バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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02 添削

 現在2コマ目。雄二の戦術を添削なう。

 

「……よく思いつくなぁ、こんなの」

「どうしたんですか?」

 

 僕の独り言に対して実は隣の席だった姫路が食いついてきた。

 Fクラス並の授業となると雑談できるくらいには余力があるようだ。

 

「Bクラスとの戦争の件さ。

 今年度の頭にほぼ全クラスに喧嘩を売ったってのにまだまだ引き出しが尽きない。

 雄二の悪知恵には驚嘆するのみだ」

「悪知恵って……普通に頭が良いとかじゃダメなんですか?」

「発想を逆転させるとそれだけ試召戦争システムが穴だらけという事でもあるな。

 ……雄二は優秀なクレーマーだな」

「問題点を指摘するっていう意味で良いクレーマーなんでしょうけど、もうちょっと普通に言う事はできないんですか?」

「わ~、雄二てんさ~い。すごーい」

「それも普通じゃないです! 極端過ぎますよ!!」

 

『こら! そこ静かにしろ!』

「あぅっ……す、すいません」

 

「お、怒られちゃいました……」

「ハハッ。まあ気にするな。

 どうせ真面目に授業を受けてる奴なんて一握りだ。多少騒がしくした所で問題あるまい」

「それはそれでどうなんでしょうか……?」

 

 僕もどうかとは思うがそれがFクラスなのだから仕方がない。

 無いものねだりをしてもしょうがない。僕や雄二が考えるべきはいかにこの無能どもをどう有効活用するかという事だ。その考えることにバカどもの矯正はあんまり含まれていない。

 

「それで、どんな作戦なんですか?」

「……言う必要、あるか?」

「えっ? どうせ後で聞くんですから今聞いても良いんじゃないですか?」

「そうでもない。敵を騙すにはまず味方からと言うように、あえて味方に偽情報を流す事で敵を混乱させるという戦術も存在する。

 それに、前線の兵隊が他の戦場の事を熟知する必要は皆無だ。余計な事を考えさせるより、まずは目の前の事に集中してもらいたい」

「そういうものですか? う~ん……」

「現時点では、貴様に言うべきか否かという事すら判断できていない。だからとりあえず黙っておく。

 貴様に言う必要があると判断したら後で話してやるさ」

「そうですか、分かりました。それじゃあ楽しみに待っています」

 

 まだ言うと決まったわけではないんだが……まあいいや。

 点数が高い姫路にはどちらかと言うと指揮する将ではなく戦う兵として活躍してもらいたいといのが本音だ。性格的にも大声上げて指揮するタイプじゃないし。

 勿論、指揮ができるに越した事は無いんだが……わざわざ無能なFクラス生を動かすよりも直接敵をぶん殴った方が効率が良さそうだ。

 ……とりあえず、添削作業を再開するか。

 

 

 

 

 

 

 2コマ目の授業が終了した後、雄二と話す。

 

「どうだ? 何か問題あったか?」

「初手の僕の負担がムチャクチャデカい事を除けばほぼ問題ないだろう。

 しかし正気かこれ?」

「お前ならできるだろ?」

「まぁできるけどさぁ……しゃーない。やってやるさ」

「……悪い。今回は急だったもんでこれくらいしか思いつかなかった。

 無茶させてる俺が言う事じゃないけど、あんまり無茶はしないでいいぞ」

「矛盾してるな。言いたいことは分かるけどさ」

 

 そんな話をしている内に先生がやってきた。

 3コマ目はそこそこ真面目に受けるフリをしておこう。

 

 

 

「空凪くん! 作戦は結局どうなったんですか?」

「…………明日教えるよ。戦死してなければ」

「ホントですか? 約束ですよ!」

「ああ。約束だ」

 

 僕が戦死してなければな。

 

 

 

 

 

