それは二月に入ってまだ寒い日の事だった。
「なぁ土御門、来週の日曜に頼みたい事があるんだが・・・」
「なんですかにゃー真人さん」
土御門は真人にまた厄介ごとを押し付けられるんじゃないかと冷や汗を流しながら答える。
「いやー、この寮の×○△号室で沢山来る荷物を受け取って欲しいんだけど」
「報酬は何かにゃ~?」
簡単そうなものだったので安心した土御門はサングラスをきらりと光らせる。
真人の頼み事は難しいが一個一個の報酬がいいので期待したのだ。
「ん、ヨーロッパの王室に仕えていたメイドたちが使っていたメイド服なんだが・・・・・」
「なんですとっ!?」
それを聞いた土御門はこの前の彼が溺愛する義妹との会話を思い出していた。
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「なーなー兄貴―。このメイド服知っているかー?」
雑誌を指差しながら舞夏がそう言った。
「んー?知らないにゃー」
ジャンルとしてメイドが好きな土御門もメイド服にはあまり詳しくない。
「これはなー、とあるヨーロッパの王室に仕えていたメイド達が着ていた由緒正しきメイド服なんだぞー」
「舞夏はそれが欲しいのかにゃー?」
「プロ選手を目指す少年たちが選手たちの道具を持つのと同じように、私もそれが欲しいのだが・・・途轍もなく高いのだー」
そこに書いてある金額は早くても土御門があと数年、危険な橋を渡り続けなければ稼げないような金額だった。
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「そ・・、それが報酬か・・・・・にゃー?」
「お前、今、にゃー忘れてたろ。まあ、それと・・これ位しか渡せなくて悪いな」
真人に渡された通帳にはとんでもない額が入っていた。
「ちょっ、真人さん!?桁間違ってるんじゃないかにゃー?」
「そうか?少ないだろ?」
「あなた・・、どれだけ金持なの・・・」
なぜ特売に命をかけてる当麻と兄の真人の思考がとてつもなく違うのか土御門の頭でさえ理解できなかった。
土御門が
「そや、あんなもんに釣られんかったら・・・」
青ピもあの日の一週間前を思い出していた。
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「よお」
昼休み中、真人が青ピに声をかけた。
「あっ、真人さん。どうしたんや、カミやんはそこにおるで?」
当麻を指差し、青ピが言う。
「いや、今回はお前に頼みがあってな」
「あの真人さんが頼みなんてな~。でなんなん?」
青ピは真人の頼みごとを聞く。
「一週間後の日曜にうちの寮の×○△号室で荷物を受けっとってくれねえか?」
「なんでや?来週の日曜日はせっかくの休日やねんけど」
「そっか、じゃあこれは要らねえな」
青ピが断ろうとしたとき、そう言って真人が取り出したのは写真集だった。
「なんやこれ・・・!?こっ、これは・・・」
それを見た青ぴは言葉を詰まらせた。
「それやるからさ、頼む」
「解ったでえ!!わいがその仕事やりとげたる!!」
瞳に炎をともしながら青ピが真人の手を握った。