バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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09 Dクラス戦終結

 Dクラス代表、戦死。

 

 その知らせを聞いて代表率いるFクラス本隊もようやくやってきた。

 

「ふぅ、やったな雄二」

「ま、当然の結果だな」

 

 何というか、勝つべくして勝ったといった所か。

 単純な総合戦力でも実は大した差が無いのに、あの姫路を的確なタイミングで使ったらそりゃこうなるという話だ。

 そんな風に考えていたら顔面に笑顔を貼り付けた明久がやってきた。

 

「ゆ~じ~。

 凄かったね! 流石は雄二だよ! さぁ、感動の握手を……」

 

ガシィッ

 

「……ど、どうして僕の手首を掴むのかな~?」

「掴むに、決まってんだろう。セイッ!」

「あぎゃっ!」

 

 明久の手から刃渡り20cmほどの包丁が転がり落ち、そのまま床に突き刺さった。

 ……えっ? 床に突き刺さったぞ!? 何の抵抗も無く!?

 明久、お前って自由時間そんなに無かったはずだよな? どうやって短時間でこんなに研ぎ澄ませたんだ?

 

「って、コレ抜けねぇし!! どこの聖剣だよ!?」

 

 何だか凄く不安だが……包丁の身は完全に廊下に埋まっているので危険はあまり無いはずだ。

 そう信じて放置する事にする。決して対処が面倒くさかったからとかではない。断じて

 

 さて、気を取り直して戦後対談と行こう。

 廊下で話すのも色々問題があるのでとりあえずDクラスに移動してから話を始める。

 

「戦後対談といこうか。Dクラス代表さん」

「くっ、まさかあの姫路さんがFクラスだったなんて……」

「あの……ごめんなさい……」

「いや、謝る事は無い。Fクラスだと侮っていた俺達が悪いんだ」

 

 姫路は有名人だ。油断してしまうのは仕方の無い事だろう。

 だがそれでも多少は情報収集すべきだったな。戦争を仕掛けるって事は勝算があるって事だし、振り分け試験の無慈悲なルールを考えると優等生がFクラス落ちする可能性は十分に考えられた事だから。

 

「ルールに則って教室を明け渡そう。

 ただ、明日でいいだろうか? 流石に落ち込んでる皆に今すぐ命じるのは……ちょっと勘弁して欲しい」

 

 その程度の妥協は別に構わない。教室の設備が目的だったとしても、たった1日延びるだけだ。

 だが……僕達の目的はそこじゃない。だから……

 

「勿論良いよね、雄二!」

「おい明久テメェふざけるなよ」

「え、何か凄い勢いで罵倒された!?」

「ちょっと待ってくれ! 頼む! 1日でもいいから待ってくれ! お願いだ!!」

「……スマン平賀。そういうつもりで言ったんじゃない。えっと……雄二、頼む」

「やれやれ。そもそもの前提として設備交換の必要が無い。

 俺たちはDクラスの設備なんざ要らんからな」

「ちょっと、雄二!? どういう事!? せっかくまともな設備が得られるのに!!」

「おいおい、俺たちの目標はAクラスだろう? こんな中途半端な設備は俺たちには不要だ」

「え~、それだったら最初からAクラスに挑めばいいじゃん。おかしいでしょ」

「お前は少しは自分の頭で考えろ。そんなんだから近所の中学生から『バカなお兄ちゃん』と呼ばれる事になるんだぞ?」

「あ、あっはっはっ、いくら僕でも中学生からそう呼ばれた事は無いよ」

「あ~そうか。小学生からだったな」

「ヒ、ヒトチガイです!」

「…………おい、マジか?」

 

 明久は一体何をやらかしたんだ?

 ……ま、まあいい。

 

「え~、とにかくだ。僕達にはDクラスの設備は不要だ。

 わざわざ僕達に土下座する必要は無い」

「いや、土下座まではしてないが……」

「比喩表現だ。だが、条件がある。だろ? 雄二」

「ああ。まぁ、そう身構えるな。

 俺たちが指示したらアレを動かなくしてほしい」

 

 雄二が指し示したのはエアコンの室外機だ。Dクラスの窓から手が届く壁面に設置されている。

 アレは確か……隣のクラスであるBクラスの室外機だったな。

 

「アレか……そのくらいで良いのかい? スキマから定規を突っ込むくらいで簡単に止まると思うけど」

「ああ。アレで構わん。次のBクラス戦で必須なんでな。

 設備を壊す事になるんで教師から睨まれる事になるが……そう悪い取引じゃないだろう?」

「……そうだね。確かに設備に比べたら大した事じゃない。

 分かった。その条件飲ませてもらうよ」

「よし、契約成立だ。

 後は……剣、何かあるか?」

「ん? 僕か? そうだな……これからも同級生として仲良くやっていこうって事くらいか」

「ハハッ、仲良くか……そうだな。

 お前たちがAクラスに勝てるよう願っているよ」

「社交辞令か? 無理せんでいいぞ?」

「まぁ、社交辞令である事は否定しないが……もし本当にFクラスがAクラスに勝てたら面白そうじゃないか。

 そこだけは間違いなく本音だ」

「……そうか。なら、全力を尽くすとするか」

 

 こうして、戦後対談は終了した。

 お互いに良い笑顔で、良い感情で終われたようだな。

 まぁ、試召戦争ってのは設備さえ絡まなければゲームみたいなもんだ。

 お互いに楽しめ……

 

 

『シュミはベンキョウ! ソンケイするヒトはニノミヤキンジロウ!!』

『お、おい君大丈夫か!?』

 

 

 ……まぁ、うん。お互い楽しめたな! 間違い無い!

 

「さて諸君、今日はご苦労だった。

 明日は補充試験があるから、今日はゆっくり休んでくれ。

 それでは、解散!!」

「んじゃ、僕も帰るわ。また明日」

「おう、またな」

 

 さて……Aクラスの様子でも探ってくるか。







「この辺はリメイク前とほぼ全く変わり無しね」

「表現方法を変えたくらいか。原作との違いもほぼ無いし、特に語るべき所はなさそうだな」

「あの聖剣とかもリメイク前と同じなのよね。結局どうなってたのかしら、アレ」

「多分ブルーシートでも被せて放置してたんだろう。きっと」

「……で、では、次回もお楽しみに!」
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