とある日常の一節   作:希望光

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どうも希望光です。
えっと、大遅刻のりんりん誕生日回です。
本編どうぞー。


燐子誕生日回:可能性の交錯

 けたましく鳴り響くアラームが起床時刻を告げている。朝か。というか、昨晩寝た記憶がないなぁ……。

 手探りで音源であるスマホを掴んだ俺は、自身の眼前へと手繰り寄せる。

 

「6時……25分……起きるか……」

 

 布団を這い出た俺こと鹿島祐治は、部屋のカーテンを開く。同時に眩い陽光が部屋に差し込んでくる。

 

「今日の東京は快晴、なんて」

 

 大きく欠伸をした俺は、寝巻きを脱ぎ扉のノブに掛けられた衣類に袖を通して行く。

 

「こんなもんかな?」

 

 扉の脇に置かれた姿見越しに自身の様を確かめる。服装は特段問題なし、かな。髪型とか他の支度は下に降りてからだな。

 

「……っと、早めにしないと待たせちゃうな」

 

 足早に自室を後にし、下の階へと降りていく。さーてと、早いとかやって行くかな。燐子さん待たせちゃうと行けないし。

 10月17日に赤丸が付けられたカレンダーを一瞥し、俺は部屋を後にした——

 

 

 

 

 

 支度を終え家を出た俺はさくらトラム、在来線と乗り継いだ。やっぱ都内とは言え真反対側に行くのは時間がかかるね。

 そんな俺が今降り立ったのは秋葉原駅。今日の舞台、だな。

 

「時間としては後5分ぐらいだけど……燐子さん大丈夫かな?」

 

 駅構内にある時計へ視線を向けつつ1人つぶやく。場所指定したのはこっちなんだけど……現地集合にしたのやっぱりヤバかったかな? すごく不安になってきた。冷静に考えると人混みダメって言ってる人間とこんなところで待ち合わせるってアホじゃん。先日の俺、許すまじ。

 

「お、お待たせ……しました」

 

 1人考え事にふけていると、こちらへやってくる1人の女性の姿を捉える。白と黒のロングのワンピースに身を包んだ燐子さんだ。

 

「いえ、俺も今来たところです。それで、えっと……来る時、大丈夫でした?」

「はい……なんとか……」

「なら良かった……じゃあ、行きましょうか」

「はい」

 

 頷いた彼女は右手を差し出してくる。対する俺は左手でその手を取ると、ともに改札外へと出て行く。

 駅を後にした俺達は、まず家電量販店へと赴いた。

 

「えーっと、キーボード見るって言ってましたよね?」

「はい……そろそろ新しいのに買い換えたくて」

「なるほど……俺もそろそろ新しいのに替えようかな」

 

 短い会話の後、PC売り場に足を運び様々な機種に目を通していく。あ、これ俺が使ってるやつの最新機種じゃん。

 

「そういえば燐子さんはなんでキーボードの買い替えの検討を?」

「その……だいぶ使い込んだ影響で……反応しないキーが出てきちゃって……」

「それは確かに買い替えを検討するわ」

「鹿島くんは……なんで……?」

「俺ですか? 俺は、洸夜の奴とFPSやりまくってたら突然キーボードが反応しなくなっちゃったりするようになって……」

 

 洸夜(アイツ)アイツとアホみたいにやってたせいでキーボードおかしくなったんだよな……。時たま射撃ボタン反応しなかったらするから致命的なのよね。

 

「それは……大変ですね」

「本当に……NFOもやる時苦労しますから」

「そういえば……最近あまりログイン……されてませんでしたけど」

「大体キーボードが原因ですね」

 

 というわけで買い替えないとNFOもできないんですよ。ちなみに本日、予算自体はあります。

 

「私……これにしようかな?」

「それって確か、燐子さんが今使ってるのと同じやつでしたっけ?」

「はい……1番手に馴染んでいるので……」

「確かに、それは大事ですもんね。これ、買いますか?」

「そう……ですね」

「了解です。じゃあ、2つ買ってきますね」

「え?」

「え?」

 

 なんか燐子さんに心底不思議そうな顔された。なんかまずいことしたか? 

 

「わ、私の分まで……払うんですか?」

「そのつもりですけど……」

「そ、そんな……悪いです……」

「いやいや、普段お世話になってるお礼ですから」

「でもやっぱり……」

 

 この後互いに食い下がり続け、平行線の問答を20分程この場で行うことになった——

 

 

 

 

 

 あの後、なんとか意見を押し通しキーボード2台を購入して昼食を摂った。それからゲームグッズを見たり古本屋を巡ったりし、今は帰路に着いていた。

 

「その……今日は、ありがとうございます」

「いえ、ほんと気にしないで下さい。俺が好きでやった事なので」

「そうですか……」

「ええ。それに謝らないといけないのは自分の方ですよ。今日の待ち合わせ場所のこと、そして誕生日だとわかっていながらプレゼントを用意してなかったんですから」

 

 今述べた様に、今日が燐子さんの誕生日だと知りながら俺は何も用意していない。

 

「だから、誕生日プレゼントの代わりだと思ってください」

「わかり……ました」

 

 納得したように頷いた燐子さんだったが、不意に足を止める。なんだろう? 

 

「その、鹿島君……す、少し……良いですか?」

「なんでしょうか……」

「その……名前で呼んでも……?」

「下の……ですか?」

「はい……」

「それは……全然構いませんけど……」

 

 え、なに……状況が読めないんだけど……? なんでこうなった? 

 

「その……ありがとうございます……祐治君」

「い、いえ……その燐子さん……えっと、遅くなりましたが誕生日おめでとうございます」

「はい……ありがとうございます」

 

 そう言った彼女は優しく微笑む。それをみて改めて実感した。俺は、彼女のことが好きなんだな、と。

 

「えっと……その……改めて、よろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」

 

 そう言って微笑むと、彼女突然頬を紅潮させ顔を背ける。あれ、またなんかやっちゃいましたか? 

 

「燐子さん、どうかしましたか?」

 

 首を傾げながら彼女の様子を伺っていると、徐に顔を上げた彼女が両手で俺の顔を押さえる。え、え、え? 

 そしてそのまま、俺と燐子さんの唇が触れ合う。暫しの後、離れたところで彼女はぎこちなく微笑む。

 

「その……今日の……お礼です」

 

 その後、彼女を家まで送って行ったのだが何をしたのか、何を話したのかと言ったことを何も覚えていない。

 因みに余談となるがこの次の日、俺は高熱を出して倒れた。いや、あんな……。ほんと……好きです。




閲覧ありがとうございました。
最後に遅ればせながら、燐子誕生日おめでとう!

見たいカップリングとかはありますでしょうか?

  • リサ×ゆき
  • 蘭×モカ
  • リサ×モカ
  • りん×あこ
  • そんなことより本編
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