WHITE×CAT   作:ちゅーに菌

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どうもちゅーに菌or病魔です。


ゾルディック家

 

 

 

 ゴンはクートが連れてきたスタッフの一次試験の試験官を務めたサトツから、ハンターライセンスについての説明を受けた後、最終試験で301番ギタラクル――イルミ=ゾルディックがキルアに脅迫に近い問答を掛け、結果的に試験自体を辞退して、そのまま消えてしまったことを知り、怒りに燃えていた。

 

 ハンターライセンスについての最終説明を受けるため、合格者は講堂に集められているので、ゴンはそこに向かう。

 

「残念ね。ピトーと遊んであげてないで、私がその場に居合わせれば、イルミの首を引き千切ってから繋げ治してあげたのに……私の許可なくゴンを殺すだなんて、冗談だとしても思い上がりが(はなは)だしいわ」

 

 付け加えて、"後で見かけたらキツいお灸を据えておくわね"等と言ってゴンの隣を歩いている女性――クート・ジュゼルのことは、今は気にせず、ゴンは大切な友人のために動くのだった。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「……イルミはもういない? ビーンズ、それはどういうことなのかしっかり説明してくれるわよね?」

 

「は、はいぃ! 仕事の都合で交付を早めて欲しいとのことで、先に個別で説明を受けてお帰りになり――」

 

「そんなもの私から逃げるための真っ赤な嘘に決まってるでしょう? 気を利かせて、私が来るまで止めてなさい。使えないソラマメね」

 

「うわぁぁ!?」

 

「うぉっと!?」

 

 講堂に入るなり、どこにもイルミが見当たらなかったため、クートは真っ先にスタッフの中で一番戦闘力のないビーンズの首を掴んで浮かせて話を聞き、聞き終わると、ブハラの腹に向かってビーンズを投げつけた。

 

「そうなんだ……でもどうしよう。キルアが行く場所なんて知らないし」

 

「パドキア共和国のデントラ地区にあるククルーマウンテンよ。ゾルディック家の住処はその頂上にあるから、彼が帰ったのならそこに向かう筈だわ。ちなみにここからだとだいたい、飛行船と電車で3日でつくわね。最寄り駅からは山景巡りの定期バスが出てるけど、日に一本しかないから時間帯に注意よ。ゴンはどうする?」

 

「キルアは俺の友達だ! 絶対に連れ戻す!」

 

「いいわ……その目……この心意気……流石はあの人の子ね」

 

(な、なぁ……ピトー? なんであんなにゴンと女性のクートさんは親しげなんだ?)

 

(そんなの僕が聞きたいよ……ゴンの隣にいると何故か主様、無茶苦茶大人しくなるし……)

 

(なんというか……似てるんじゃないか? ゴンとクートさんの中身が)

 

(いや、どこがだよ!?)

 

(…………自分をまるで曲げないところと、時々他人の話を聞かず周りが見えなくなるところとか)

 

(………………ああ)

 

 最初の頃の様子は何処へやら、すっかりレオリオとクラピカに打ち解けたピトーは、ライセンスの説明を受けなから、三人で集まって小声で話していた。キルアのことは当然、大事だが、それと同じぐらいクートの様子も気掛かりである。ちなみにハンター協会からクートについての説明は特にないため、二人は何も知り得ない。

 

(というか、ピトーは女性なクートさんについて何か知ってるよな!? 教えてくれよ!)

 

(…………それは……ああ、うん。確かにこれは念知らなきゃ絶対に話せないわ)

 

(なんだって?)

 

(なんでもない。ちょっと今は話せないよ。でも、いつか必ず話すから)

 

 "というか、わかんないものなー"とピトーは遠い目で、前の方の席に二人で座っているゴンとクートを眺めた。

 

「あら? 寝癖ついてるわよ寝坊助さん。仕方ないわね、直してあげる」

 

「あ、ゴメン。ありがとうクートさん」

 

「別にいいわよ。それよりゴン大丈夫? 行く前にハンカチとティッシュは持った?」

 

「なんで? 持ってないよ?」

 

「もう、ダメじゃない。お――私のをあげるわ」

 

(…………あれ、絶対まだ何かとんでもないことを隠してるよ……)

 

 ピトーはそのことに気づかないようにしながら、ハンターライセンスの説明を聞き流して、更に遠い目をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハンターライセンスを取得したイルミは、一旦実家へと戻っていた。とは言っても、報告や仕事の諸々でいるだけであり、またすぐに実家を発つ予定なので、ゴンやクートとこれ以上関わることは暫くはないと考えていた――その矢先である。

 

「――――」

 

 ぞわりと。イルミの背筋を撫でるように自身が知りうる最凶最悪の念能力者のオーラが一瞬だけ通り過ぎたこと感じ、辺りを見回すが、特に変わった様子はない。

 

