立花響に救われた少女がヒーローを目指すお話 作:月夜 のかに
白。それは私の一番最初の記憶にあった光景である。
私は気が付いたときには真っ白な部屋に閉じ込められていた。それ以前の記憶は全く無い。
しかしそんな事は私にとってどうでもよかった。生まれた時からそうであったし、私自身そういうものなのだと思っていたから。
私が認知する世界はこの真っ白な箱と実験室だけであり、その外側の世界なんてものをあの時は考えた事も無かったのだ。
そこはF.I.S.と呼ばれた組織の「表向きには存在しない」秘密の研究機関。そこでは研究の為に、集められた子供たちに投薬や人体実験を繰り返していた。
「ねぇナイン、私たちなんで生まれて来たんだろう」
ある日、私はそんな疑問を投げかけられた。
声の主はルイス・ロア・フエンテという金髪碧眼の少女。年は私より二つか三つ上だろうか。私は自分の歳を知らないから背丈や雰囲気からの推測であるが、年上なのは間違いない。彼女は独りでいる私を心配してか、よく私に話しかけてくれるような世話焼きな人間だった。
大人達は私達を番号で呼んでいて、ルイスはセブン。私はナインと呼ばれていた。
ルイスは普段明るく、私の面倒を見てくれるような子だった。しかし、この質問を投げかけたルイスの表情は、少なくとも私が今まで見てきたどの彼女よりも思い詰めたものであった。
「私にはルイスの言ってる事がよく分からない」
「毎日クスリを打たれて……それだけの為に生かされてる」
「当たり前じゃない」
私がそう返すと彼女は少し悲しい表情をする。
「そうだよね。ナインは何も知らないものね……」
彼女はそう言うと、虚空を見つめて独り言のように呟いた。
「少しだけナインが羨ましい。何も知らなければ、私も今を受け入れられたのかな」
数秒して彼女の目線が虚空から私へと移る。どうやら自分の口から零れた出た言葉に気づいたらしい。
「ごっ、ごめんなさい! 私、あなたの事が羨ましいなんて……」
彼女は慌てた様子で先程の言葉を取り消していたが、私には彼女が何故謝るのか理解できなかった。
「確かに痛い事とか、苦しい事とかいっぱいあるけど、私はルイスと一緒にいられればそれだけで幸せだよ? ルイスは違うの?」
私の言葉にルイスは少し驚いた様子だった。そして先程までの曇った表情はいつも私に向ける優しい彼女の表情になる。
「……私あなたの事を何も分かってなかったみたい。ナインは私よりずっと強い子だった。たったそれだけの事だったのに」
ルイスは私を強く抱きしめた。顔は見えなかったが、何故だか私には彼女が涙を流しているのだと理解出来た。
「私も……あなたといる時間は幸せだったッ! 本当の妹みたいで……」
彼女はそう言って私の頭を優しく撫でる。
私は今まで〝家族〟という物を言葉の意味としては理解していても、実感としてそれは〝知らないもの〟であって自分には縁のないものだと思っていた。
しかし違った。独りぼっちだと思っていたこの真白な世界で私に向けられた彼女のお節介が、いつの間にか心地よく思うようになった。――幸せだと感じるようになった。この暖かさが、愛というものなのだと。私はこの世界に独りぼっちでは無かった。家族という繋がりを私は知っていたのだ。
「やっぱり私はあなたに外の世界を見て欲しい。いつかここを出られたらだけれど……」
ルイスはそう私に言う。先程も言った通り、私にはこの壁の外側に何の興味もありはしなかった。外側など私にとっては物語の中の世界となんら変わりはない。それこそアリスが迷い込んだワンダーランドと同じ未知の世界だ。そんな世界よりも、ルイスと一緒にいられるこの安寧を享受する方が幸せなのだと信じて疑わなかった。
だが、彼女となら。ルイスと一緒ならば違うのかもしれない。
「ルイスは昔暮らしてたんだよね……? ここの外側で」
答えが分かっている、まるで確認するかのような質問に彼女は少し首をかしげながらも、「ええ、そうだけれど」と答えた。私は続ける。
「聞かせて欲しいの……ルイスの昔の話。ここの外側の話」
◇
「珍しいじゃない? というよりも初めてね。そういう話はこれっぽっちも興味無いと思ってたのに」
ルイスは物珍しげに私の顔を覗き込んだ。
「実際、興味無かったもの」
この施設に連れてこられた子供は皆境遇こそ違えど、望んでこの場所にいる人間など居ない。
今の環境に涙を流す子がいたとして、その子はかつての幸せ恋しさに涙しているのだろう。しかし私には何も無い。縋る幸せも思い出も何も無く、私の中にはこの場所しかない。そんな姿を見ても〝羨ましい〟とは少しも思えなかった。ただ、〝お気の毒に〟と哀れに思うだけだ。
