バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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08 激突

 再び階段前に戻ったオレは代表から授けられた秘策(笑)をクラスの連中に伝授していた。

 

「いいかお前たち、無闇に攻め込まずに目の前に敵が居ると思って武器を振るうんだ」

『そんな事して一体何になるんだ!!』

「分からないのか? 気合を入れて武器を振るう事でその刃は時空を超え、未来にここを通るであろう敵を葬り去る。

 そう、この場に居ながら敵を補習室に追い込む事ができるんだ!!」

 

 何を言ってるのか良く分からないが代表がくれたカンペを読み上げただけである。

 こんなので騙されてくれるんだろうか? 結果を見るまでは半信半疑だった。

 

『な、何だって!! そ、そんな事が!!』

『何だか良く分からんけど凄そうだ! よしやるぞ!!』

 

 何を言ってるのか良く分からないがアッサリと騙されてくれたようだ。

 このクラスの連中は大丈夫……ではないな。今更か。

 まぁ、無理に突撃するバカが出なければどうでもいいな。

 

「これでしばらくは保つのぅ。正面の戦場はどうなっていたのじゃ?」

「さぁな~。まぁなるようになるっしょ」

「適当じゃな」

「オレたちの役割はここの守りだけだからな。暇つぶしにあっちの様子を見に行っただけで」

「間違ってはおらぬのぅ……」

 

 ……まぁ、あいつらなら大丈夫でしょ。

 

 

 

 

 

 

 [フィールド:数学1A]

 

Fクラス 空凪 剣  88点

 

Bクラス 御空 零 381点

 

「どしたの空凪くん。このままだと手も足も出ずに戦死する事になるわよ」

「ククッ、倍以上の点数相手に戦死せずに立ち回ってる時点で十分手も足も出ているだろう」

「ものは言い様ね。でも、このままだと無駄死にに変わりは無いんじゃないの?」

「バカ言え。こうやって時間を稼いでいるだけで雄二が作戦を練る時間ができる。

 例えば……そうだな、そろそろ来るんじゃないか?」

「何が?」

「援軍」

 

 と言うか御空が来なければとっくに援軍が来てたはずなんだよ。一騎打ちっぽくなったから様子見をしているだけである。

 御空は騎士道精神を重んじる正々堂々とした性格……なのではなく、おそらくは腕輪のせいだろう。アレって多分普通に使うと仲間も巻き込むだろうし。

 そして、理論上は御空相手には1人で当たるのが望ましい。その方が腕輪の被害を抑えられるから。

 そういう訳でお互いに最小限の人数での戦い……一騎打ちに落ち着くわけだな。

 

「貴様の点数も400を切った。奴なら貴様に死の恐怖を与える事は可能だ」

「……そうねぇ、ちょっと消耗しすぎてるかしらね。

 確かに彼女に来られるとマズいかもしれない」

 

 そんな話をしていたら、後ろから駆け足の足音が聞こえてきた。

 やれやれ、ようやく来たか姫路……

 

「待たせたわね空凪! ウチが来たからにはもう大丈夫よ!!」

「お前かよ!! 姫路はどうしたんだ!!」

「え、瑞希? それだったら……」

「み、美波ちゃん……速すぎです!」

 

 ほんの数秒遅れて姫路と、その他数十名もやってきた。

 う~ん、姫っちも一緒に居るって事は島田の独断では無さそうだ。雄二の指示か?

 ……まぁ、背中を刺されるんじゃなければ何だっていいさ。

 

「御空、一騎打ちは終わりだ。総力戦を始めさせてもらうぞ」

「まあいいでしょう。皆、出撃よ! Fクラスの連中に目に物を見せてやりなさい!」

 

「「「「「試獣召喚(サモン)!!!」」」」」

 

 お互いのクラスの生徒たちが一斉に召喚を行った。敵の召喚獣の出現地点にナイフを放り投げておくが……この点数では少し削れる程度か。

 

 

 [フィールド:数学1A]

 

Fクラス 空凪 剣  88点

Fクラス 姫路瑞希 421点

Fクラス 島田美波 295点

Fクラス 55点

 以下略

 

 

Bクラス 御空 零 381点

Bクラス 199 → 190点

Bクラス 203 → 192点

Bクラス 189 → 181点

 以下略

 

 

「む?」

「へぇ……思ってたより高いのね」

 

 少し驚いた。

 島田の数学の点数はBクラス並だと記憶していたんだが、これはAクラスの中位並と言って差し支えないだろう。

 

「ふふん、どうよ! こんな時の為に得意な数学を徹底的に鍛えてたんだから!」

「私も少し協力したんです。美波ちゃん、合宿の後から結構頑張ってるんですよ」

 

 合宿でやらかした負債をこういう所で返していく……と。島田らしくない考え方だな。誰かの入れ知恵か?

 ……まあいいさ。そういう事なら存分にこき使うとしよう。

 

「御空、貴様は、ここで仕留める!」

「そんな事言っちゃって。できなかった時にカッコ悪いわよ?」

「なら問題ないな。達成すれば良いだけの話だ!」

 

 ここで僕は、満を持して眼帯を取り外した。




「……階段前の人達、何か楽しそうね……」

「フハハハハ、どうだ恐れ戦いたか!」

「……ええ。恐れ戦いたわ。
 Fクラスのバカさ加減と、それを巧みに利用する坂本くんに」

「……さて、正面ルートの方は一騎打ちの決着からの総力戦だったな。
 数学フィールドだったから姫路も島田も参戦だ」

「姫路さんって一応数学が得意って設定あったっけ?」

「家庭科を除けばまんべんなく得意なオールラウンダーではあるが……原作だと腕輪の初披露が数学フィールドだからな。
 少なくとも数学はそれだけの実力があり、他は400点未満の科目も普通に存在するって事を考えると数学が得意と言っても差し支えはあるまい。
 一番得意かどうかは分からんが」

「……姫路さんって文系と理系どっちなのかしら? 一応理系なのかしらね?」

「かもな。
 さて、島田の方は純粋に努力して成績を伸ばしたようだ。
 リメイク前では『筆者の勘違い』とかいう締まらない理由で成長していた彼女だが、今回は真っ当に成長したようだな」

「Bクラス並っていう点数の数値の誤認のせいだったわね……
 今回の話の流れでの成長っていうのはしっくりくるわね。姫路さんが協力したんでしょうし」

「ククク、もう1人重要な協力者が居るけどな」

「? 誰だろう」

「……奴は恵まれているな。失敗を受け入れてくれる人が居る。そして協力してくれる人も居る。
 本当に恵まれている」


「では、次回もお楽しみに!」
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