希望の象徴   作:英雄願望

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早めにしようとか言ってたのに遅くなってすみません。
今回は原作改変要素は少ないかもしれませんがどうぞ!


8.水難ゾーン

「あれは、(ヴィラン)だ!」

 

相澤先生の発言で焦り、不安、恐怖、様々な感情を見せる生徒たち。そうしている内に1人、2人と次々に黒い霧から人が出てきた。

そして、黒い霧には、黄色い眼光がみえた。

 

「先日頂いた教師陣のカリキュラムでは、オールマイトも居るはずなのですが……」

 

黒い霧の発言。声音からして男性だろう。仮にコイツを黒と名付けよう。黒から発せられた内容に相澤先生は驚いた。

本来、今日ここにオールマイトがいることを知っているのは教師陣とA組生徒のみ。黒の発言通りなら教師側に内通者がいたことになる。

 

「なんで居ないんだよ……大衆引き連れて来たのに、オールマイトが居ないなんて……

………………

 

…………

 

子どもを殺せば来るのかな?」

 

それは、途方もない悪意

黒の隣に居る手を数箇所に付けてる趣味の悪い男。この時、その発言に皆恐怖を覚えた。

 

「バカだろ!?(ヴィラン)雄英に乗り込んでくるなんて!」

 

「侵入者用センサーは?」

 

「現れたのはここだけか、学校全体か……

ともかくセンサーが反応しねぇなら向こうにそういう類の個性があるって事だ。校舎と離れた隔離空間。そこにクラスが入る時間。こいつらはバカだが、アホじゃねぇ。用意周到に計画された奇襲だ。」

 

皆の反応はそれぞれ。

(ヴィラン)の侵入を否定する者も居れば、この異常事態の現状確認及び警戒をする者。更には冷静に状況を把握しようとする者まで様々だ。

 

「13号避難誘導開始!学校に電話試せ!センサーも想定した(ヴィラン)だ。個性で妨害している可能性もある!」

 

「上鳴。お前も個性で連絡試せ!」

 

相澤先生はそう告げると首元のゴーグルを掛けて数十人の(ヴィラン)に突っ込んで行った。

 

今日、出久は初めて理解する。相澤先生の正体と本物の戦闘を……

雄英は全員がプロヒーロー。しかし出久は相澤先生がどう言うヒーローかわからなかった。しかし、首元のゴーグルで判明する。ヒーロー名イレイザーヘッド。見たものの個性を消す!瞬きすると解ける!

 

そう考えている内に相澤先生はどんどん(ヴィラン)を首元にある捕縛武器を用いて蹴散らしていく。相澤先生もヒーロー。有象無象如きに遅れは取らない。それに、あらゆる(ヴィラン)との戦闘を考慮してどんな個性相手でも対応している。

 

生徒たちは相澤先生が作った時間で避難を試みている。A組の委員長がみんなを誘導している。

 

しかし……

 

「そうは、させませんよ」

 

相澤先生の隙を着いて黒が生徒の方へたどり着いた。そして……

 

「我々は(ヴィラン)連合。平和の象徴、オールマイトには息絶えて頂着たいと思いまして。ここには、オールマイトが居るはずなのですが………………

まぁ、それとは別として私の役目はこれです。」

黒は生徒全員を黒い霧で覆った。

……が、勿論最高峰の雄英ヒーロー科。黙ってやられる程腰抜けでは無い。

 

約2名、黒に向かって攻撃した。

1人は、手から爆熱を出しながらもう1人は手を硬化させながら。爆豪と切島だ。しかし、2人の攻撃は呆気なく空へ舞う。

 

「危ない、危ない。子どもと言っても(ヒーロー)の卵」

 

「あなた達!下がりなさい!」

 

「もう、遅いですよ」

 

 

黒は攻撃を避けた瞬間再度覆い辺り一面黒く染った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久は考えていた。(ヴィラン)連合と名乗る奴ら。狙いはオールマイトを殺すこと。ヒーローのTOPを殺すなんて、発言しても行動に移そうとは先ず思わない。相澤先生でも対処出来てる(ヴィラン)が何百居ようとオールマイトには勝てない事ぐらい分かるだろう。なら、それを可能とさせる手段、(ヴィラン)が居るのだろう。

 

そう考えている内に出久も霧により飛ばされていた。

 

「うわぁぁぁぁ」

 

出久が出たのは船が1隻浮かべてある人工的な池だ。

咄嗟のことで受け身も取れず、息も吸えず、池の中へ落ちた。出久は急いでリストバンドのスイッチを切り、水面に浮上しようと試みるが、水中に有利な個性を持った(ヴィラン)達。何か言ってるようだ、水中では声が聞き取りづらく何を言っているか、わからなかった。応戦しようとするが、水中での戦闘は初めてで上手く体が動かない。

防御を試みるが(ヴィラン)の攻撃が来る前に(ヴィラン)が攻撃される。

 

「ケロッ」

 

「ぐぎゃぁ」

 

彼女が(ヴィラン)を遠ざけると口から長い舌を出して出久のお腹に巻き付ける。そのまま船の上に上陸する。

 

