とある日常の一節   作:希望光

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どうも希望光です。
またしても大遅刻をやらかした友希那の誕生日回です。
本編どうぞ。


友希那誕生日回:繋がるオモイデ

 ——初めて会ったのは、確かCiRCLEのロビーだったか。祐治に助っ人を頼まれ練習するために1人CiRCLEを訪れた時、偶然そこにいた2人組に声をかけた。今思えばそれが全ての始まり、だったのかもしれない。現在の俺を形作る。

 

「音響調整は完璧ね。次、行くわよ」

 

 俺の視線の先でひたすらリハに励むRoseliaのボーカルを見据えながら、1人考えごとをしていた。そんなこと考えるなんてらしくもないな、俺よ。

 

「照明、もう少し弱められる?」

「フロント? それともバック?」

「フロントの方ね」

「了解」

 

 言われた通りに機器を操作し光度を落としていく。こんぐらいで大丈夫かな……? 

 

「2人とも、手元は見える?」

 

 友希那に問われた前2人(紗夜とリサ)は頷く。どうやらここも問題なさそうだな。

 

「終わり、かな?」

「ええ。後は、本番を全力でやるだけよ」

 

 後髪をかきあげた友希那はそのまま踵を返し、部屋の外へと去っていった。それを見送った俺は残ったRoseliaの面々の方へと向き直る。

 

「……それで、今日のライブ後だけど」

「ええ。その手筈で今日まで進めてきたわ」

 

 俺の問いかけに頷く紗夜。Roselia側での準備の方も問題なさそうだな。

 

「というわけだから締めよろしくね〜」

「あー……そうだな……了解」

 

 そうだよ……俺が1番大役じゃねぇか。なんせトリ、だもんな……。

 

「じゃあ、後でね〜」

 

 その場を後にしていく4人を見送った俺は、再度ステージへと視線を向ける。

 

「このステージで、か」

 

 誰もいない空間でこぼした言葉が、1つ響き渡るのだった——

 

 

 

 

 

「——ありがとうございました」

 

 締めの一言で、会場は熱気に包まれる。それほど、彼女達の演奏が場を盛り上げていたということの証明である。

 それらを背に1人舞台袖へと歩んで行く友希那。そこへ静止がかかる。

 

「友希那ー、待って待って」

「何かしら?」

 

 リサに呼び止められた友希那は、手招かれ再びステージの真ん中へと立つ。すると、メンバー達がクラッカーを彼女に向け鳴らした。

 

「「「「誕生日おめでとう(ございます)」」」」

 

 突然の事にその場に立ち尽くす友希那であったが、即座に我に返ると驚きの視線を一同へと向ける。

 

「ど、どういうことなの?」

「サプライズだよー。今日は友希那の誕生日だからね」

「そ、そうだったのね」

 

 リサの言葉を聞き状況を把握した友希那は納得したように頷く。その直後、観客達からもコールが飛んで来る。

 それを聞いた友希那は、マイクを握り客席の方へと向く。

 

「ありがとう。みんなに祝ってもらえて、最高の誕生日だわ」

 

 笑みを浮かべながら、会場全体に謝意を述べる友希那。そんな彼女の傍らに音もなく現れたのは洸夜。

 

「洸夜……?」

「あー、えっと……まず、今回無断で企画した事は謝罪しておくよ……」

「貴方がこれを考えたのね」

「仰る通りでございます。で、えっとその……これを」

 

 歯切れ悪く答えた洸夜は、小さな小包を友希那に差し出す。

 

「誕生日おめでとう」

「これは?」

「俺からの……プレゼント」

 

 差し出された包みを受け取った友希那は、包と洸夜を交互に眺める。

 

「開けても良いのかしら?」

「……どうぞ」

 

 洸夜が頷いたのを確認した友希那は、包みの包装を解き中の箱を開く。それと同時に、口元を抑え驚愕する。

 

「これ……」

「プレゼントです」

 

 視線を逸らしたまま無機質な声で返答する洸夜であったが、その顔は明らかに紅潮していた。

 

「本当に貰ってしまってもいいの? 二度と返さないけれど」

「俺としては……友希那に受け取って……貰えると」

 

 そこまで告げた彼は、両手で顔を覆うとそのまま友希那から体ごと背く。それを見ていた友希那もまた頬を紅潮させる。

 

「やっぱり、そういうこと……なのね」

「はい……」

「そう……」

 

 俯いた友希那は、そのまま洸夜の元へと歩み寄る。そして彼の真正面に立つと、空いている右手で彼の左手を取り顔を覗き込む。

 

「こんな私でよければ、お願いするわ」

 

 微笑んだ友希那は、自身の唇と彼の唇を触れ合うのであった——

 

 

 

 

 

 ——不意に体が重みを感じる。なんだろう……何かが乗っている? 恐る恐る重たい瞼を開くと、そこにあったのは友希那の姿。

 

「……何してるんだ?」

「目覚ましが鳴っているのに起きないから、起こしに来たのよ」

「さいですか……もっと他にあっただろうに」

 

 欠伸をしながら上体を起こす。そして丁度、彼女と向き合う形になる。普段見慣れてるからあまり気にしたことないけど、やっぱりこの歌姫顔が良すぎる。謙遜とかじゃなくて。

 

「人の顔をまじまじと見て何かあったのかしら?」

「いや、相変わらず友希那は可愛いなぁと」

「……貴方って本当にズルいわね」

 

 頬を赤く染めた友希那は、視線を俺から背ける。確かに俺はズルいかもしれないけど、友希那も十分ズルいんだよな。特に今の表情とかさ。

 そんな思考の傍らで、俺は無意識の内に彼女を抱きしめていた。すると、友希那の方もこちらを抱き締め返してくる。

 肌を伝わる彼女の温もりと、柔らかな心拍。それらが何故か心地よく感じた。

 

「友希那、誕生日おめでとう。俺、友希那に出会えて良かったよ」

「ありがとう。私も、洸夜と共にいられることを嬉しく思うわ」

 

 距離を取った後、2人で顔を見合わせ互いに笑う。それとほぼ同時に、彼女が俺の左手を取る。

 

「友希那……?」

 

 唐突な彼女の行いに首を傾げていると、俺の左手の隣に自身の左手を差し出してきた。

 

「夢、じゃないのよね」

 

 互いの左の薬指にはめられた、同じ意匠の白銀のリングを眺めながら言葉を溢す友希那。

 

「ああ。今ここにこうして、いることが何よりの証明だ」

「そうね」

 

 顔を上げた友希那は優しく微笑みかけてくる。過去の彼女からは、想像がつかない程柔らかな笑みで。

 

「それじゃあ、行く準備をしましょうか」

「仰せのままに」

 

 差し出された友希那の手を握り、俺達は寝室を後にするのだった。さてさて、今日は忙しくなるぞ。なんせ、さっきも言ったように歌姫様の誕生日だからね。




遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。
最後に友希那誕生日おめでとう!

見たいカップリングとかはありますでしょうか?

  • リサ×ゆき
  • 蘭×モカ
  • リサ×モカ
  • りん×あこ
  • そんなことより本編
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