少し起きるのが辛い朝でも、学校には行かなければいけない。
僕はリサ姉に起こされて、準備を済ませて朝食を食べている。
「ふわぁぁ……、眠いなぁ」
「奏真、また夜遅くまでゲームしてたの?体に悪いよ~」
「以後気をつけます」
「いっつもそれ言ってるじゃん」
気をつけようと思っても燐子とゲームをしていると、時間を忘れてしまうのだから仕方ない。
「それじゃあ、僕はもう行くよ」
「今日は結構早いよね?彼女と待ち合わせ~?」
「違うよ。今日は日直なんだ」
リサ姉にからかわれたが、あいにく違っていた。
日直の仕事をサボると、絶対氷川のお説教2時間コースだ。
それだけは避けたい。
僕は今商店街を歩いている。
まだ早い時間なのに近所の人達で賑わっている。
中でも店の前にまで列が出来ているのは、この辺りに住んでいる人で知らないものはいないほどのパン屋さん、やまぶきベーカリーだ。
「久しぶりによって行こうかな?日直の仕事すぐに終わらせてから食べよう」
そう思って僕はやまぶきベーカリーに入った。
店内には美味しそうなパンの香りが漂っている。
僕はチョココロネをトレーに入れてレジに向かう。
レジに居たのは幼馴染みの沙綾だった。
「あ、奏真君。奏真君がうちに来るなんて珍しいね」
「歩いていたら美味しそうなパンの香りにつられてつい、ね」
僕はチョココロネを購入し、店を出た。
少し急ぎ足で学校にむかっていると、すぐに学校に到着した。
教室に入ると、後ろから抱きつかれた。
燐子か。
「おはよう、燐子」
「奏真君が今日日直だから私も早く来たんだ~」
「これで日直の仕事のモチベーションが上がってきたよ。朝からありがとう、燐子」
それから僕は光の速さで仕事を終わらせて、今は燐子と二人で屋上に居る。
「燐子、さっきチョココロネ買ってきたんだ。一つ食べる?」
「いいの?」
「いいよいいよ。2つ買ってきたから」
「それじゃあ一つ貰うね」
そう言って燐子はチョココロネを食べ始める。
チョココロネを食べる燐子も可愛いな。
「奏真君は食べないの?」
「あ、そうだった」
「ふふっ。奏真君、面白いね」
笑ってる燐子も可愛い。
僕は学習能力の高い男だ。
チョココロネを食べるのを忘れない。
やまぶきベーカリーのチョココロネってやっぱり最高だな。
たまにこいつが欲しくなる。
「やっぱりやまぶきベーカリーのチョココロネは最高だな~」
「奏真君、チョココロネ好きなの?」
「ああ。大好きだよ。燐子の次くらいには」
「うぅ、奏真君…今のは反則だよ……」
照れてる燐子も可愛いな。
今日は色々な表情の燐子が見られて最高の1日だ。
そろそろチャイムが鳴りそうなので僕達は教室に戻った。
今日も退屈な授業を乗りきらなければならないのか。
「あぁ~、めんどくさいなぁ」
「そんなことばかりも言ってられないですよ、四条君」
「なんだ氷川か」
「なんだとは何ですか!」
「いや~、いっつも同じ会話してるしいい加減もうやめにしないか?」
「ど、どういうことですか!?」
「よし、別のこと話そう。氷川、ノート見せて」
「結局それじゃないですか!それもいっつも言ってますよね!?」
「そうだっけ?まあいいや」
「もうすぐチャイムが鳴るので、四条君も早く行った方がいいですよ?それではまた後で」
そう言って、氷川は移動教室に向かっていった。
さてと、僕も早く行こ。
すると、腕を掴まれた。
燐子が頬を膨らませてこっちを見ている。
「奏真君、氷川さんとどういう関係なの?やけに仲良くしてたし」
「燐子、誤解だ。氷川はただの友人。燐子が思っている関係じゃあないよ」
「本当に?」
「本当に」
「本当に本当に?」
「本当に本当に」
「信じるよ?」
「ああ」
燐子の誤解を解いて、二人で移動教室に向かった。
教室に着いてすぐにチャイムがなったので少しヒヤリとしたが、なんとか間に合った。
でも、頬を膨らませている燐子が可愛かったのでよしとしよう。
「燐子、そっちの本棚はお願いね!」
「うん。今日、委員会の仕事終わったら時間ある?」
「ああ、あるけど」
「一緒に喫茶店でも行かない?」
「いいよ。どこの喫茶店?」
「商店街にある喫茶店なんだけど」
「羽沢珈琲店に行くの?」
「うん。そうだよ」
羽沢珈琲店か~。
そういえば最近いってなかったかもな。
あそこのケーキ、すっごい美味しいんだよなぁ。
「奏真君、今ケーキのこと、考えてた?」
「どうして分かったんだ?」
「私も今、考えてたから。奏真君はどうかな~って思って」
「ハハッ、まさにその通りだったね」
本当に今日は色々な表情の燐子が見れるな。
さて、委員会の仕事を早く終わらせてしまおう。
はあ、それにしても仕事の量がおおいな。
最近、本棚が荒れまくっている。
ここは皆の図書室なのだから、もう少し丁寧に扱って欲しいものだ。
なんというかさっきから視線を感じる。
僕はその視線の方を見ると、燐子が至近距離で見つめていた。
「どうしたんだ、燐子」
「熱心に仕事している奏真君がかっこいいなぁって思って気づいたら……。ごめんね?」
「謝ることないよ。それじゃあ、一緒にやろうか?」
「うん。そうしたい、かな」
それから、燐子と二人で本の整理を早めに終わらせた。