「ゲホッ!ゲホッ!……あり、がとう。えっと……」

 

「蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。」

 

「ありがとう、蛙吹さん。」

 

「梅雨ちゃんと呼んで。大変なことになったわね。」

 

「おい!どーすんだよ!(ヴィラン)が攻めてきたんだぞ?呑気に自己紹介してる場合かよ!」

 

もう1人、蛙吹さんが助けたA組の人が居た。身長は低く独特な髪型をしている。

 

「そうだね。それどころじゃないね。(ヴィラン)連合とか言う奴にカリキュラムが割れてた。しかも教師陣から頂いたって言ってた。もしそれが本当ならずっと練にねった計画的犯行。本気で殺しに来たんだよ」

 

「で、でもよ!オールマイトを殺すなんて不可能だろ!」

 

「峰田ちゃん。オールマイトを殺せる算段があるから連中こんな無茶してるじゃないの?」

 

彼は峰田というらいしい。今にも泣き出しそうな顔でこちらを伺っている。

 

「確かに、そんな連中に殺すって、言われたもんね。それに、オールマイトが倒せる相手だとしても、今の僕らには荷が重いだろう。オールマイトが来るとして、僕らはそれ迄持ちこたえられるかどうか………」

 

「お、おおおお、おい!」

 

「だからって、そのままやれるとは限らない。(ヴィラン)連合。聞いた事ない。なのに、これだけの人数で攻めてきた。それに、有名な(ヴィラン)なら、指名手配されてるはず。見た限りじゃそんな(ヴィラン)は1人も居なかった。恐らくどこかのゴロツキやチンピラだろう。なら、僕らの足止め及び殺害を目的としている。なら各地、散らばったみんなも大丈夫だろう。」

 

「そ、そんなこと言って!どーすりゃいいんだよ!」

 

遂に峰田がヤケクソになってキレた。

 

「そのためには先ず、お互いの個性を把握しておこう。あ、あと名前教えて」

 

──と言っても僕は無いし、水中戦も出来ないから戦力外かな

 

「オイラは峰田実。個性は超くっつく……」

 

そういい、頭の髪の毛?のような丸い塊を取って船に当てた。

 

「オイラの個性は戦闘には不向きなんだよ!だから大人しく助けを待とうぜ!」

 

「それじゃあ、次蛙吹さん。」

 

「無視かよ!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで欲しいわ。私の個性は蛙……」

 

説明を聞く限り、蛙が出来る事は大体出来るらしい。

 

「つか、オイラはお前の名前も個性も知らねぇよ!」

 

「あ、そうだったね。僕の名前は緑谷出久。無個性だよ。」

 

「は?」

 

「え?」

 

「この状況を打破するには……」

 

「ちょ!待てよ!じょ、冗談だよな?無個性とか」

 

「そうよ。こんな時に冗談を言ってる場合じゃないわ」

 

「え?本当だよ?」

 

「どーすんだよ!俺の個性は戦闘には向かねぇーし。緑谷は無個性だし、対抗出来んの蛙吹だけじゃねぇーか!」

 

「……待てよ?……おかしい……」

 

「何がおかしいんだよ!」

 

「此処に蛙吹さんがいる事だよ。蛙吹さんがここに居るって事は相手に君達の個性が割れていないってことだよ」

 

「確かにね。個性を知ってるなら私は火災ゾーンへ飛ばされているはず」

 

「だ、だからって、俺たちに何が出来るんだよ!」

 

ドバァァァァ!!!!

 

 

「「「ッ!!?」」」

 

いきなり船が割れた。……いや、(ヴィラン)の攻撃によるものだろう。

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

「ダメだ!」

 

峰田はパニクって自身の個性を使おうとするがすぐ様出久に止められる。

 

「だってぇ!」

 

「そんなことしたら個性がバレる!個性を警戒されたら僕らの勝ち筋は完全に途絶える。」

 

「どうやって勝つんだよ!」

 

「峰田ちゃん。本当にヒーロー科志望で雄英きたの?」

 

先程からの峰田の態度を見る限り蛙吹は疑問に思ったのだろう。

 

「怖くねぇ方がおかしいだろ!この前まで俺たち中学生だったんだぞ!入学して、そうそう殺されるとか誰が思うだよ!!!

あ〜こんなことなら八百万のヤオヨッパイにふれてから!」

 

「大丈夫だよ。(ヴィラン)を倒せないけど行動不能には出来る作戦がある。」

 

「なにいってんだよ!俺たちにどーしろって言うんだよ!」

 

「この作戦の要は君だよ。峰田くん。」

 

「はぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──この方法だけど、どう?」

「そんなことできるのかよ!もし、1つでもミスったら……」

 

「あぁ、これは時間との勝負でもあるからね迅速に決める。それに、万が一失敗しても僕が何とかするよ」

 

 

 

こうして、作戦を実行する準備が整った。

 

 

「クククッもう30秒もしない内に沈む。俺達の勝ちだ。」

 

隠れているつもりだろうが、チビ(峰田)の特徴的な頭が丸見えになっている。視認させないつもりだろうが見えてる事に笑いながら時を待っていた(ヴィラン)だったが……

 

 

ドガーンッ!!!

