歳。MSの実戦配備当初からMSパイロットとして従軍しており、一週間戦争やルウム戦役にも麾下の中隊とともに参戦する。しかし、ルウム戦役においてはとある出来事により部下の中隊は壊滅。無能の烙印を押されたファブリスは僻地の部隊である第61遊撃艦隊へと左遷されることとなる。ルウムにおける失態の反省から、後に独自の対艦戦法を考案し、対艦戦闘のエースとして名を上げるようになった。宇宙世紀0079年9月時点での公式スコアは機動兵器(MP・戦闘機含む)4機、艦船5隻(共同撃沈含む)。
・勤務態度はあまり真面目な方ではなく、制服を着流していることがままある。性格は良く言えば物事に拘泥しないざっくばらんな性格で、悪く言えば適当大雑把。一方で、時として冷徹なリアリストの面を見せることもある。銀色にも見える色素の薄い金髪を適当に伸ばしているのが特徴で、しばしば愛用のサングラスを首から下げている。
・専用機として、若草色を基調としポイントに黒色を配色した専用塗装のMS-05Q『ザクⅠ後期改修型』を駆る。両肩部がショルダーアーマーとなっている他、部隊全体の共通点としてデブリを利用した大型の盾を携行している。彼の小隊は『盾を構えたイタチ』のエンブレムを共通の意匠として持っており、コールサインも『ヴィーゼル』が当てられている。
〇ダミアン・ニーダーハウゼン
・ファブリスの副官を務める中尉。25歳。開戦前からのファブリスの部下であり、ファブリス隊の中ではルウム戦役で生き残った唯一の人間。戦闘の際にはファブリスの護衛や艦隊防衛の他、突撃好きな中隊長に代わり指揮を執ることも少なくない。
・万事適当な隊長を補うためか、堅実な性格で隊のまとめ役に当たる。MS中隊メンバーはもちろん、整備班や他スタッフからの人望も厚い。褐色肌とウルフカットの金髪が特徴。ラテン系の血が入っており、顔立ちは彫りが深い。
・乗機はMS-06F2『ザクⅡF2型』。カラーリングは通常機と同様であり、汎用性の高いザクマシンガンを携行することが多い。腰アーマーにはグレネードの代わりにマシンガンのマガジンを多く装備しており、万一の際の継戦能力を高めている。
〇ランディ・イングリス
・ファブリス小隊の3番機を務める軍曹。25歳。ダミアンと違い、ルウム戦役後にファブリス達が第61遊撃艦隊へ出向した後に配属された。
・他の面々と異なり、月面都市グラナダを出身とするルナリアンに当たる。元々はグラナダの自警隊に所属していたが、戦争初頭にジオン軍によってグラナダが掌握された際に自警隊がジオン軍へ吸収されたのに合わせ、ランディもジオン突撃機動軍へ編入された。ルナリアンという出自に加えて以上の経緯もあり、ジオンに対しても連邦に対しても批判的で、しばしば皮肉を口にする。年少者に対しては思いやりを見せることもあるものの、基本的に棘のある皮肉屋気質は変わらない。
・乗機は頭部をMS-06Eのものに換装したMS-06F2『ザクⅡF2型』。小隊内においては支援役であり、換装した高精度頭部センサーと対艦ライフルを組み合わせた中距離支援を行う。装備の都合上、ランディ機は部隊共通の大型盾を右肩部シールドに直接固定している。
〇カシム・タカツキ
・ファブリス中隊第2小隊長を務める少尉。23歳。本籍は海兵隊であり、強襲戦の技術指導を名目とした士官級交換派遣制度により7月ごろにファブリス隊へと赴任する。
・一週間戦争の際には海兵隊麾下で作戦に参加し、とある事件を経て心に大きな傷を負う。ルウム戦役の終息後は上記の制度を利用して他の部隊を転々とするも、ジオン内部からも批判的に見られ扱い辛い海兵隊士官を持て余し、使い捨てられるように前線で酷使され続けた。そのためか、顔を始めとした体の至る所には大小の傷の痕がある。
・海兵隊出身らしからぬ誠実で穏やかな性格であり、癖の強い中隊のメンバーを支える縁の下の力持ち的な立ち位置。しかし時として、過去の心の傷を物語るような悲壮で頑なな側面を見せることもある。浅黒い肌と黒髪、アジア系らしいのっぺりとした顔立ちが特徴。
・乗機はMS-06E『強行偵察型ザクⅡ』。偵察機ということもあり、濃灰色の胴体に黒い四肢という視認性の低い塗装パターンが施されている。戦闘に赴く際には盾に加え各種グレネードを装備することが多い。エンブレムは『虫眼鏡を持つイタチ』であり、コールサインも『ルーペ』。
〇リヒャド・シーグローヴ
・ファブリス隊第3小隊長を務める曹長。27歳。カシム同様、リヒャドも外部からの編入組であり、宇宙攻撃軍を本籍とする。