「じゃあ今は違うの?」
「今は……ルイスの言う普通の幸せな生活っていうのがどういうものなのか知りたくなった」
「そんなに面白い話でも無いんだからね……?」
「それでも私は聞きたいの」
私からの珍しいお願いに彼女は少し困惑の色を浮かべながらも、ゆっくりと私に語り始めた。その語り口は普段私に教えてくれた、おとぎ話を話す時のようであった。
ルイスの生まれはバル・ベルデ共和国という国らしい。決して裕福ではないが充実した日々を送っていたという。
「――誕生日になると盛大にパーティをするのよ! それとピニャータ! お菓子が入ったくす玉を叩いて割るの」
「フフッ、なにそれ楽しそう」
ルイスはそう面白い話ではないと言っていたが、私からすると彼女の話は全てが知らない世界のお話で、それはどんなおとぎ話よりも楽しい気分にさせられる。何より話しているルイスが本当に楽しそうで、そんな彼女の気持ちが私にまで伝わってくるような感覚を覚えた。
「誕生日って素敵」
「ここを出られたら、誕生日にはパーティを開きましょう?」
ルイスは私の手を取ってキラキラとした瞳で私に言った。
「……でも、出来ない。だって私には誕生日が無いもの」
私の言葉にルイスは「そっか……」と言葉を詰まらせるが、少しして何かを思い付いたようだ。
「なら、今日を誕生日にしよう!」
ルイスはそう提案してきた。
「そう! どうせだもの、名前も大人達が決めた番号なんかじゃなくてちゃんとしたものを付けましょう!」
「名前を……?」
「名前は家族からの一番目の贈り物なの。これが私からのあなた贈る一番最初の誕生日プレゼント。勿論あなたがよければだけど……」
嬉しかった。誰かから贈り物を貰ったことなんて無かったから。
「嬉しい。ルイスから貰うプレゼントだもの」
「じゃあ名前、考えないと。どうしよう……。そうだ、メロディアなんてどう?」
「メロディア……? なんとなくmelodyに似てる響きね」
「うん、私の国の言葉でメロディーと同じ意味の言葉。 だってナイン、歌うの好きでしょう?」
私は頷く。
「じゃあ決まりね。私のファミリーネームを合わせてメロディア・ロア・フエンテ!」
「……メロディア・ロア・フエンテ」
「今日は〝メロディアの〟誕生日! これから毎年お祝いましょう」
ルイスは懐に手を忍ばせる。ひとつまみ出来る程の大きさの乳白色の固形物を取り出すのが見えた。それは食事の時に配られたチーズであった。
「それ、どうしたの?」
「実はとっておいてあったの。 パーティというには味気ないけどね」
ルイスはチーズを二つにちぎると、その片割れを私の掌の上に置いた。
「ありがとう」
「ハッピーバースデー、メロディア」
私はチーズを口に含む。生まれて初めての誕生日のご馳走はいつもと違う、特別な味がした。
◇
私の誕生日から少ししての事だ。私を取り巻く環境に変わりはない。しかし変化した事もある。
リリー・ウィリアムズという少女がいた。シックスと呼ばれていた彼女は私と同じくらいの背格好の幼い少女で、大人達のからは「優秀だ」とよく褒められていた。しかし、彼女は病弱だった。熱を出して突然倒れては、大人達に別の部屋へと運ばれて行く事も一度や二度では無かった程だ。
ある日、この施設からリリーの姿が消えた。
大人達に問い詰めても彼らは何も答えてはくれない。しかし彼女が消えた日から、彼等からは焦燥のようなものを感じられた。必要だったのは彼女だけで、〝優秀〟でない私達では消えた彼女一人の穴を埋めることも出来なかったのだろう。
そんな彼らの姿を見れば、彼女がどうなったのかは想像に難く無かった。
「セブン、ナイン付いてこい」
大人達の一人はそう言って、私とルイスを呼び出した。名指しで実験室に呼び出されていたのは彼等のお気に入りであったリリーくらいのもので、私達が二人きりで呼ばれたのは初めてのことだった。
「お前達には使えなくなったシックスの代わりとして働いてもらう」
男は私達にそう言った。
「私達であの子の代わりが務まるの? あの子、私達より優秀だったんでしょう?」
私は男に問いかける。
「だから今から私達がお前達を『使える』ようにするのさ」
彼の狂気を孕んだ笑みに、私は不安を覚えた。
もし私達がリリーの代わりになれたとしても、彼女と同じような未来が待っているかも知れない。当然、代わりになれないならば待っているのは遥かに最悪な結末だろう。
そんな事を考え出すと身体の震えが止まらなくなってしまった。
「顔色、悪いよ? 大丈夫?」
ルイスが心配そうな様子で私の顔を覗き込んだ。