 

「はぁ!」

 

いきなり船が大爆発した。

3人の姿は確認されてない。ということは?

 

「アハハッ!自爆しやがった!こんな船の爆発で俺らを倒せると思って船と心中しやがった!」

 

(ヴィラン)達は馬鹿だと笑いながら沈んでいく船を見ていた。

 

すると

 

ペタッ!

 

顔に何かがくっついた。手で取ろうにも全然取れねぇ何かが……

 

 

「なんだこれ?ッチ!取れねぇ!」

 

「どーなってやがる!」

 

1人、また1人とどんどん体に付けられていく謎の球体。咄嗟に手で取ろうとして動きが封じられていき後半になると触ろうとしない者が現れるが更にくっ付けて動きを封じる。

 

そう。峰田実の個性だ。半分強引に初見殺しの作戦とは呼べないが、(ヴィラン)を文字通り行動不能にしていく。

 

「やったぜ!緑谷の言う通り上手くいった!」

 

「凄いわね緑谷ちゃん。」

 

「2人のおかげだよ作戦がうまく行ったのは」

 

作戦。それは……

 

「先ず蛙吹さんの粘液で船の精密機械の破壊。それによって生じる爆発で船を破壊(ヴィラン)を油断させる。その間に2人は(ヴィラン)が作った亀裂から水中に避難。爆発で近づけないから気づかれないと思う。そのまま爆煙に隠れて峰田君の個性を(ヴィラン)に当てる。なるべく顔周辺が望ましい。」

 

「ちょっ、ちょっと待て!それじゃあ緑谷は何するんだよ!蛙吹は2人も居ねぇよ!粘液だすのと俺と一緒に行くやつどーするんだよ!」

 

「蛙吹さんが粘液をここで出して、僕がそれを持っていく。」

 

「そんなことしたら、緑谷お前……」

 

「死なないよ。僕は」

 

「でも、危険だわ」

 

「それしかない。僕が思いつくのはこの方法だけど、どう?……」

 

 

 

 

 

 

「早く、ここから逃げようぜ!」

 

「うん」

 

すぐに水から上がろうとした時!

 

 

「まぁ、待てよ」

 

現れたのは亀の甲羅を人が背負ったような(ヴィラン)だ。

イメージとしては、若い亀〇人だ。

 

「俺以外は全員動けねぇが、俺は違う。俺は少し警戒心が強いんでね。爆発が起きた瞬間、不安になったよ。お前らがタダで死ぬわけないからな」

 

「ま、まだ残ってた……」

 

峰田が取り乱す中、蛙吹と出久は(ヴィラン)の行動を窺っている。

 

「俺の個性は亀。お前に当てられた玉は甲羅でガードして脱皮すればどーとでもなったぜ」

 

自身の個性をよく知ってる。力をひけらかしたいチンピラとは違うのだろう。

 

「てめぇらの攻撃じゃ、傷一つつけることも出来ねぇし、水中戦でも俺に部がある」

 

「それはどうかな?」

「はぁ?」

 

「だって亀でしょ?」

 

 

始まった。出久の挑発が。相手が単純なほど、馬鹿なほど怒り、周りが見えなくなる。

 

「亀って水の中でも陸の上でも速さもさほど変わらないし甲羅は硬いけどそれ以外はそうでも無い。君程度なら、個性使わなくても勝てるよ」

 

「雄英だからって、調子乗ってんじゃねぇよ!!!!!」

 

高速接近してくる(ヴィラン)、出久の背には壁がある。どう頑張っても逃げれない。峰田と蛙吹は陸に上がってるが出久だけは水中に居る。

 

「俺を甘く見たことを後悔しろ!!!」

 

「甘く見てないよ。君が弱いだけだから」

 

次の瞬間(ヴィラン)が突っ込んで来たところを捕まえて絞め技で血管を締め付け、気絶させた。タダのチンピラではないが所詮は用心深い雑魚でしかなかった。

 

「よし。」

 

「よ、よし。じゃねぇよ!どうやったらアイツを正面から倒せんだよ!」

 

「怒ったら攻撃が単調になりやすいから動きも読みやすい。だから、単調な(ザコ)相手に負ける事は無いよ」

 

「す、凄いわね緑谷ちゃん。」

 

「まだまだだよ。それに、ここをクリアしてもまだ終わってない。」

 

出久はそう言って相澤先生の所を見つめていた。

 

「ええ、そうね」

 

「も、もういいじゃねぇかよ!」

 

こうして、3人は水難ゾーンを抜け、セントラル広場へと向かった。




今回も量的にいえば多かったと思います。ですが、まとまりが無いような感じでした。補足説明が抜けてたり、分かりにくいところがあるかもしれません。そうであれば感想の方で、もしくは、誤字脱字報告で修正を入れてみてください。参考にしたいのと、皆様の意見を聞きたいのでよろしくお願いします!

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