バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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第9章 闇の先を見通す者
さぁ回想を始めよう


 あの日、屋上で彼女はこう問いかけた。

 

「あなたは嘘を吐きましたね?」

 

 問いかけのようで断定的でもあるその言葉。

 それは果たして真実だろうか?

 

 それは……彼の回想を紐解けばきっと判明するだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世間一般の学校が夏休みに入ったというのに何故か僕たちFクラスは夏期講習とやらに強制参加させられている。

 試召戦争のせいで授業が潰れるから多少は仕方ないとは思うが、それにしたって長過ぎやしないだろうか? 明らかに潰れた授業よりも長く夏期講習をやっている。

 アレか。貸し付けた授業に利息が付いて帰ってきた感じか? いや、もっと単純に劣等生が多すぎるから授業日数とか関係なしに義務が課せられただけかもしれんな。

 

 ……まぁ、理由はどうだっていい。

 重要なのはFクラスは全員学校に来ているという事で、今はちょっとした休み時間である事。

 そして、僕と姫路が向き合って話している事だ。

 

「で、貴様はどうする気だ?」

「え? 何の話ですか?」

「言ってたじゃないか。テスト終わったら明久に告白するとか何とか」

「うぇぇっ!? た、確かに言いましたけど……覚えてたんですか?」

「覚えてなかったら今言ってない」

「そりゃそうですけど……あの、やらないとダメですか?」

「あの時も言った事だが、僕には関係ない事だ。やるかやらないかは貴様が決める事だ。

 僕にできるのは……」

「……できるのは、何ですか?」

「他人事な視点で貴様を焚きつけるくらいだな。人の恋路は見物する分には面白い」

「……本当にイイ性格してますよね。空凪くんって」

「ははっ、そう誉めるな。照れるじゃないか」

「誉めてませんよ。決して……」

 

 姫路曰く誉めてないらしいが全く問題ない。僕が誉められた気がした事の方が重要だからな。

 

「で、どうする?」

「……告白は……やめておきます」

「そうか。じゃあな」

「ちょ、ちょっと待ってください!? 止めないんですか!?」

「いや、やらない事を止めようがないだろう?」

「そうじゃなくて! やめるのを止めないんですか!?」

「……止めて欲しいのか? それが答えな気がするが」

「え、あれ? た、確かにそうかもしれませんね」

「なら、今日の放課後に決行だな」

「急過ぎじゃないですか!?」

「決意が鈍る前の方が良いだろ?」

「確かにそうかもしれませんけども!」

「そうだな、僕が明久を屋上にでも呼びつけてやろう。そうすればもう逃げられまい」

「……はぁ、分かりました。なんだかやりこめられてるだけな気がしないでもないですけど……勇気を出して告白します!」

「ククッ、その意気だ」

 

 姫路が一応やる気になったようなので迅速に動くとしよう。

 気が変わる前に明久にアポを取り付ける。

 

「おい、アレクサンドロス大王」

「もう勘弁してよ! ちょっとトラウマになってるんだから!」

「じゃあダーリン」

「そっちも僕の黒歴史だよ! 普通に呼んでよ!」

「じゃあ明久」

「そうそうそうやって普通に……あれ? 何か変なの仕込まれてないよね?」

「発音した言葉に何を仕込めと」

 

 これが手紙とかだったら『明ス』とか書けるかもしれんけど、たった4文字の発音に小細工するのは厳しいな。

 

「で、何の用?」

「放課後に用がある」

「フン、嫌だね! 僕は誰かさんと違って姉さんに監視されてるから自由に使える時間なんて無いんだ!!」

「そうか。じゃあ玲さんには僕から連絡しておこう。つべこべ言わずに面を貸せ」

「何で連絡先知ってるの!?」

 

 玲さんとは何かと仲良くさせてもらっている。あの玲さんも学校に乗り込んでくるのは……不可能ではないが何回もできるわけではない。

 学校生活を監視できる存在は非常にありがたいだろう。

 

「あ、もしもし、オレだよオレ。おたくの息子さん預かったから少し返すのが遅くなる……何? 息子ではなく恋人だと?

 ハッハッハッ、玲さんは冗談が上手いな。そこは弟だってツッコミを入れるべき場面だろう? え? どっちも間違ってないって?

 分かった分かった。とにかくちょっと預かるんで帰り遅くなります。以上です。では!」

「何でそんな仲良さそうなの!? いつの間に!?」

「割と最初からこんな感じだったな。

 と言う訳で放課後に屋上までツラ貸せ」

「ハァ……分かったよ。手短にお願いね」

「それは僕の管轄ではないな。貴様に用がある奴に言え」

「え? 剣じゃないの? 誰の事?」

「ああ。それが誰かは……行ってからのお楽しみだ」

 

 姫路から明久への告白……か。結果を想像するのは野暮だな。

 お互いにとって最良の結末になるよう、祈っておくとしようか。






「……さてと、後書きコーナーな訳だけど、私は知っている。
 リメイク前ではこの辺で空凪くんが逃走したせいで色々とエラい事になったって。
 1人で回すか……あるいはゲストでも呼ぼうかしらね?」

「安心しろ。今回はちゃんと居る」

「そ、そんなバカな! 生きていたなんて!?」

「ミステリーの犯人みたいな台詞だな。
 まぁ、都合が悪くなったら席を外すかもしれんが……そんときはゲスト呼ぶなりサボるなり好きにすればいいさ」

「最後まで居る事は保証してくはくれないのね……」

「解説に僕が居るとネタバレの嵐になりかねんからな……
 一応、『本編の奴は僕とよく似た別人』という体で進めていこうと思う。
 それでも都合が悪くなるかもしれんが」

「う~ん……まぁ、できるだけ長く居てね」

 ※筆者も警戒してたけど最後まで書いてみたら全く問題なかった事が判明。
  リメイク前のアレは一体何だったんだろう……

「……そろそろ本編のコメントに進もうじゃないか。
 本章のメインイベントはズバリ『姫路の告白』だ。
 いくつかの事件を乗り越えて原作よりは真っ当に育った姫路による明久への告白だな」

「吉井くんは何て返事するのかしらねー」

「……タグの追加の予定はあっても変更をする予定は今のところ無いそうだ」

「……でしょうね。

 では、次回もお楽しみに!」
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