バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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13 更なる勉強会に向けて

 夕食を終えた後、光に事情を説明する。

 

「へ~、勉強会ねぇ」

「ああ。本来なら雄二の家で開催していたはずなんだが……少々予想外のアクシデントがあってな。

 仕方ないから僕たちの家に移動する事になった」

「まあそれは構わないけど……代表は呼ばなくて良かったの?

 坂本くんが居る以上は積極的に参加しそうだけど」

「翔子に試験前の勉強会なんざ必要ないだろ」

「坂本くん。必要かどうかじゃなくて参加したいか否かなのよ。

 借りは作りたくないんでしょうけど、考えてあげなさい」

「…………善処する」

「それ結局やらないパターンでしょ。私から代表に話してみるわ。

 もしもし代表……え? うん。うん……ちょっと掛けなおすわ」

 

 光は雄二が止める間も無く電話をかけ、そして切った。

 

「……坂本くん。携帯の電源切った?」

「携帯? 別にわざわざ切って……あ、充電切れてら」

「……リダイヤルっと。ついでにスピーカー。はいどうぞ」

 

 呼び出し音の後、霧島の声が聞こえてきた。

 

『……もしもし。どうしたの光』

「あ~っと……俺だ」

『雄二!? どこに居るの? 無事なの?』

「無事だが……どういう事だ?」

『……今日は雄二の家で勉強会だって聞いてた。

 ……だから私も行ったのに誰も居なかった。携帯も繋がらないから凄く心配した』

「そ、そうか……すまん。ちょっと予定を変更して剣の家で勉強会をしてた」

『……そう。雄二が無事なら良かった』

 

 どうやら不幸な行き違いがあったようだな。

 雄二の母親がボケてなければこんな事にはならなかったし、雄二が携帯を充電していても回避できた。

 霧島も先に勉強会に行くって言っておけば雄二も気付けたかもな。

 まぁ、過ぎた事は悔やんでもしょうがない。

 

「霧島」

『……その声は剣?』

「ああ。勉強会はまだまだありそうなんだが……次から参加するか?」

『……うん。場所さえ教えてくれれば絶対に行く』

「分かった。じゃあ次の場所が分かったら……いや待て、お前の家って使えるか?」

『……お父さんと相談してみる』

「りょ。じゃ、また今度」

『……うん』

 

 これで良しと。

 霧島と、あとAクラスメンバーを巻き込めれば効率は上げられるだろう。場所の確保もできて一石二鳥だ。

 

「そういう事になった。腹をくくれ雄二」

「別に反対はしないさ。翔子が居てくれた方が良いのは確かだしな。

 ……はぁ……」

 

 雄二は頭の良いバカだからな。一応納得はしてくれているようだ。

 そんな溜息吐くくらいならサッサと告白でも何でもすれば良いのに。はぁ……

 

「まあいいさ。明日の事よりまずは今日の事だ。明久の勉強は順調なのか?」

「ん? ああ。数学が一通り終わった所だ。この後は別の科目をちょっとやって解散だな」

「期末までに一通り間に合うのか?」

「今後の明久の調子次第だが……」

「……このペースを毎日は流石に無理だよ……死んじゃう」

「……本人がこんな感じなのでペースダウンはあってもペースアップは厳しそうだ。

 一応今日と同じくらいのペースならギリギリ間に合う計算だ」

 

 やることが勉強だからな。根性論で無理にペースを上げたら本末転倒か。

 どっかのゲームみたいに勉強時間にほぼ正比例して学力が伸びるなんて事は現実では有り得ない。

 となると……

 

「……根本的に時間を増やすしかないか。

 週末に泊まり込みで勉強漬けにすれば少しは余裕ができるだろ。

 ……それすらも考慮してると言われたらもう何も言えんが」

「いや、そこまでは計算に入れてない。

 しかしどこでやる気だ?」

「そりゃ勿論、霧島の家だ。この人数が泊まれる民家はそうそう無いからな」

「……俺、生きて帰れるかな……?」

「さぁ? 日頃の行い次第だろ」

 

 後で泊まり込みが可能か打診するとしよう。霧島の家は豪邸だって聞いたことがあるからきっと何とかなる。

 

「……剣」

「どした明久」

「泊まり込みって話だけど、今日この家でっていうのは無理なのかな?