「……震えが止まらないの。痛いのなんて慣れてる筈なのに。いつか死んでしまうかも知れないなんてこと、分かってた筈なのに」
「怖いのね。……大丈夫。大丈夫だから」
私の手を握ってそう繰り返す彼女の手は微かに震えていた。心の中の不安や恐怖を押し殺して私の心配をしてくれているのだ。
「これじゃいつかの反対ね。あの時はあなたが私の不安を払ってくれた」
ルイスがくすりと笑う。どうやら私はいつの間にか、かつて哀れだと思っていた子らと同じ弱い人間になってしまっていたようだ。しかし今になって思えば、あの頃の私はただ生きるのを諦めていただけだったのだろう。あの時ルイスは私を羨ましいと言ったが、私はそうは思わない。
「大丈夫。ルイスがいてくれるから」
「家族ごっこは終わったかね?」
男は痺れを切らした様子でそう言うと、私の手を掴み上げる。
「私がやる。だからナインには手を出さないで」
ルイスは男の前に立ってそう言った。
「別に構わんよ?サンプルが取れれば誰だって同じ事だ」
そうしてルイスは部屋へと連れ出され、私は他の大人達に連れられて硝子で隔てられた隣の部屋へと連れて来られた。ルイスは不安そうな顔で辺りを見回している。ルイスの方からはこちらの姿は見えていないようだ。
ルイスの首筋に投薬用の器具が押し当てられる。銃のような持ち手の容器のトリガーを引くとカシュという音を立てて大量の薬液が注入された。
しかし特に何かが起こる訳でもなく、大人達が求める結果は得られていない様だった。大人達は粛々とデータを記録しながら次の投薬の準備をしている。
明確な変化が訪れたのは試験管数本分の薬を注射してからの事だ。突然ルイスは青ざめた顔で口元を手で覆った。掌で抑えられた口元からは赤い雫が零れ落ちているのが見えた。やがて抑えきれなくなったそれは、指と指の隙間から一気に溢れ出る。吐き出された血液によって周囲の床が真っ赤に染まっていた。
「苦しい……助けッ……」
喋ると逆流した血液が流れ込み息をする事すらままならないようだった。衰弱し、血の海に膝を付いていたルイスの腕を男が掴み上げる。
「やだあッ……死にたくない!死にたくないよ!」
涙と血が混ざりあってぐしゃぐしゃになった顔でルイスはそう叫んだ。
「もうやめて! ルイスが死んじゃうよ!……ルイスを殺さないで」
私は泣きながら大人達に懇願した。
「潮時か」
男はそう言うと私をルイスの居る部屋へと連れ出した。
「ルイス……」
目の前には放心状態のルイスが居る。口元を血で真っ赤に染め上げて、彼女は糸の切られたマリオネットのようにそこに座っていた。
「……メロ……ディア?」
ルイスはこちらに気がつくとゆっくりと視線をこちらへと向けた。
「ごめん……ね?」
「なんで謝るのよ」
「私ね……見ちゃったの。リリーが何をされてたか。あんなのアナタには背負わせたく無かったから……。でも駄目ね……結局お姉ちゃんらしいこと何もしてあげらなかった」
ルイスは虚ろな目で私を見据えながら、いつもの様に私の髪を撫でた。彼女が撫でた後の私の白い髪は、血で赤く染まっていた。
「だから……ごめんね、メロディア。私は一緒に外で暮らす夢、叶えられそうにないや」
「いやだ! 置いていかないで! 私を独りにしないで! 」
叫ぶ私にルイスは微笑みかけて言葉を続ける。
「だい……じょうぶ。生きていればいつかきっと、何もしてあげられなかった私なんかよりずっと素敵なヒトに出会えるから」
ルイスの手が私の髪から離れ、パタリと床に落ちた。私が再び彼女に視線を移した時、彼女の瞳はもう私を捉えてはいなかった。
◇
侵入者を知らせるアラートが廊下に響き渡っている。メロディアは喇叭を片手に廊下を進んでいた。彼女の目の前には天井から下ろされた侵入者を阻むバリケードが幾重にも張り巡らされている。
「こんなもの時間稼ぎにすらならないのに」
メロディアは喇叭を構えると大きく息を吸い込み、それを思い切り吹き鳴らした。発生した衝撃波は目の前のバリケードを木端微塵に吹き飛ばした。そして再びメロディアはゆっくりと足を進める。
部屋をしらみ潰しに探索し、メロディアはある物を探していた。その「ある物」とはこの施設で研究されている三振り目のシンフォギアである。
しかし、ヴィーデの命令であるシンフォギアの奪取とは別に、メロディアには個人的な理由から探しているものがあった。
「……LiNKER」
厳重に施錠されていた扉を吹き飛ばした時、メロディアの目の前にはおびただしい数の試験管が並んでいた。