 そのことを確認した直後――。

 

 屋敷の外で重い衝突音が響き渡り、屋敷が僅かに揺れると共に発生した衝撃波による大音響が一面の窓を割り尽くした。

 

「………………は?」

 

 状況を確認するため、屋敷の外を確認すると、イルミは思わず、呆けた声を上げてしまう。

 

 何せ屋敷の外に天を貫くように突き立っていたそれは――ゾルディック家の玄関と言える"片側の試しの門の扉"そのものであったからだ。

 

 こんな馬鹿げたことが可能で、特に理由もなくこんなことをしてしまう人間のような何かを、イルミはひとりだけ心当たりがあった。

 

 放心していると、よく見れば試しの門に斬りつけられて付けられたような文字が書いてあることに気がつき、イルミはそれを読む。

 

 そこにはただ一言――"逃げるな"と刻まれていた。

 

 

 

「ごきげんよう、イルミ」

 

 

 

 そして、彼の知る絶望の形――幼少時代に幾度となくトラウマを植え付けた女性人格のクート・ジュゼルが、突き立った試しの門の先端に立っており、絶対零度の微笑を浮かべてイルミを見下ろしていた。

 

 事の発端は数分前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ククルーマウンテンの麓より更に前。黄泉への扉と民間には呼ばれている巨大な壁の前でゴン、レオリオ、クラピカ、そしてクートとピトーは、ミケの掃除夫のゼブロのいる守衛室のような場所にいた。クートはゼブロとは数少ないゾルディック家の客人として顔見知りらしく、そこで話を聞くことになったのである。

 

 そして、実際にミケに喰い殺される人間を目にし、侵入者用の扉と、試しの門のことを聞き、ゴンは眉間にシワを寄せて呟く。

 

「うーん、気に入らないなー」

 

「どういうことかしら?」

 

 クートの問いに、ゴンは当然と言った様子で話す。

 

「友達に会いに来ただけなのに試されるなんてまっぴらだから、俺は侵入者でいいよ」

 

「――――! ええ、そうね。それは当然だわ。なら……邪魔だから退けてくるわ」

 

 クートはゼブロの制止を意に介すことすらせず、侵入者用の扉の前に立つと蹴りを入れた。それだけで侵入者用の扉はひしゃげて吹き飛ぶ。そして、クートはその中に入って行った。

 

 その直後、悲鳴のような獣の鳴き声が響き渡り、更にその後で試しの門の上から青黒い巨大な魔物のような獣が飛び出して、地面に叩き付けられ、数バウンドしてから止まる。

 

 僅かに痙攣している獣――ミケは一撃で意識を刈り取られて気絶している様子だった。

 

「終わったわ。これで3日はマトモに動けない筈よ」

 

「ミ、ミケー!?」

 

 そう言いながら侵入者用の扉があった場所を通って戻ってくるクート。ミケに駆け寄るゼブロを気にした様子は特にはなかった。

 

「あ、そうだわ」

 

 そして、クートは何か思い立ったのかそう言うと、試しの門の前に立った。それから両手を添えてオーラと共に力の限り抉じ開ける。

 

「ちょ、ちょっと……クートさん旦那様を呼びますので待っ――」

 

 次の瞬間、試しの門は第七の扉まで開き切り、それでも尚余り過ぎた力は、試しの門の蝶番機構に圧倒的な負荷を掛け、異様に軋む音を立て――。

 

 破壊音と共に第七の扉の蝶番機構が破壊されて内側に試しの門が倒れ込んだ。第七までの試しの門の総重量508トンであり、それが2枚折り重なるように中心にいるクートへと倒れる。

 

 唖然とする面々。その中でピトーは"素の主様にも出来るのだろうか?"と誰に問うわけでもない疑問を呈していた。

 

「クートさん!?」

 

 ゆっくりと倒れてくる試しの門の扉。潰される位置にいるクートにゴンが声を掛ける。

 

 

「"幻想虎徹(イマジンブレード)"――LV3」

 

 

 その言葉と共に、クートの片腕がブレる。次の瞬間、片側の試しの門が粉々に斬り刻まれた。一瞬で一抱え程のサイズに分割された鉄屑はクートを避けるように地面に積もる。

 

 そして、クートを見れば、片腕が剣と一体化しており、肘の辺りから異様な光沢を帯びた幅の広い剣が生え、全体的には魔物のような異形の腕を持った姿に変わっていた。

 

 その中でも特徴的な点は二点あり、ひとつ目は一体化した肩に巨大な目玉があり、ギョロギョロと辺りを見回している。ふたつ目は肩の背面からクートの身の丈以上の長さがある悪魔のような腕が生えていることだった。

 

