しつこいようだが、合宿の主目的は勉強だ。
試召戦争を終えた雄二が再び勉強に戻るのも当然の流れ、と言えるな。
さて、そんな中僕は……
「ツモ。300・500」
「刻んでくわね~」
「点数は低いが、かなり早いな。くそっ」
ヒマだったのでトランプ麻雀をやっていた。なお、面子は御空と根本、あと宮霧。
「おいテメェら! 何で遊んでやがるんだ!!」
「え? だってヒマだし」
「正直勉強漬けで疲れた。最終日くらいはハメ外しても良いだろ」
「オレも根本と同じ意見だ。ぶっちゃけ疲れた」
「くそっ、俺も遊びたいっ!!」
「……ダメ」
「チクショウ! せめて見えない所でやれよ!!」
「尤もな意見だな、部屋の隅に移動するとしよう」
と言う訳で場所を移動しての再開だ。
雑談を交えながらゲームは進行していく。
「空凪くん、今回の件ってどこまでが計算通りだったの?」
「と言うと?」
「盗撮騒動の件を煽るでもなく収めるでもなく放置した結果が試召戦争だった。
ここまで読んでいたの?」
「バカ言え。ここまでの大事になるだなんて完全に予想外だ」
「ふ~ん。後悔は……してなさそうね」
「ああ。万事予想通り、計算通りに進むのも面白いが、予想外な出来事が起こったらそれはそれで面白い。
偏りすぎると逆に退屈だ」
「ホント狂ってるわね……あ、その牌カン!」
「む?」
「ツモ。四喜和は役満。責任払いで32000点ね」
「ぐっ……やってくれたな。面白い」
麻雀は初期点数が25000点しかないゲームだ。32000点取られたら致命傷である。
「赤字になったから仕切り直し……というのも面倒だからマイナスの状態で続行するか。
この状態から逆転してやる」
「無茶だと思うけどなぁ……それじゃ、行くよ」
「あ、それロン。1000点」
「早っ!!」
「……オレ達、さっきから一度も上がれてないな」
「……ああ、そうだな」
「……アレってイカサマ? それとも実力?」
「シャッフルは俺とお前でやってるからイカサマって事は無いはずだ」
「……あの2人、何なん?」
「……俺にも分からん」
FクラスとBクラスの副代表が勝負していた頃、Bクラス代表とFクラス元副代表が少しだけ仲良くなっていたとか、なっていなかったとか……
こうして時間は過ぎていき……特に何事も無く本日の勉強時間は終わった。
雄二と秀吉と明久が何か抜け殻みたいになってる気がするがきっと気のせいだろう。
康太は……
「割と余裕そうだな。お前」
「…………この程度大した事は無い」
「そうなんだよ! ボクが考えた問題もアッサリ解かれて、逆にボクが詰まるような問題とか出してくるんだヨ!
……保健体育限定だけど」
「…………保健体育さえあれば人は生きていける」
「いや、ダメだからね!? 他の科目も頑張ってね!?」
「…………前向きに検討する」
「それ検討しないパターンだよね!?
もしくは検討して却下するパターンだよね!?」
副代表としての本音を言うなら保健体育以外もちゃんとして欲しいんだが……康太だからなぁ……
「まぁ、程々に頑張ってくれ」
そして夜が更け、日付は進んで最終日となった。
部屋を片付け、荷物を整理……と言っても勉強道具と着替えとトランプ5デッキしか持ってきてなかったけど……をして合宿所を引き払う。
AクラスやBクラスがリムジン、その他のクラスが微妙にランクの違うバスで帰宅して行く様を眺めながら僕達は駅へと向かう。
……よく考えたらAクラスのリムジンに便乗させてもらうことは可能だったんじゃないだろうか? 高級リムジンなんだから使用者のAクラス生徒が部外者を便乗させるくらいは受け入れてくれる気がする。今更言っても遅いけど。
とにかく、僕達Fクラスは行きと同じように電車での旅になる。
帰宅して、土日の休みを終えればまた騒がしい学校生活に戻る。
さて、次は一体どんな事件が待ち受けているのだろうか? 楽しみだな。
「ちょっと短くなってしまったが、以上で学力強化合宿編終了だ」
「大筋はリメイク前と変わってないわね。私とキミの最後の舌戦がカットされてるけど」
「3日目の会話がそれの代わりだな。僕達の関係はどこまで行っても立体交差だ」
「また分かり辛い例えを……交差しつつも平行線って事ね」
「僕達はこの距離感が最適。これ以上近づくと反発する」
「さて、次回は何かしら?」
「リメイク前と同様、『2人の策士編』と概ね内容は同じだな。
恐らく題名は変わるが」
「あの半ばオリジナルなあの話ね。変わるっていうのは?」
「主人公は僕ではなく。貴様と宮霧になる予定だ。
……どうしても必要な場合以外は僕視点を縛るというのも面白いかもな」
「……結構変わりそうね、それ。
基本的に視点を担当してたキミを縛るって」
「あくまでも案だ。
実際どうなるかは……次回の更新を楽しみにしててくれ。
「それでは、また次回お会いしましょう!
……今度は2ヶ月で済むと良いけど」