・一週間戦争においては、サイド4方面のコロニー制圧に従軍。その後も敵対する残存コロニーの制圧に従事していた。しかし、その際に起きたとある事件で当時の指揮官や部下を失い、彼もある事情により世論からの批判の矢面に立たされることとなる。脛に傷持つ部下の処遇に困った宇宙攻撃軍人事部は、地上軍の派遣で人材が払底していた突撃機動軍への出向という名目でリヒャドを第61遊撃艦隊へと派遣。半ば左遷されるような形で、彼は突撃機動軍へ所属することとなった。自らの過ちで部隊を失ったことから、『やるならば徹底的に』を信条とする。
・性格は厳格・豪快・粗暴な兄貴分とでも言うべきもので、カシムよりも海兵隊のイメージに近い。かつて部下を失った経験から部下への指導は熱心であり、スパルタ教育の影に一抹の思いやりを見せる。黒い肌にスキンヘッドと、見た目は大層いかつい。
・乗機は多くのメンバーと同じくMS-06F2『ザクⅡF2型』。格闘戦を得意とするため、装備する手持ちの盾は他のメンバーと比べて小型である。腰にヒートホークを2本装備しているのが特徴であり、肩のエンブレムも『斧を持ったイタチ』が描かれている。コールサインは『アクスト』。
【用語集】
〇第61遊撃艦隊
・月面都市グラナダに本拠を置く、キシリア・ザビ隷下の突撃機動軍に所属する遊撃艦隊。宇宙世紀0079年9月時点ではサイド5『ルウム』跡に潜伏し、航行する連邦軍輸送部隊や遊撃艦隊への攻撃を主任務としている。基本的にグラナダへの寄港はほとんど行わず、補給艦から補給を受ける形でほとんど前線に滞在しているという特徴を持つ。
・その過酷かつ危険度の高い任務から、多くのメンバーは軍歴などに何らかの問題を抱えた人間が集まっている。学徒兵の試験的配属や未熟なニュータイプの実証試験、処分予定の兵装の運用など、しばしば面倒な課題に対する突撃機動軍のアリバイ作りとして使われることがある。
・宇宙世紀0079年9月時点での編成は以下の通り。
・チベ級重巡洋艦『クロンシュタット』
・MS中隊(MS×9+作業用MS『ザク・ワーカー空間仕様』×1)
・ムサイ級軽巡洋艦簡易生産型『カルメル』
・戦闘攻撃機隊(ゴブル戦闘攻撃機×4)
・ガガウル級駆逐艦『アルマ=アタ』『ブルヌイⅡ』『エレバン』
【年表】
※〇=原作シリーズ中の出来事
☆=本作品中の出来事
《宇宙世紀0079年》
〇1月3日:ジオン公国、地球連邦へ宣戦布告。ジオン軍、月面都市『グラナダ』を制圧。
☆1月3日:リヒャド・シーグローヴ(宇宙攻撃軍所属)、サイド4制圧作戦に従事。
☆1月4日:カシム・タカツキ(海兵隊所属)、サイド2制圧作戦に従事。
〇1月10日:ジオン軍のブリティッシュ作戦によりコロニー1基が地球へ落着。地上へ壊滅的な被害を与える。
〇1月15日:サイド5宙域においてルウム戦役勃発。MSの集中投入によりジオン軍が勝利を収める。
☆1月16日:ファブリス・ナヴァールおよびダミアン・ニーダーハウゼン、撤退する連邦艦隊への追撃指示を受ける。護衛艦の集中砲火に遭いファブリスの部隊は壊滅。
☆3月:ファブリスおよびダミアン、第61遊撃艦隊へ配属。
同時期にランディ・イングリスも同部隊へ配属となる。
〇3月1日:ジオン軍、第一次降下作戦を開始。欧州に橋頭保を築く。
〇3月11日:ジオン軍、第二次降下作戦を開始。北米方面の制圧を開始。
〇3月18日:ジオン軍、第三次降下作戦を開始。オセアニア・アジア方面へ勢力を扶植する。
〇6月:サイド6へフラナガン機関設立。
☆7月:カシムおよびリヒャド、第61遊撃艦隊へ配属。
〇9月18日:地球連邦軍の艦船『ホワイトベース』がサイド7へ入港。RX-78『ガンダム』初戦闘。
☆9月26日:アネット・クレージュ、マルファ・キーロヴナ・イオーノヴァ、フラナガン機関より第61遊撃艦隊へ出向。
同日にアルマ・クーニッツ、ルッツ・マウラー、ランドルフ・フィッシャー配属。
☆9月27日:アネットら、初の実戦に参加。
〇10月:地球連邦軍、RGM-79E『初期型ジム』運用開始。RGM-79『ジム』量産開始。
〇10月4日:ガルマ・ザビ戦死。
〇11月7日:連邦軍、オデッサ作戦始動。要衝オデッサ奪還を果たし、同月10日に終息。
〇11月30日:ジオン軍、ジャブロー攻略作戦発動。同日中に投入部隊は壊滅する。
〇12月24日:連邦軍、ソロモン攻略作戦を発動。ドズル・ザビ戦死、ソロモン陥落。
〇12月31日:連邦軍、ア・バオア・クー攻略作戦を発動。ギレン・ザビ、キシリア・ザビ死亡。
ア・バオア・クー陥落。ジオン公国、共和制へ移行。
《宇宙世紀0080年》
〇1月1日:グラナダにて地球連邦とジオン共和国の間で終戦協定締結。