 そして、クートは右肩から生える悪魔のような腕で倒れ込んでくるもう片方の試しの門の扉を掴む。それにより、総重量508トンの金属の塊は完全に動きを止めた。

 

「あ、主様……なぜいきなりLV3を?」

 

「だってLV3でもないと……こんなに華奢な体の私じゃ、これを投げられないじゃない?」

 

「え……?」

 

 その言葉の後、悪魔のような腕が膨張し、血管が浮き出る。更に筋肉の動きが目に見えて激しくなり、力が加わると共に再び試しの門の扉が動き出し――地面から1mほどの高さまで持ち上がった。

 

 その状態でクートは円を発動する。それはソナーのようにたった一度だけ円形に飛ばされたものであり、それゆえにククルーマウンテンの頂上まで到達し、大まかな位置情報がクートに入る。

 

「今屋敷にいるわね」

 

 クートは笑みを浮かべてポツリと呟くと、ゴンとクラピカとレオリオの方に向き直る。そして、これまで幾度とあった尋常ならざるクートの光景の中でも、特におぞましい状況に言葉を失っている三人に対してクートは"いい状況だし、もういいわよね"と呟いてから口を開く。

 

「これが、ハンターになった貴方たちがこれから見る新しい世界――念能力よ。私がこれまでしてきたことは、だいたいその一言で説明が付くわ」

 

「念能力……?」

 

「なんだそりゃ……」

「ええ、念とはどこにでもある本来はありふれた力で、万物に宿る生命エネルギーそのもの。私の剣も不死身の体も全部そう。こうして、超能力あるいは化け物のような力を使えるようになるの」

 

 言っていることは子供の戯れ言に近いため、到底普通ならば言われようとも、信じられるような話の内容ではない。しかし、第七の扉までの試しの門の扉の片方を、おぞましい異形の腕で持ち上げているクートの言葉を信じない理由がなかった。

 

「それを……クモも使えるというのか?」

 

「ええ、前も言ったわね。私ほどじゃないけど、全員それなりの練度で念を極めている達人と思っていいわ。今から常人が念を覚えて9月まで頑張ったところで、到底差を埋めれない程度には強いわよ。向こうはもう、何年も前から念を覚えているベテランですもの。試しの門を開けてる暇なんて、最初からないわ。精々、焦りなさい。無辜で無知な復讐者さん?」

 

「な……」

 

 それだけ言うと、クートは悪魔のような腕で試しの門の扉を更に持ち上げて、大きく腕を引き絞った。

 

「ああ、そうそう。念の習得には師を必要とするわ。独学でやっても決して成功することはないのよ。馬鹿な気は起こさないことね。ピトー、ゴンのこと頼むわ」

 

 その直後、轟音と共に試しの門の扉が投擲され、ミサイルか何かのように弾道を描いてククルーマウンテンの山頂へと飛び、十数秒後にここからでもわかるほどの重低音を響かせて直撃した。

 

「…………あれ? クートさんは?」

 

「投げた瞬間、今の扉に乗って行ったニャ」

 

 そう言いながらピトーはふと考えた。

 

(口は悪いし、態度もデカいし、やることも突拍子もなくて派手だけど……クラピカのこと相当気にしてるよね)

 

 ピトーの脳裏には"根っこの方は同じ"というネテロ会長が言っていたことを思い出した。そして、ピトーに対して明らかな愛情を向けていることを思い返す。

 

「今度、ちゃんと向き合って話してみようかな」

 

 クートを戻すにしても、しばらくそのままだとしても、そうしなければ何も始まらないと思い立ち、ピトーは決心を固めつつ、ゴンを先頭に試しの門の跡地を通って、ゾルディック家の敷地内に入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜。ゴンらが執事の屋敷にいる頃。クートは銀髪の長い髪をした筋骨隆々の男――現ゾルディック当主シルバ=ゾルディックの前にいた。

 

 互いにテーブルを挟んで座っており、先に口を開いたのはシルバの方であった。

 

「随分、久し振りだな。盗賊クート」

 

「……? 忘れたのかしら、つい2ヶ月前にも会ったわよ。貴方にはそんなに長く感じたの?」

 

「ああ、こっちの話だ」

 

 脚を組み、頬杖をついて笑みを浮かべているクートは心底愉しそうに目の端を歪めながら口を開く。

 

「イルミの奴。ゴン=フリークスを殺そうとしたけど、他は何も知らなかったみたいだったから、とりあえず半殺しで許してやったわ」

 

「イルミの全身の半分の骨を折ったから半殺しか」

 

「わかりやすいでしょ? 体の骨は200本から206本って言われてるから103本折ってみたわ。G・B(ゴッド・ブレス)で治療しながら折ったから、結構綺麗に折れてたと思う。少しは拷問を耐える訓練になったかしらね?」