その緑色をした薬品は、紛れもなく友を殺した悪魔の薬。後天的に人と聖遺物を繋げるそれは、メロディアにとって憎悪の対象であると同時に敬愛する「あの人」との唯一の繋がりでもあった。
愛憎とも言える感情がメロディアの中でぐちゃぐちゃに入り混じり、爆発した。目前の試験管を右手で振り払い、床へと落下したそれは粉々に砕け散った。
「こんなもの! こんなものッ!」
床は砕けた硝子とリンカーで埋め尽くされていた。
メロディアは足元に痛みを覚える。硝子が足を傷つけたのだ。その痛みは彼女の頭を冷静にさせた。傷口から流れた血が足元のリンカーと混ざり合い黒く濁っている。
「せめてあの人の夢くらいは……叶えてみせる。絶対に」
◇
符坂詩織は不安に苛まれていた。
ベッドにはまだ天音の体温が残っている。しかしそこに天音はいない。昔から感じていた天音が何処か遠くへと行ってしまいそうな恐怖と不安は段々と強くなっていた。事実もう詩織の伸ばした手は、天音には届かなくなってしまっていたのだから。
天音が詩織の腕を振りほどいた瞬間、彼女は悟ってしまった。神代天音はもう〝私の天音〟ではなくなってしまったのだという現実に。
「ハハ……天罰、なのかな」
それは孤独を紛らわす為に彼女を利用した、そんな愚かで身勝手な自分へ与えられた罰なのだろうと、詩織は自嘲し天を仰いだ。
天音がこちらへと越してきた小学三年の夏。転入生としてクラスにやって来たその内気な少女に、符坂詩織は強烈に惹き付けられた。それは小学生に有りがちな転校生への好奇の感情などでは無い。加えてそれは今現在詩織が彼女に抱いている気持ちでも無かった。今の詩織に言わせれば、その感情は「最低」と形容するべきものだったと言えよう。
かつて、符坂詩織という少女は余りにも利口過ぎた。抜け目も無ければ付け入る隙もない。彼女の不幸はそれが可能な程には聡明であった事だ。そして、そう生きることが正しいのだと信じて止まなかった。
全ての人間と等しく良好な関係を築く事だって出来てしまう。そんな利口さとカリスマ性はいつしか彼女を孤独にしていった。
誰からも慕われるカリスマは、換言すれば誰とも友情を築けない呪いでもあったからだ。詩織がそれに気づいた時、それはもう手の施しようが無い程に彼女の人間関係を破壊していたのである。
故に彼女には居場所が無かった。学校も、家すらも詩織からすれば息苦しい場所に変わりない。そんな時に出会った天音に、詩織は救いを求めた。それは何も知らない彼女ならば、自分の孤独を埋めてくれるのではないかという淡い期待であった。
しかし、詩織は決定的に歩み寄り方を誤った。真っ当な友達関係を築いた事が無い彼女が取った手段は、余りにも
結果として事は全て彼女の目論見通りに運んだが、どうせならいっその事すべて失敗に終わっていればまだマシだったのかもしれない。
いうなればそれは悪質な詐欺のようなものだ。ヒーローがヒーローでいる為に自ら事件を起こすようなものだ。酷いマッチポンプである。
それは今の天音からすればそれは看過しがたい邪悪そのものであろう。符坂詩織は、神代天音にとっての揺るがない善であるために悪を働いたのだ。独裁者が世論を言葉たくみに誘導するように、彼女はそのカリスマで自分に都合の良い
そう、符坂詩織は神代天音にイジメを行ったのである。
「は……まるで生殺しじゃない」
詩織は無気力に笑う。これが罰だとするなら、神という奴は余りにも性格が悪い。あれだけの事をしながら天音は何も知らないし、故に責めもしない。なんの疑いも無く詩織を信頼し、親友と呼ぶ。天音にそう呼ばれる度に「お前に天音の親友を名乗る資格なんて無い」と、詩織はもう一人の自分に後ろ指を指され続けるのだ。
それは〝かつての詩織〟であれば存在しなかった問題だった。天音に特別な感情なんて抱かなければ、こんな心苦しさなんて知らなくて済んだ筈だったのだから。
「変わったな……私」
――いや、
正にそれはミイラ取りがミイラになるというやつだ。依存させるつもりが逆に依存させられていた。表面上は何も変わっていないように見えた二人の関係は、いつの間にか天音が詩織に依存する形から詩織が天音に依存する形へと完全に置き換わっていたのだ。
布団に顔をうずめると、天音の香りを感じた。フローラルの柔軟剤の心地の良い香りである。詩織も天音と同じ柔軟剤を使っているので天音と同じ香りがしている筈なのだが、詩織にはどうにもそのようには感じられなかった。天音個人の匂いが混ざっているからであろう。
「天音……天音ッ、あまねッ!」
詩織は両腕で布団を力強く抱きしめる。ここしばらく天音と距離を置いていた事もあってか、詩織の中に溜まっていた何かはこの瞬間完全に暴走していた。傍から見て、いや、詩織自身から見ても変態のそれであった。
