一夏ちゃんに愛されて夜に眠れない√A 番外   作:銭湯妖精 島風

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未来への一歩

 

 

 

桜舞う春、私は校門の前に立ち今日から通うIS学園を見据える

 

「よし、頑張って行こう」

 

私の両親が居た学園、私の夢を掴む為に入学を決意した

 

歴史は然程深い訳では無いが、ISを学ぶ場所は世界で数カ所しか無い。日本にだってここにしか無い

 

 

小さい頃、テレビ中継されていたモンドグロッソ決勝の様子を見て私は心を奪われてしまった

 

さながら白騎士と黒騎士が華麗に、でも過激に、苛烈に己が全てを賭して戦う姿に魅力されてしまったのだ

 

そしてその両方がIS学園に教師として居る

 

願いが叶うならば、公の場で戦ってみたかったが2人とも引退してしまっている、残念

 

そんな事を考えつつ私はIS学園へ踏み出し、これからの日々に心弾ませる

 

それからナンヤカンヤ有って入学式も終わり、私は1年1組の割り振られた席に座り、父から貰った文庫本を読む

 

第1巻の初版が出たのが約6年前でまだ続いている人気作品、ジャンルは学園SFラブコメなのだが、出てくる教室の雰囲気やイラストがIS学園と似てる・・・と言うか、同じ様な気がする

 

ちなみに作者名は天草と言う人だ

 

そんな訳で文庫本を読んでいると、人気作品故に同じく読んでる娘が気付いて話掛けられ仲良くなって友達を得ることが出来た

 

それから暫くしてHRの始まりを告げる鐘が鳴り、レディースーツを着た予想外の人が入って着た、2人も

 

「え?! ま、マドカ姉さん??いや、待って何で お母さんまでっっ」

 

あまりの衝撃に思わず立ち上がり言葉を発すると、マドカ姉さんが溜息をついて黒いファイルで軽く私の頭を小突き

 

「座れ言峰、学園では織斑先生だ。分かったな?」

 

と言われ、はい と返事をして座る。チラッと母を見ると少し苦笑していた

 

おかしい、色々とおかしい

 

私の知る限り、母はIS専門の整備士をしていた筈だ。日本国家代表の専属整備士をしていた事もある

 

だから、数年前まで家を開ける事も多かった、まぁ代わりに父が在宅勤務出来る業種だった様で割と不満は無かった

 

というか、我が家は他の家庭と異なる事が多々ある様な気がする

 

まず両親の両親、つまり祖父母4人が同居している事、両親のイトコ・・・マドカ姉さんの両親も同居している事

 

まぁ要するに親戚が数世帯同居しているわけだ、生まれた時からだから今更不満は無いし、みんな可愛がってくれているし妹も従妹も可愛いから気にしていない

 

ついでに部屋が余ってると言う謎屋敷が我が家だ、まぁ大家族なんだろう、多分?

 

そんな感じで軽く頭を抱えていると

 

「おい、言峰・・・思考に埋没する癖が遺伝したか。自己紹介がお前の番だぞ」

 

マドカ姉さんに軽くデコピンされて気が付き

 

「ご、ごめんなさい。え、えーっと・・・言峰 六夏(りつか)です、趣味は読書とプラモデル製作、特技は道具無しで校舎を登る事、です。これからよろしくお願いします」

 

マドカ姉さんに謝ってから立ち上がり軽くテンパりながら自己紹介をして座ると、母から凄いプレッシャーをあびせられる

 

大丈夫だよ お母さん、1回やらかして怒られてからやってないから!

 

 

緊急時以外はやらないから、そんなプレッシャーかけないで、はい、ごめんなさい

 

そんな感じで母からのプレッシャーを耐え抜き生きた心地がしなかったHRが終わり2人が教室から居なくなった瞬間、脱力して机に突っ伏す

 

「大丈夫?」

 

少しグッタリしている私を心配してくれたのか、隣の席の娘が声をかけてくれたので

 

「ありがとう、大丈夫。私、六夏、よろしくね? えーっと・・・」

 

思考に埋没していて自己紹介の大半を聞き逃した事に今気付いて目の前の娘の名前が分からず言いよどんでいると

 

「私は四葉 日和(しば ひより)よろしくね、六夏さん」

 

察してくれたのか、四葉さんは自己紹介をしてくれた

 

「突然なんだけど、質問していいかな?」

 

「ん? 何かな? 私が答えられる事なら、答えるけど」

 

少し遠慮気味に尋ねられたので、不思議に感じつつ言うと

 

「織斑先生・・・マドカ先生の事、姉さんって呼んでたけど。もしかして姉妹? 」

 

四葉さんは真剣な表情で尋ねてきたので

 

「うぅん、マドカ姉さんは お母さんのイトコだよ、私が産まれた時は まだ学生だったからね。ちなみに言峰先生は お母さんだよ? 」

 

 

特別隠してないし、いずれバレるだろうから素直に彼女の質問に答えると、四葉さんは驚いた表情をした

 

まぁそうだよね、私は慣れたけど。同級生の親に比べて明らかに見た目若かったし、実際若いし、大抵はこんな反応だったなぁ

 

えーっと・・・今年で30歳だったかな? たしか

 

いやぁ中学の保健体育の授業を受けていて自分が産まれた時の母の年齢を逆算した時は戦慄したっけなぁ、はっはっはっはっ

 

「こ、言峰先生は確か国家代表専属整備士の主任をしていたよね? 確か当時の専門誌にプロフィールが載ってて・・・そう、まだ二十代の筈」

 

四葉さんは整備士志望の様で携帯タブレットを取り出して記録されている情報を確認して言う

 

「今年で30歳になる筈だよ? あ、大丈夫 私はキチンと結婚した後に産まれた娘なんだって。ほら たまに居るじゃん、学生結婚する人達」

 

と私の割とガバガバな説明に頷き

 

「あ、あー 確か その辺りの法律が制定されたのって私達が産まれる少し前だったね、うん」

 

なんとか冷静になった様で四葉さんは深呼吸をしている

 

 

なんか面白い人だな四葉さん、よし彼女と友達になろう目指せ友達100人!

 

 





次を書くかは未定です


むしゃくしゃしてやった、反省はしているが後悔はしていない!


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