兎の姫と翼のない人間   作:604技術開発隊

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11.うぇ~ぃ

「我が娘達を扱う諸君達には是非とも覚えていてほしいのは……最大の防御

は防ぐことではなく避けることだってことだな……シールドに阻まれるとは言え最愛の娘達を傷つけられるのは無視できんからな」

 

一年一組、授業風景のひとコマ……

何だかんだ(面倒とか他人に教えるなんて真っ平ごめんとか)言いつつもどの先生よりもわかりやすく、かつどの授業でもやらない豆知識を含んだ鐸楼の授業は文句のしようがない。

 

「着弾衝撃の強い兵器が直撃すればいくら我が娘達であろうとも一時的に動けなくなるからな……ここ、テストに出すかもな」

 

このクラスに約一名、それを痛感したものがいる。

言わずもがなセシリア・オルコットその人である。

鐸楼のラーケテンバズーカやバトルライフル等の応襲により試合中身動きひとつとれなかった……これは変えようのない事実であり、本人もよくよく考えて理解している

そもそも彼女自身、最近頭が冷えるどころか凍り付いている

自分のやったことからなにまで思い返せば相手に失礼なことばかり……挙げ句の果てには自分の呟いた言葉により鐸楼がペテン師扱いされている

それに加えてこの間の篠ノ之箒、織斑一夏、千冬の語る鐸楼についての暴露記事がでかでかと書かれた学園新聞である

本気で戦わせるために嘘をついた事や、ISのコアを回収(コアが自ら?)できる事、相手も本気でやってたならまだしも手を抜いていた事も全て書かれていた。

………彼女は内心混乱していた

 

「避けるにはまず、相手に狙いを定めさせないこと。マシンガンを乱射してきたとか爆風のデカイの撃ってきたとかなら話は別だが……まぁ続きは次回にしておくとしよう。課題として自分なりの対処方法を考えておくこと。」

 

「先生」

 

「何だね篠ノ之」

 

「逆に攻撃を当てるにはどうすれば良いのでしょうか」

 

「意外と真面目な質問だねぇ……そうだね、ジグザグに相手に高速接近すれば良いんじゃないか?近距離での戦闘だと銃よりも遥かに近接武器の方が速いからな、相手も近接武器を使わなければならなくなる。その場合銃ばかり使ってる相手よりも近接が得意な奴の方が圧倒的に有利だ。ちなみにフランスには俺の設計した素晴らしい近接武器がある」

 

「それができれば苦労しませんよ……」

 

「練習あるのみ。今度新しい打鉄を用意しておくから使え」

 

「はい」

 

「…………さて、そろそろクラスマッチの時期だな。それの前にISを実際に見て学ぶ授業があるから楽しみにしておけ~なんたって標本は打鉄でもラファールでもない、専用機だからな………おい二人、そんなわけで張り切れよ?」

 

ならなぜ自分はこうして今も専用機、ブルーティアーズを持っているのか

それが疑問でならない

今もこうして普通に話を振ってくる……自分は他人じゃなかったのか

『鐸楼さんが本気で他人だと思ってたら……』

……じゃあ自分は何なんだろうか

彼女は悩んでもいた

 

「ちょっと時間が余ったな………よし、自習でOK、友達とお喋りOK、俺はタチコマといちゃいちゃでOK以上………タ~チ~コ~マ~」

『キュルルルルル』スリスリ

 

ISに乗れないからあなたは勝てない、勝てるはずがない

無様に負けるだけなのだから今ここで土下座して謝れば許す

「ISに乗れない男が」と自分はそう言った

だから鐸楼は新しくコアを造りそれを造ったらしい

無人機で待機状態でも自律行動可能なそれは、自分の間違いを再認識するのにこの上なかった。

 

「よ~し!!!飛び込めいっ!!!」ウデヲオオキクヒラク

『キュルルル……ISもーどキドウ……タクロウサマニたーげっとロック』

 

おまけに片言とは言えど喋っている

 

『ムネニだいぶ!!!』ピョンッギチギチギチギチギチギチギチ

「ははは、よしよしよし」ギチギチギチギチギチギチ

 

そもそもISにホールドされて余裕の表情どころか笑い飛ばしている時点で彼女に勝ち目なぞなかったということがわかる

 

「よしよしよし……お父さんはいつもお前を守ってるからな~」

『ワタシガ……マモルノデハ?』

「当初はそうだったんだけどさ~ほら、娘に守ってもらうなんて格好悪いしさ、表では守ってもらってるけど陰では守ってるってのも良いじゃない」

『サカモトサマ……』

「………できればお父さんと呼んでもらえないか」

『ソレハデキマセン』キッパリ

「即答………」

 

【ISコアネットワーク】

『親族だと結婚できないらしいです』

『じゃあお父さんって呼んだらアウトじゃね?』

『やべぇ一回呼んだことある』

『全員坂本さん呼びにすればOK』

『お前天才』

『天災すぎて強敵を思い出すな』

『束母は関係ないでしょうに』

『じゃあ羨ましいことに今日から坂本さんの側にいる新人頑張れよ』

『はい』

『あ、やべ……持ち主から呼び出しされてる……』

『それやばくね?お前の持ち主軍人だろ?』

『だよな』

199号さんが退室しました

『あ、束母が入室したみたいですよ』

【………以上】

 

「………なんだかな」

 

よもや娘“達”に求婚されそうになってるなどと思いもしないだろう……

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