バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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03 減点

「タスケテクダサイ」

 

 昨日と同様に早朝に登校し、今教室で土下座している明久の台詞である。

 

「助けるのは構わないんだが……一体全体何があったんだ?」

「昨日姉さんに写真が見つかったんだよ……」

「写真?」

「うん。如月ハイランドで僕と木下さんがジェットコースターに乗ってる写真とか」

「そんなもの持ってたのか」

「ムッツリーニから買ったんだ。高い買い物だったよ……」

 

 康太はあの時は撮影担当のスタッフだったから客の写真を取っていてもおかしくはない、か。

 

「写真が見つかったのが何か問題なのか?」

「大ありだよ! 姉さんは不純異性交遊を禁止してるんだ。

 昨日は危うく5億点の減点を喰らった上に人としての尊厳を剥奪される所だったよ……」

「5億……桁が多すぎてピンとこないんだが」

「次の期末テストで5億点取らないとダメっていう意味だよ」

「そりゃ相当だな」

 

 いくら無制限の文月式テストでも5億点を取れる人間はまず居ないだろう。

 どうしても5億点取りたいのであれば教員と結託して1問の配点を1億点くらいにすれば5問解けば完了だ。そんな事はまず不可能だが。

 明久の姉は明久にBOTにでもなれと言いたいのだろうか? 人としての尊厳を剥奪するという意味では正しいのかもしれない。

 

「でも、何とか回避したんだな?」

「うん……写真に映ってるのは秀吉だって主張して何とか……

 姉さんは何故か不純同姓交遊は認めてるから」

 

 ……異性交遊を認めないのは無責任に子供を作らない為と考えれば一応筋が通っているのだろうか?

 いやいや、常識的に考えて不純同姓交友の方がおかしいだろう。

 

「それで、秀吉を実際に家に連れてこいって話になっちゃったんだよ。

 でも、2人だけで行ったら何が起こるか分からないから……できれば剣とか雄二にも一緒に来てもらえたらなと」

「なるほど」

 

 たった1日で未遂とはいえ5億の減点を喰らった事を考えると今後もどんどん減点されていきそうだな。

 となると早いうちに手は打っておいた方が良いか。

 

「まずは情報をまとめておこう。

 明久。貴様の最終目的は姉を送り返す事だな?」

「うん、当然だよ!」

「その送り返す条件は成績の向上……というのは昨日聞いたが、具体的にはどうすれば良いんだ?」

「えっと……姉さんの出した減点だけ点数を上げれば良いらしいよ」

「上げれば……単純な総合得点ではなく、振り分け試験の時との差という事か?」

「うん。そういう事」

「上げるのは実技込みの合計点? それともセンター準拠の総合科目?」

「えっ、そこまでは聞いてないけど……振り分け試験との比較だから総合なんじゃないかな?」

「ハッキリしてないなら構わん。何とか実技込みに持っていければそれだけでプラス100点だ」

「あ、そっか。家庭科の点数はかなり上がったもんね」

 

 既に好成績なので単純に有利……というだけでなく科目が増えた方が点数増加のチャンスも増える。

 尤も、点数減少のリスクも増えるが……元々がゴミみたいな点数なのでこれ以上減るリスクはあんまり無いだろう。

 

「加点の条件って他に無いのか?」

「生活態度次第では加点してくれるらしいけど……姉さんが加点してくれたのは見たこと無いよ」

「望み薄という事か」

 

 明久の生活態度が悪すぎるだけなのかもしれんが……加点はあくまでもおまけという基準でやっているのかもしれんな。

 さて、次は……

 

「次は減点について聞かせてもらおう。

 具体的に何をしたら減点なんだ?」

「一人暮らしするときの約束事を破ったら減点って感じだよ。

 ゲームは1日30分、不純異性交遊の全面禁止。

 他にも生活態度で細かく減点されるよ」

「ゲームか……30分は短いな。まぁ、頑張って我慢してくれ」

「うん。ゲームの方は……まぁ、何とかなるよ。何とか……」

「生活態度は……僕にはなんとも言い難いな。頑張れとしか言い様がない」

「うん、頑張るよ……」

「不純異性交遊の禁止……まさかとは思うがどっかの黒づくめみたいに女子の半径1kmに近付くの禁止とか言い出さないだろうな?」

「流石にそれは無いけど……女子と手を繋いだ時点で減点100らしいよ」

「…………ふむ」

 

 その程度でその減点となると昨日姫路に抱き疲れたのはマイナス300点くらいだろうか?

 あと、姫路に手料理を振る舞われたのも減点を取られてもおかしくはない。例え中身が化学兵器だったとしても。

 島田に関節技をかけられるのもアウト臭いな。結構密着するし。

 如月ハイランドの件は完全にアウト。実質デートだし、実際に5億点の減点を喰らいかけてるしな。

 

「なるほどねぇ……こりゃ綿密に打合せしてから乗り込んだ方が良いな。

 姫路も島田も連れて行っただけでアウトだろうから今回は大人しくしてもらうとしよう。

 貴様と僕と秀吉、雄二に康太の5人で乗り込む。あいつらが来たら打合せを始めよう」

「うん。頼んだよ……姉さんを何とかしないと、僕の人としての尊厳が……!」

 

 明久がおおげさに言ってるだけな気がするが、あの程度の異性交遊に口出しする姉って結構ヤバい人なのではなかろうか?

 実際に会ってみるまでは何とも言えんが……警戒した方が良さそうだ。






「突然だが、筆者はアニメ版で疑問に思った事がある」

「何、どうしたの?」

「アニオリの話で試験召喚システムが暴走して、解決の為に明久に小学生レベルの簡単な問題を解かせて5桁以上の高得点を出させていたが……アレはそもそもテストを受ける必要があったんだろうか、と。
 捏造した点数を入力するだけでも良いはずだし、白紙の答案用紙を見て『キレイだからプラス1億点!』みたいな理不尽な採点をしてもいい。
 100歩譲って答えを紙に書くという行為が必要だったとしても1問の配点を1億点くらいに設定すれば済む話だ。
 まさか文月学園のテストは各問題全部1点で固定されているという事はあるまい」

「流石に1億点もあったら別の意味で問題になりそうだけど……言いたい事は分かるわ」

「今回の話で筆者がノリで5億点の減点を出したので思い出した。
 まぁ、期末テストは真っ当なテストだからやっぱり無理だが」

「……ところで、5億点の減点ってどうなの? 漢字使わずに表したら500000000よ? 流石にやりすぎじゃない?」

「あくまでも未遂なんで結構適当だな。
 女子と2人きりで遊園地に行くという行為全体を指しての減点と考えると……ううむ、それでも多いか。

「原作だと未遂含めても5桁がせいぜいみたいね。やっぱりやりすぎ何じゃない?」

「しかしなぁ……5桁だとちょっとインパクト薄いし、10万とか100万だと語呂が悪いんだよな。
 5億(ごおく)だと3文字で済むんで言いやすい」

「そういう理由だったのね……」

「まぁそういう訳で、厳密に考えたらおかしい気がするが、特に修正はせずにこのまま進めさせてもらおう」


「では、次回もお楽しみに!」
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