「何やってんだろ……わたし」
利用するだけ利用して身勝手な理由で天音の人生を狂わせた癖に、未だに天音に何かを求めている。形は違えど、今も昔も符坂詩織が最低な人間な事に変わりはなかった。友を自分を慰める為に利用したのだから。
そんなものは友とは言わない。
そんなものが友達などという関係だと言っていい筈が無いのだ。
「……掃除でもしよう」
とてもじゃないが寝付ける気がしなかったからだ。不安やモヤモヤを解消するには掃除はうってつけだった。
ここ最近、定期的に行っていた天音の家の掃除をしていない。しかし詩織はここで一ヶ月掃除をしていなかった割に、真っ先にとっ散らかるリビングなどにさして物が落ちていなかった事に気づいた。十中八九凪咲の仕業だ。詩織のいない間彼女に代わって天音の世話をしてくれていたのだという事が細かな所から感じられる。そして同時に、自分の居場所が奪われているような焦燥感も感じた。
だが、そもそも今まで続いていた詩織と天音の関係は、詩織が無理やり歪ませて作り上げた関係だ。これは、そんな歪まされてしまった天音の人間関係が本来あるべき形へと戻りつつあるというだけなのかもしれない。
「だからって……そう簡単に諦められる程、私は利口じゃないの」
普段は天音からあまり触らないでと言われている天音のパーソナルスペース。今詩織がいる場所、天音の寝室。
天音の意思を汲んで掃除はしていなかったが、床に散らかっている下着や読んだまま置きっぱなしの漫画本を本棚に戻すくらいならば天音も怒りはしないだろう。
「全く、放っておいたらすぐ散らかすんだから」
詩織はいつもの様に呆れた口調でそう呟くと、ふふと失笑した。こうやっていつもの様に天音に世話を焼いている時間が、とても愛おしく感じたのだ。
ああ、やっぱり私は天音が好きだ。
こんな気持ちを天音に伝えれば引かれてしまうだろう。だから今抱えている好意も罪悪感も、全て胸に押し留めて私は天音の親友であり続けよう。詩織はそう胸に誓った。
それは心の整理がつき、部屋の整理も粗方片付いた頃だ。詩織は本棚の陰に漫画の中に混じって、何やら漫画ではない埃被りの本がある事に気づいた。汚れを払うと、どうやらそれは日記のようだった。様子から察するに数年間放置されていたらしい。
元々触るなと言われている部屋を勝手に掃除している時点で問題ではあるのだが、詩織は別に天音のプライバシーを侵害するつもりは毛頭ない。これを読んではいけないという良識は持ち合わせている。
しかし、気になる。中身を読んでみたい。否、厳密には中身が知りたい訳ではない。知りたい事はそこではなかった。
詩織が日記に興味を持った理由は〝詩織の識る神代天音〟は少なくとも日記など取るような人間では無かったからだ。彼女はそんなマメな人間でも無ければ、一日一日を大切に噛み締めるような人間でもない。むしろ今の天音は生き急いでいるように感じる。
出会って間もない頃だって、天音は無口で物静かではあったがそれは文学少女のように理知的なそれでは無く、言うなれば〝生きることを半ば諦めたような少女〟だったのである。それは詩織のただの所感ではあったが、おそらくそれ程的外れでは無い。
詩織には彼女が綴っていたという日記が一体どういうものだったのか全く想像がつかなかったのだ。
ごめんと呟き、詩織はページを後ろからパラパラとめくってみた。白紙の頁がめくれ切って最後に書かれたページが目に留まる。年は書かれておらず月と日だけが書かれていたが、詩織はこの最後の日記がいつ書かれたものなのかすぐに分かった。
これは七年前のあの日だ。そこには拙い文体で一文、「きょう、はじめてお友だちができたよ。 ふさか しおりちゃんって言うの。やさしい子なんだ」と書かれていた。
「違う」
――違う、違う違う。私はそんな人間じゃない。優しい人間なんかであるものか。
「……馬鹿正直過ぎるんだよ、天音は。こんなんだから私みたいな悪い人に騙されるんだ」
呆れて本を閉じようとした時、詩織はそのページの下部に文章の続きがある事に気づいた。
「……これ」
――天音の文字じゃ無い。
その短い文字列はどう見ても天音の筆跡では無かった。そもそも上の文字と比べれば一目瞭然である。
交換日記? いや、そんな筈は無い。天音にはこちらに越してきてから友達なんていなかったはずなのだから。しかし、これは紛れもなく交換日記だった。
「良かったね、天音。ワタシもそのしおりちゃんに会ってみたいな」
