バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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08 禁則と対価

「……雄二」

「うわっ、何だ翔子、突然現れるな!」

「……今日の昼休み、2年のクラス代表は学園長室に集合。

 ……私はCクラスとEクラスに伝えてくるから雄二はBクラスとDクラスに伝えて」

「何だ? 学園長が呼んでるのか? 一体何の用だ?」

「……詳しくは分からない。とにかく連れてきて」

「しゃーない。代表が、学園長室だな? 分かった」

 

 

 

 という訳で、根本と平賀に声を掛けてから学園長室に行く。

 まずは近いB教室から。勢いよく扉を開けて呼びかける。

 

「根本、居るか?」

「ああ。何の用だ?」

 

 昼休みなんで居ない可能性も考えてたがちゃんと居てくれたらしい。

 サッサと用件を伝えてDクラスに向かうとしよう。

 

「2年のクラス代表が学園長室に呼ばれてるらしい。すぐに向かってくれ」

「学園長に? 分かった。友香には伝えて……」

「Cクラスと、ついでにEクラスは翔子が向かってる。

 俺はDクラスに寄ってくんで先に行っててくれ」

「分かった」

 

 

 

 Dクラスもさっきと同様に扉を開けて呼びかける。

 

「平賀は居るか?」

 

 呼びかけて数秒ほど経過したが反応が無い。

 既にどっかに出かけたか?

 しゃーない。平賀は放っておこう。もし重要な話なら学園長が放送で呼びつけ……

 

「代表に用事?」

「ん? ああ。お前は……誰だ?」

「そう言えば坂本くんには名乗って無かったわね。

 私の名は小野寺優子。Dクラス副代表の小野寺優子とは私の事よ!」

 

 ……ああ、そう言えば前に剣が言ってたな。木下姉の偽物が居るって。

 Dクラスの副代表だったか。すっかり忘れてた。

 

「で、代表に用事?」

「ああ。何か2年のクラス代表が学園長室に呼ばれてるらしい」

「う~ん……代理参加した方が良いかしら?」

「内容に見当も付かないからそれすら分からん」

「じゃ、一応行っておくわ。学園長室だったわね?」

「ああ」

 

 これでひとまずOKと。俺も学園長室に向かうとしよう。

 

 

 

 

 

 学園長室の扉を開けると俺とDクラス以外の4人の代表が既に集まっていた。

 

「ちぃっす、Dクラスは代表が居なかったんで副代表を連れてきてやったぞ」

「アンタねぇ……このアタシを誰だと思っているんだい?」

「? 学園長もといババァ長だろ?」

「……1日くらい補習漬けにしてやった方が良い気がしてきたねぇ」

 

 そ、そんなバカな。学園長の分際でそんな横暴が許されるというのか?

 

「んで? わざわざ呼びつけて一体全体何の用なんだ?」

「……はぁ、確かにこっちとしてもサッサと終わらせたい。アンタの言動にはひとまずは目を瞑ってやるとするよ。

 結論から言うと、夏休み明けまでは試召戦争禁止さね」

「何だと!?」

「なっ!? 学園長、それはどういう事ですか!?」

 

 学園長の言葉に強く驚いたのは俺と根本。

 他の4人は……そもそも戦争の予定は無かったんだろうな。

 

「言葉通りの意味さね」

「理由を教えて下さい学園長!」

「そうだ! 根本の言う通り理由を教えやがれババァ長!」

「……坂本、学園長が嫌いなのは分かるがちょっと黙っててくれないか?」

 

 チッ、どうやらここは根本に任せた方が良いらしい。

 ババァ長を前にすると聖人君子な俺であっても敬語が崩れちまう。ここは人を騙すのが上手い根本に任せて試召戦争禁止を上手く撤回させよう。

 

「……ゴホン、理由を教えて頂けないでしょうか?」

「理由は、2つさ。

 1つ目はシステムのメンテナンスの為。

 この短期間で4回も、合宿所も合わせれば5回も戦争をやっているからねぇ。結構システムに負荷がかかってるのさ。

 そのせいで色々と不具合も出てるみたいでねぇ。この際だからじっくりとメンテナンスする事にしたよ」

「その口ぶりだと急げばすぐに使えるように聞こえますけど……」

「アタシを過労死させる気かい? それに、急いでやって不具合を見落としたら元も子もないって話だよ」

「……なるほど、2つ目については?」

「もうすぐ期末試験だろう? そっちに専念してもらいたいと思ってねぇ。

 本来なら言うまでも無く専念するものだろうけど、そうでもないクラスが混ざってそうな気がしたんでねぇ」

 

 明らかに俺たちFクラスを狙い撃ちしてやがる。

 試召戦争を起こすのがそんなに悪いってのかよ。

 

「そっちの理由が成り立つのは主にFクラスなのでは?

 そもそも、学期末は敗戦リスクが少なくなるからむしろ積極的に挑むべき期間という扱いなのでは?」

「その意見も尤もさね。でも、悪いけど急遽変更する事になった。

 今回だけでなく今後は学期末の1ヵ月間は宣戦布告禁止とするよ」

「くっ……」

 

 あくまでも1つ目のメンテナンスがメインって訳か。

 それにかこつけて次の学期から適用予定だったルールを前倒しした……と。

 

「不満そうだね。確かに、これには不満が出るだろう事は簡単に予測できた。

 だから、今回だけは特別ボーナスを設けようじゃないか」

「ボーナス?」

「本来は学年が変わる時に行われる召喚獣の装備データのリセット。これを今回の期末も行おうじゃないか」

 

 装備のリセット……か。つまりは俺や明久が良い点数を取れればメリケンサックと木刀とかいう舐めた装備から解放される……かもしれない、と。悪くない話だ。

 しかし、そんな事したら余計システムに負荷がかかるんじゃないのか? メンテナンス中ならそこまで問題にならないんだろうか?

 

「さて、アタシからは以上さね。各代表はこれをクラスの連中に伝えて試験勉強に専念させるように。以上だよ!」

 

 戦争禁止は揺るがなかったが、装備データのリセットは間違いなく朗報だな。

 ……教室に戻るとするか。






「以上、学園長の話だ。
 原作読み返して思ったけど結構不満が出ただろうなぁ……」

「おかしい。小野寺さんの出番があるのに私の出番が無い。
 この話の直前に代表を暗殺しておけば良かった」

「そこまでして出番を得ようとせずとも……」

「オリ主のキミには分からないでしょうね! 私のように持たざる者の気持ちが!!
 本章だと筆者さんがまだ私の出番ねじ込んでないから1文字たりとも出番が無いのよ!!」

「……こうやって後書きに毎回出てる時点で十分すぎるくらい恵まれてると思うんだが……」

「本編と後書きは全然違うわよ!」

「……まぁ、確かにそうだけどさ」

「…………さてと、今回の話は戦争禁止令の話だったわね。
 全責任がFクラスにあるっていう方向にシレっと変更されてるわね」

「甘いな。5回の戦争のうち2回はCクラスが吹っかけた戦争だ。
 よって全責任があるという訳ではない!」

「そのCクラスの戦争もFクラスに原因があるから結局Fクラスの責任な気が……」

「……確かにそうだな。はぁ……」


「それでは、次回もお楽しみに!」
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