―――――ふと、気持ちの良い眠りから、揺り起こされたような気がした。ずっと、眠っていたい様な気持ちの良い・・・何も考えていなくても良い眠りから・・・無理やり起こされた・・・。
唐突に、急速に浮上していく意識に合わせて、肉体が鼓動を再開する。
「ん・・・はぁっ・・・!!」
ずっと長い間息を止めていたかの様な、胸を激しく叩く衝動に身を任せて、身を捩らせ大きく息を吸い込めば・・・胸から何時もは感じない明らかな重量感とブルンと震える肉の塊が動く感触に、内心首を傾げながら素早く、寝ている状態から上体だけを起こして欠伸を零しながら呟く。
「くぁ・・・おはよーございましたぁ・・・」
大きく頭上に両腕を掲げて、うーんと伸びをして又も胸の前で何かが、俺の運動に合わせて動く感触にどうせ友人がふざけてマタニティ体験セットを寝ている間に、俺に着けさせて遊んでんだろ。位の所感しか持たずに、視線を向けて―――――
視線の先にある、自らの胸部に付いてる明らかに作り物じゃないあまりにも大きな女性の乳房に、思わず硬直する。
「・・・はぁ?」
俺はまだ寝ているのかと自らの目を疑いながら、何時もの俺の男性らしい筋肉質な腕じゃない、余りにも華奢な細い女性らしい丸みを帯びた右手で慌てて乳房を捥ぎ取ろうと引っ掴む。
「いぎっ!?いったぁぁぁぁ!?」
試しに引っ張った右乳が、強力な接着剤にでも付けられているのか皮膚ごと持って行かれる感覚と激しい痛みに悲鳴を上げる。喉から飛び出した自分のいつもの低い声ではなく、女性らしいソプラノの高い声に更なる驚愕に、慌てふためきながら立ち上がり、寝かされていたであろう簡素な手術台から飛び出す様に走り出す。
能天気に、俺の動きに合わせてプルプルと揺れる巨大な胸の前の乳房に苛立ちが募っていく。
重いし、邪魔だし・・・!
何もない真っ白な壁だけに手術台しかない殺風景な部屋に出口はないかと見渡し、視界にチラつく自分の今のむっちりとした太腿と均整の取れた括れた腰に、本格的に気が動転してしまい、思わず腰を抜かす。
「なんだよ・・・これ・・・」
ペタンとひんやりした床にお尻を付けて自分が、今、全裸である事をひしひしと理解してどうして?どうやって男の俺が女に等とグルグルと様々な疑念が浮かんでは消えていきジワリと涙が浮かび上がる。
「・・・なんでぇ・・?」
肉体が変性しているからなのか良く分からないが、何時もなら取り乱しはすれどこんな情けない声を出す筈もないし・・・なんなら涙など浮かばないはずなのに無性に、胸を掻き乱されるかのように悲しみが募っていく。ボロボロと頬を伝い、涙が流れていく。
なんで?どうして俺がこんな目に?何故だ。有り得ない・・・!
湧き上がる悲しみと怒りにぐちゃぐちゃになりながら目の前の壁を怒りのまま、右の拳で叩いてみる。
ぺちんと情けない音だけ残してじんじんと痛む拳をそのままに、何も起きるはずがなく俺は何もできない童子のようにただ泣き続ける。
「ふっぐ・・・うえぇぇ・・・」
意味の解らない状況に、こんな格好も相まって只々悲しくて・・・悔しくて・・・
アタシは泣き続けた。
あーたし錯乱ぼぉぉぉぉぉ!!!!!!
白髪ポニテの爆乳、へそ出しタンクトップに巨大なガントレットに目つき悪くて犬歯剥き出しな獰猛な感じ。
下はピッチリパイロットスーツ風でむっちりしたケツと太腿。靴はひざ下ぐらいの鋼鉄製のジャンプブーツ。背中にランドセルの追加ブースター付きのカチコミ娘。
因みにこれアタシの姿ね?あんまりじろじろ見るなよぉぉ・・・