詩織は小さく朗読した。不可思議である。これが交換日記だとするなら辻褄が合わない。これが天音が詩織と出会う前から続けられていたとすれば、〝この子〟は天音がこちらに越してきた後に返事を書くことはできないはずなのだ。このノートが天音の手元にあると言うことは、詩織と出会ってから一度この子に日記を渡し、そしてまた受け取っていることになる。
「――そんな訳ない。だって天音は独りぼっちのはずなんだッ! 私と同じッ! 私と天音は同じ筈なのにッ!」
その為に彼女を社会から切り離したのだから。
イジメて、虐めて、苛め尽くした。無気力で、何も感じていないかのような顔をする彼女が壊れるまで。そうして傷ついた心に付け込んで、詩織は天音を自分だけのモノにした。筈だったのである。
しかし実際にはそうでは無かった。結局独りぼっちなのは詩織一人だったのだ。
「ハハ……こんなの嘘だ」
詩織がそう呟いた時、部屋の扉が開いた。
「天音? まだ起きてるのか」
「お、おじさん、帰ってたんですね」
天音の父がいつの間にか帰ってきていた。詩織は手に持っていた日記を咄嗟に本棚に隠した。
「なんだ、詩織ちゃんか。来てたんだね」
「あっ、天音は寝ちゃったんですけど、私なんだか寝付けなくて。エヘヘ……だから掃除してたんです」
詩織は咄嗟に嘘をついた。正直に話せる事である訳が無い。こんな時間に天音が出ていったなんてなんと説明すればいいのか。ふと、靴の数でばれるかと思ったが、ここに詩織が居ることを知らなかった辺りを見るに大丈夫だろうと詩織は判断した。
「じゃあ、おじさんも帰ってきた事だし、私はやっぱり帰りますねッ!」
そう言ってこの場から立ち去ろうととした時、詩織は天音の父に手を掴まれた。
「何言ってるんだ! 女の子がこんな夜中に一人で出歩いたら危ないだろう!」
「……天音のこと何も見てない癖に、こういう時だけそんな事言うんですね」
詩織はそう言って彼の手を振り払った。詩織の言葉に天音の父は唖然とした表情を浮かべる。当然の反応だ。
「ホントに、私の事なら大丈夫ですからッ!」
部屋を飛び出し、詩織は逃げるように天音の家を後にした。
◇
無音の室内にキリキリと首の閉まる音だけが耳に届く。見たところそれ程歳の離れていないその少女の苦しそうな喘ぎを聞くと、ついつい首を絞める手に力が入ってしまうのをメロディアは必死で抑えた。
「殺さないようにするのは大変ね。それにしても、アナタが此処の責任者? 随分と若いのね」
「……何が目的ですか……というのは野暮ですね」
「話のわかる人は嫌いじゃないわ」
メロディアはそう言うとエルフナインの首を掴んでいた腕の力を緩めた。
「あなたはボクが作ったシンフォギアを狙っている。それは分かります。でも何の為に……」
「そうね……英雄になるため。とか」
「ふざけないでください!」
余りにも馬鹿馬鹿しい言葉に、エルフナインは声を荒らげる。
「私は至極マジメよ? 私は英雄になる。ならなくちゃいけない」
「どうしてノイズを使って人々を虐殺して、シンフォギアを手に入れる事が英雄になる事と繋がるんですか」
エルフナインは疑問を口にする。彼女の行っている事は、おおよそ英雄というものとは関連付かない。
「私の親愛なる人はこう言っていたわ。『英雄とは新世界の導き手である』と」
「新世界……力を振りかざし、支配者にでも成るつもりですか?」
「半分は正解だけど半分は間違いね。
私から何もかも奪っていったこの世界に復讐出来れば、私はそれでいい。ヴィーデがどんな新世界を創ろうが私には関係無いもの」
「この世界への復讐……ですか」
その瞳をエルフナインは知っている。大事な人を喪い、世界を呪った少女。彼女はかつてのキャロルだ。そして、だからこそエルフナインには分かる。どんな言葉も今の彼女には届かない。
「シンフォギア、渡して貰えるかしら。アナタが持っているんでしょう?」
エルフナインは白衣からペンダントを取り出した。メロディアはペンダントを受け取ると、エルフナインの首から手を離す。その時、突然の衝撃音と爆風が天井を木っ端微塵に破壊した。
「ちょっとぉ! エルフナインさん居るのに爆撃で突入は不味いよ!」
「そっ、そうですねッ! でも結果オーライですッ」
「ミサイルサーフィンといい、ここの人たちジョーシキが通用しなさすぎるッ」
巻き上げられた粉塵の中、凪咲がメロディアへと銃弾を放つ。不明瞭な視界だったが凪咲の射撃は正確に彼女を捉えていた。メロディアは後方へと回避する。
「クッ、邪魔をしてくれるッ! でもシンフォギアは私の手にある――私の勝ちだッ!」
「このまま私達が逃がすと思ってるんですかッ!」