 見た感じ結構広そうな家だから今の人数……だとちょっと多いけど希望者だけなら何とかなりそうじゃない?」

「ほぅ? 明久にしてはやる気じゃないか」

「ハハハ……姉さんを追い出す為なら寿命を削る覚悟だよ」

「そこまで覚悟させておいて申し訳ないが、この家はそこまで広くない。

 余っている部屋は僕と姉さんの私物倉庫と化しているからな」

「私物?」

「僕は漫画とかトレカとか。光は……包丁?」

「何で疑問形?」

「光の趣味は刃物収集だ。明らかに人の命を刈り取る形状のヤツとかも置いてある」

 

 『剣』は僕なのにな。何故か光の方が刃物マニアになっている。

 そのうち僕も飾られるんだろうか? いやいやそんなバカな。

 

「それはそれで見てみたいような……いや、やっぱ止めとこ」

「そういう訳なんでむしろ部屋を借りたいくらいだな。

 明久、部屋が余ってるなら月1000円で借りてやろう」

「う~ん……確かにあんまり使ってない部屋はあったけど……今は姉さんが居るからなぁ……」

「…………じゃ、もし部屋を空けられたら貸してくれ」

「空けられたらね」

「じゃ、空けるのに協力するとしよう。

 話は戻るが、うちはそこまで広くない。もし泊まりたいなら居間で雑魚寝する事になる。

 睡眠は貴重な休憩時間だ。ちゃんとした所で寝た方が良いだろう」

「それもそうだね……今日は諦めて普通に勉強して普通に帰るよ」

「そうか。じゃあ僕はちょっと寝るんで、終わったら呼んでくれ」

「ちょっ、寝るの!? 僕にだけ勉強させといて一人だけ楽しようだなんてそうはいかな……」

「あのな明久。僕はさっきまで姫路に料理を教えていたんだぞ? その結果あそこまで改善させたんだぞ? 少しくらいゆっくりさせてくれ」

「……ゆっくり休んでね」

 

 流石は姫路の料理だ。あの明久を一瞬で納得させてしまった。

 

「それじゃ、私も勉強会に参加させて頂きますね。次の範囲はどこですか?」

「ああ。次は……」

 

 

 そんな感じで僕の家での勉強会は問題なく終了した。






「勉強会の締め回かしらね」

「僕や姉さんの趣味はリメイク前のノリと勢いで生えてきた設定だな。
 オリ主である僕の設定すら結構曖昧な状態で書いていた代償……いや、恩恵か」

「恩恵……果たしてそれは恵みなのかしら」

「臨機応変に対応できるという意味ではやりやすい。
 後から見返すと奇天烈な事になってたりする……と言うかなってるが」

※光さんの刃物関係の設定が生えてきたのはリメイク前の姫路さんとの会話が原因な気がする。
 清涼祭編で明久にお仕置きをしようとする姫路さんが包丁を要求したのに対して光さんが『それ私のだから止めなさい』と勢いで言わせた事が。
 その後色々あって刀を振り回しても違和感の無いキャラに……
 最初はかなり正統派な優等生だったはずなのに、どうしてこうなった……?

「……やっぱり代償なのでは?」

「……ただのまともなヤツだったらきっと埋没する。
 だからこれで良かったんだ!」

「ホントかなぁ……?」

「実際問題、リメイク前では光の扱いを持て余していたからな。
 強烈な個性が1つや2つや3つや4つあった方が活躍もしやすいだろう。きっと」

「……そういう事にしときましょうか」


「最後にお知らせだ。明日は2話投稿する。
 理由は……その時に言う」

「では、次回もお楽しみに!」
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