この物語が、どう転ぶかは品川京介の選択が左右する。
プロローグ
僕は、君のことが好きだった。
素直になれていたら、君に好きだと言えていたらこんな未来にはならなかったのだろうか。
今僕の目の前には君の、いや正確には君という魂の抜けた肉体が横になっている。辺りには君を彩るかのように花が飾られ、まるでこの世からいなくなれたことを祝うかのようにお経が響き渡っている。
もし、もう一度、たった一度でいい、君と会えるのなら君に好きだと伝えたい。
第1章
「今日から夏休みだけど、お前ら羽目外しすぎるなよー!」
担任から夏休みを告げられたクラスは騒然となっていた。あちらこちらで、放課後打ち上げを行おうなどとレベルの高い奴らがはしゃいでいる。
僕は、このクラスで最弱のレベル1だ。クラスでこの【打ち上げ】に参加するには最低でもレベル2はいるだろう。
クラスの中心グループに位置する奴はレベル20〜99。
少数のグループで趣味を共通しあってる奴らはレベル2〜19。
何をするにも1人のやつは、正確には僕だけだがレベル1。
こんな風に僕はクラスの奴らにレベルをつけていた。
「なぁ、どーする。品川のやつ誘うか?」
「おい、あんま大きな声でいうなよ!聞こえるだろ!まぁなぁなぁにすりゃついては来ないだろ!」
こんな風に、僕はクラスからも厄介者にされていた。友達が欲しいと思ったことのない俺は、一人で生活することに苦を感じていなかった。むしろ、集団で行動することこそが俺には息苦しさを感じさせていた。
そんな考えで、高校2年の夏休みまで生活してきたらこのように周りから煙たがられる存在になっていたわけだ。
(帰るか。)
僕は机の横に引っ掛けたリュックサックを手に取り、教室を後にしようとした。
「ちょ!ちょちょちょ!!品川君!これからクラスみんなで打ち上げするんだから来てよ!」
僕が背負っていたリュックが、勢いよく教室内に引き戻されると同時に千葉明日花(ちばあすか)が耳元で叫んできた。
「いや、いいよ僕は。今日用事もあるし、クラスの打ち上げはレベルのたか、、、みんなで楽しんで。」
姿勢を整え、教室を後にしようとしたがリュックが動かない。まるで後ろから、霊長類最強の何かに掴まれているかのような感覚に陥った。
「あの、離してくれません?」
恐る恐る僕は、千葉さんに対して話しかけた。これは僕から初めて、千葉さんに話しかけた言葉になった。
「久しぶりに品川君の方から口開いてくれたと思ったら、『あの、離してくれません?』なんてあんまりでしょ!とにかく、品川君が観念して行くと言うまでは離しません!」
千葉さんは僕に対していつもうるさい。いや、決して悪い人ではないのは分かっていた。でも僕が千葉さんといることを周りは好ましく思っていなかった。
僕と千葉さんはかけ離れた存在で、決して交わることのないレベルだからだ。僕は1、千葉さんは100をゆうに越していて誰とでも分け隔てなく話せるような人であった。
「なんかまた難しいこと考えてるでしょ!いつもいつも頭の中で自分1人で考えてるけど、そんなことせずに誘われたら行くって感じで軽く生きてこうよ!」
そういうと、僕の服を引っ張りレベル99の集団の中心へと放り出した。
「ということで品川君も行くことになりましたー!文句ある人いる??」
「いや、明日花がいうならうちはいいけど。」
「まぁ俺も、別にいやとは言ってねーしぃ。」
さっきまで僕を誘うことを嫌がっていた奴らが掌を返したように丸まった。
(千葉さんは本当にすごい存在だ。)
「じゃー決まり。さっそくカラ城にいくぞー!」
こうして僕は、レベル2になった。いや正しくは、1.5か。
パソコンが壊れて、新しい物語を書くことになりました泣。