凪咲と天音は正面突破を試みる。この閉鎖空間では、かつて少女が見せた喇叭の破壊力はむしろ生身である彼女の首を絞める事になる。つまり今、彼女は力を全力では発揮できない。
「天音さん、凪咲さんッ! 彼女に渡したシンフォギアはダミーの試作機です! 本物はここにはありませんッ!」
「ナイスです、エルフナインさん!」
「出し抜いたからって調子に乗らないでッ!」
メロディアは正面に向けて喇叭を吹き鳴らした。狭い室内で逃げ場が無いのは相手も同じ事である。出力さえ絞ってしまえば、正面から突っ込んでくる彼女らは格好の的と言えよう。衝撃波は地面をえぐりながら直進し、奥の壁を吹き飛ばした。
しかし天音と凪咲の足は止まらない。二人はメロディアの攻撃を完全に見切っていた。それは、いつかの暁切歌と月読調が見せたコンビネーション。完全に息の合った左右への散開、意識を分散させて一気に自分たちの間合いに持ち込む連携攻撃だった。
「ゼロ距離射撃、今回は外しませんッ!」
「生意気なのよッ! インチキ装者ぁッ!」
メロディアは咄嗟に喇叭を盾に銃弾を防御する。その衝撃はメロディアの腕から喇叭を手放させた。喇叭が空中を舞い、彼女の注意が一瞬だが喇叭へと移る。
「今ですッ!」
「応ともさッ!」
間髪入れず天音は凪咲と反対方向から回し蹴りを繰り出す。一瞬の隙をついた全力の一撃。しかし結果から言えば、不可避かと思われたその一撃はその場に居た誰もが予想出来なかった方法によって無力化されてしまった。
天音が蹴りを放った瞬間、天音は確かに耳にしたのだ。彼女が何かを口ずさんだのを。聞き覚えの無いメロディだったが、それが何であるかを天音は直感的に理解した。
これは――聖詠だ。
「私は言ったはずよ? 私の勝ちだ、と。〝シンフォギアシステム〟を手に入れた時点でね」
彼女を包む眩い光。それは紛れもなく聖遺物の発するものであった。そしてその光は収束し、白いシンフォギアの形を形成したのである。
「うそっ!?」
天音はメロディアの反撃によって吹き飛ばされてしまった。
「エルフナインさんッ! あのペンダントに聖遺物は入ってないはずじゃあ」
「アレはボクが作ったギアではありませんッ!」
彼女は二本の円弧状に湾曲した形状をした剣のアームドギアを構えている。しかしエルフナインが作り上げたシンフォギアは剣の聖遺物では無い。ならば彼女が纏うシンフォギアは彼女自身の持っている聖遺物由来であることになる。
エルフナインが設計したシンフォギアシステムが行っているのは、あくまでも聖遺物が発するエネルギーを最適化し、幾重ものロックによって制御する事によりギアを生成するというものである。つまるところ、中核を成す聖遺物の欠片については未だブラックボックスなのだ。
この時、エルフナインの中にある仮説が浮かび上がった。
「どうやらそこの責任者ちゃんは理解したみたいね?」
「融合症例……」
かつての立花響がそうであったように、融合症例は聖遺物が身体と融合する事によって聖遺物と適合する事なくそれを起動させる事が出来る。それはまさしく、身体そのものがシンフォギアシステムの中核である聖遺物の欠片の役目を果たしているという事にほかならない。
「ボクの作ったシステムを聖遺物が発するエネルギーの変換装置として使っている訳ですね?」
シンフォギアの欠片によって融合症例となった立花響という特殊な事例を除き、聖遺物の欠片は自らのエネルギーをギアとして変換する力を持ち合わせていない。故にエルフナインの作り上げたシンフォギアシステムが必要だったのだ。
「これが私の……クレイブソリシュのシンフォギアッ!」
「シンフォギアを纏おうとッ!」
天音は体制を立て直し、再びメロディアへと先制攻撃を試みる。迎え撃つメロディアが振り下ろした剣を両腕のプロテクターで受け止めた。
「ねぇ、アナタ」
突然、メロディアが天音に語りかけた。
「アナタはなんで此処にいるの?」
「なんでって……」
「アナタは何の為に戦っているの?」
「それは……私もなりたいんだ。あの人みたいなヒーローに」
突如、天音の言葉を耳にしたメロディアは態度を一変させた。
「
メロディアは再び剣を振り下ろした。その剣筋は先程までとは打って変わって、今までとは掛け離れた感情的なものであった。
「アナタみたいなッ! 遊び気分で戦場に立つ人間がぁッ!」
何度も、何度も何度も剣を振り下ろし、遂に天音はその攻撃を受け止めきれず地面へ倒れる。
「神代さんッ!」
「邪魔をするなッ!」
天音を助けようと凪咲は銃を構えるが、凪咲がメロディアへと狙いをつけるよりも早くメロディアはアームドギアを変形させ、ブーメランのように放った。円弧を描いていた二本の剣先がリング状に合体したアームドギアが凪咲に直撃し、凪咲は武器を手放してしまう。