 

「………………」

 

 それを聞いたシルバは黙って少し目を閉じる。そして、再び瞼を開くとクートを見据えて口を開いた。

 

「人をあまり殺さなくなったんだな。ここに来るまでに執事を含めて死者を誰も出していない」

 

「うふふ、温くなったかしらね私。けれど、伴侶に余り殺すなって言った手前、手本になる行動を心掛けなきゃならないのよ。だからピトーと一緒にいる限りは、大人しくするわ」

 

「執事からの報告にあった猫の魔獣か」

 

「ええ! ええ! 可愛いでしょう? 私の自慢の猫! 素敵な妻よ!」

 

 ピトーのことを語るクートの表情はとても柔和なもので、何よりも大切にしている者のことを語っているという様子が見て取れた。

 

「ああ、そうそう。気分で門を壊しちゃったから、弁償するわ」

 

 そう言ってクートは部屋の隅に置いてあるキャディバックから、ペンと小切手を取り出し、金額を書くとシルバに手渡した。それを受け取って数字をシルバは溜め息を吐いて口を開く。

 

「ゼロが二桁多いぞ」

 

「そう? 貴方とは長い付き合いだし、ゾルディック家にはお世話になってるから、それぐらい別にいいわよ?」

 

「お前が戻った後に問題になるから消してくれ」

 

 "ワガママねぇ"と言ってクートはシルバから戻された小切手を破り、新たな小切手に指定された金額を書くと再びシルバに手渡した。

 

「他に何か変わったことはあるか?」

 

「そうだわ! シルバ! ピトーと子供を作る約束をしたの! 何人作ろうかしら? 私、ラグビーチームが作れるぐらい欲しいわ!」

 

「ほう、子供か……」

 

 その言葉を聞いたシルバの目の色が変わった。

 

「女児が産まれたら、この家に嫁がせる気はないか?」

 

「そうね。貴方とはお友達ですし、悪くないかも知れないわ」

 

 その返しにシルバは少し笑みを浮かべる。そのうちに何か思い付いたような表情になると、それとなくクートに語り掛けた。

 

「ところで、クート。子を産むのはお前ではなく、妻の方だろ?」

 

「何言ってるの? 当たり前じゃない」

 

「そうか。しかし、クート。それなら子作りをするとなると、男の姿にならなければならんな」

 

「んー、それもそうね。えいっ」

 

 "ぽんっ"と音が出ると共に、手品用の白煙のような量と質の煙が上がり、クートの全身を覆い隠す。

 

 そして、白煙が晴れるとそこには――全ての感情を失ったかのような表情をしたまま固まっている男性のクートの姿があった。

 

 そんな様子のクートを見て、思わずシルバは吹き出しながら、一言呟く。

 

「お帰り、クート」

 

「……………………お、お――おぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!?」

 

 次の瞬間、クートは叫びながら椅子から崩れ落ちる。そして、そのままキャディバックが置いてある方の四隅に移動すると、体育座りになり、床の染みを見つめたまま動かなくなった。

 

「死にたい……」

 

「お前、女の時の行動や思考を全て主観的に記憶しているんだったな」

 

 女性人格のときに人に言ったこと、したこと、考えたこと等々全てをクートはビデオ映像の如く、鮮明に覚えているのである。そのため、戻る度に元々小心者で優しい性格をしているクートの心にあらゆる大打撃が起こり、このようになるのであった。

 

「依頼出すからもう俺を殺してシルバ……」

 

「悪いな。家はクートの暗殺依頼はお断りなんだ」

 

 そう言ってシルバはその一帯だけオーラが澱んでいる体育座りのクートの隣に立つと再び口を開く。

 

「よかったじゃないかクート」

 

「なにも……なにもよくねぇよ……ピトー、ゴンくん、クラピカくん、レオリオくん、ヒソカくん、ネテロ会長、ビーンズくん、イルミくん、ゼブロさん、ミケ、試しの門と屋敷の窓ガラス……うぅ……どこから謝りに行こう……まずイルミくんを治さなきゃ――」

 

「やっと、オンオフを当面は自由に切り替える方法ができて」

 

「……………………え?」

 

「ああ、ゾルディック家で起きた今回の件は全て、女児が産まれたら、こちらの家に嫁がせて貰えれば結構だ。クククッ……」

 

 そう言ってシルバはさっき受け取った小切手を破ってから、クートの肩を軽く叩き、鼻歌を口ずさむほど心底愉しそうな様子で部屋から出て行った。

 

 クートは数秒間放心した後、やっと気づいたのか、大声を上げ、涙を流して喜ぶ様子がしばらく見られた。

 

 

 






Q:女性のクートの基本的な行動の理由は?
A:思い付いたから

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