 午後の授業は申請を出して補充試験の為の時間に変えてもらった。

 都合良く高橋先生の手が空いていたのでそれぞれが思い思いの科目を受けているようだ。

 僕? 僕は既に補充試験は終わっているからな。

 

「よう明久。調子はどうだ?」

「まぁまぁかな。可も不可もなくって感じだよ」

「なるほど。じゃあいつも通りにこき使わせてもらおう」

「あっ、じ、実は持病のぎっくり腰が……今日は休ませてもらうよ!」

「別に構わんぞ。明日働いてくれれば」

「えっ? ……あっ、そうだった。今日じゃなくて明日だった。

 普段は宣戦布告した日に戦争してたから感覚が狂ってたよ」

「それが連中の狙いの一つ……いや、そんな事は無いか」

 

 そんな事の為に戦争を1日遅らせる奴は居るまい。リターンが全く釣り合ってないからな。

 まぁ、理由については戦争が終わったときにでも訊いてみればいい話だ。今は他の事を考えるとしよう。

 例えば……そうだな、

 

「明久、さっきから島田がこちらの様子を伺っているんだが……また何か目を付けられる事でもしたのか?」

「え? う~ん…………特に心当たりは無いけど……そう言えば合宿から帰ってきてからよく視界に入るような……」

「合宿からだと? …………ふむ、なるほど」

「何か分かったの?」

「知っていそうな奴に心当たりがある。

 まぁ気にするな。多分悪い事じゃない。悪い事であれば既に貴様の命は無い」

「ちょっ!? 怖いよ!!」

「命というのは言いすぎだが、何か企んでいるなら島田が我慢できる訳が無い。

 こちらの様子を伺うなどというまどろっこしい事はせずに既に何かが起こっているはずだ」

「でも、特に何ともないけど、どういう事?」

「……それくらいは自分で考えろ。僕にそこまで教えてやる義理は無い」

 

 本当に、義理など無い。放っておこう。

 

 さてと、明久の他に心配そうな奴は……とりあえずは居ないか。

 どうせFクラスの連中相手に真面目に試験を受けさせるのは困難だしな。

 適当な時間まで一眠りするとしよう。




「という訳で僕視点だ。
 流石に完全に僕視点無しは厳しかったようだな」

「筆者さんの手足として設計されてるようなキャラだもんねキミって。
 どんな無茶な展開でも誘導可能な性格と行動力があるっていう意味で」

「まぁ、な。結局の所、筆者にとって僕を動かすのが一番やりやすいようだ。
 ……さて、本編の話に戻ろうか」

「そうね。そう言えば、キミの隣の席って姫路さんだったのね」

「ああ。ちなみに反対側が明久だ。
 今年度の開始時、Fクラス教室で各々が好きな所に座ったわけだが……何故か僕の両隣はずっと空いていてな。
 最後に来た明久と姫路がその席に座ったという訳だ。
 なお、現在に至るまで席替えの類は一切やっていない」

「教室とか変わったはずなのに……」

「それでも席替えしなかったという事にしておこう。
 ……ぶっちゃけ言うとご都合主義だな。席がとなりならこういうどうでも良い時に姫っちが入ってきてくれる。
 色々と書きやすいそうだ」

「ぶっちゃけたわねぇ……」

「別に席替えしなかったら物語が破綻するわけでもないからな。
 後から発言の意図を強引にねじ曲げるとかに比べたら些細な問題だ」

「そりゃそうでしょうけど……まあいいわ、次行きましょう。
 キミ達の作戦って一体何? 何かキミに凄い負担がかかるとかいういつも通りな事を言ってたけど」

「いつも通り……まぁ確かにそうか。
 だが教えるわけにはいかんな。特に貴様には」

「そりゃそうか。Bクラス副代表に教えるわけもないか。
 最後の島田さんについては……」

「何を企んでいるかと言うのは言うまでもないな。既に宮霧の視点でやってるんだから」

「そうね。
 それじゃ、次回もお楽しみに!」
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