「アナタ弱くなったわね。 撃つのを戸惑った。そんなにこの子が大切?」
「神代さんは……私の友達ですッ!」
「なら、そのお友達がズタズタになるのをそこで咥えて見ていなさいッ!」
メロディアは返ってきたアームドギアを再び剣の形状に戻すと倒れている天音を踏みつけ、天音の肩へと突き立てた。真っ白だったメロディアの剣に真っ赤な鮮血が飛び散る。天音はその痛みに顔を歪ませ、声にならない唸り声を漏らした。
「アナタ、今とても良い顔をしているわ。昔の私達みたいな、踏み躙られる弱者の目。痛いでしょう? 苦しいでしょう?」
「――ッッッ!」
メロディアは剣を更に深く押し込んでみせた。失血で天音の視界が徐々に歪んでいく。目前に迫る死の恐怖は、徐々に天音の心を蝕んでいた。
――その時、天音の中のがパキン、と音を立てて砕け散った。
痛い。怖い。なんで私だけこんな目に。なんの為にここに居て、何のために戦っていたんだっけ。分からない。思い出せない。
「助けて……もう痛いのは嫌だよ……誰か」
そこにヒーローに憧れる少女の姿は無かった。否、そもそもそんな少女は存在しなかったのである。そこに居たのは目の前の恐怖に怯え震える、か弱い一人の少女だった。
あの日から天音の心を隠していた
「痛いよね。怖いよね。ワタシは全部分かってるよ」
天音の耳元で誰かが囁いた。
暗く、静かで何も無い。そんな天音の心の深淵に彼女は居た。黄金の瞳をした少女はそっと、うずくまる天音を抱きしめ尚も語りかける。
「ヒーローにならなくたっていいじゃない。痛いのも、怖いのも、責任だって、全部投げ出して楽になろうよ」
「そうしたら……もう痛くない?」
「怖いのも、痛いのも、ワタシが全部引き受けてあげる。昔からそうだったでしょう?」
振り向いた天音に少女は顔を近付けた。額と額が重なる程の距離で、少女の瞳が天音の瞳を真っ直ぐに見つめている。
「ほら、ワタシが代わってあげる」
――アハハハハハハッッッ!
天音は高笑いを上げた。
「神代さん……?」
「恐怖で気でも触れたかしら? 可哀想に。なら! 今すぐッ! 私が介錯してあげるッ!」
メロディアは剣を振り上げると、無防備な天音へとそれを振り下ろす。
金属がぶつかり合う音が響いた。メロディアが振るった剣は天音の眼前で受け止められていた。
「槍ッ……アームドギアかッ」
「天音はヒーローになる必要なんて無い……強くなる必要なんて無いんだ」
天音はぽつりと呟いた。その瞬間、メロディアの喉元を切っ先が掠める。それは今までとは明らかに違う。明確な殺意を持った一閃だった。メロディアは咄嗟に後ろへと飛び退く。
「神代……さん?」
凪咲は感じた。目の前にいる神代天音は〝神代天音では無い別人〟であると。彼女が今まで見てきた神代天音という人間は、あんなにも他人に冷たい目を向けるような冷酷な人間では無かった。
「あなたは――誰ですか」
凪咲の問いかけに、神代天音の姿をした少女は答えた。
「ワタシは
……To be continued
おまけ
[chapter: 追記:用語集その三]
メロディア・ロア・フエンテ
クレイブソリシュのシンフォギアを纏う少女。
かつてFISに存在した研究機関の被検体。彼女は聖遺物の欠片を身体に宿している。実の姉のように慕っていた友ルイスを喪い生きる希望を失っていたが、施設に訪れたドクターウェルと出会い彼女は彼に恋をした。
施設を脱走してからはドクターウェルの行方を追っており、その時ヴィーデと知り合う。
神代風音 (カミシロ カザネ)
かつて天音が生んだもう一人の自分。
存在意義は天音を守ること。
天音に仇なすものはすべて敵。敵から天音を守る事こそが彼女にとっての「正義」であり、存在意義である。
「秘密の研究機関」
端的に言えば人体と聖遺物との融合を研究していた機関である。(出典:シンフォギアXDU)
別の平行世界ではNEXTと呼ばれた研究機関がそれにあたる。F.I.S.の解体に伴ってその存在は完全に抹消された。
その研究内容から、ドクターウェルもこの機関に深く関わっていた。
「ヒーローになりたかったわけ」
弱い自分を隠すため。根底にあるのは恐れ。
恐怖。
いつしか少女は心を隠す仮面を被った。
第2世代シンフォギアの型式番号
NGSG-r01-Amenohabaya
第一号天羽々矢
NGSG-r02-Brionac
第二号ブリューナク
NGSG-xXX-Claidheamh Soluis
クレイブソリシュ