バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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04 代表たちのペア分け

 3年生たちに肝試しの準備を押し付けた翌日。

 

「3年の連中、無駄に気合入ってるな……たった1日でこんだけのお化け屋敷を作るって」

「お前が内申がどうこうとか言ったせいじゃないのか?」

「一理あるな」

 

 たった1フロアだけではあるが、新校舎の様子は一変していた。

 僕たちが普段使用しているC教室も大改造が施されてるっぽい。後で直すのが面倒だな。

 

「さて、俺たちも拠点に移動するか」

「ああ。そうだな」

 

 改装されているのは新校舎のみ。同じ階の旧校舎にある空き教室とE教室、F教室が2年生の待機場所となる。

 尤も、F教室はあの有様なのでよっぽどスペースに困らない限りは使う事は無いだろう。

 E教室も普段はEクラスが使っている教室だ。なるべく使わないに越したことは無いのでメインの拠点が空き教室、E教室はサブの拠点になるだろうな。

 

 

 

 

 

 

 空き教室に着くと既に康太の手によってモニター類が壁に設置されていた。

 A教室が使えればわざわざこんな事せずにプラズマディスプレイに映せたんだろうけどな。まぁ、これでも十分か。

 

「準備は万端らしいな」

「ああ。なんでもババァ長から資金提供があったらしいぞ?

 一級品を買ってこいってな」

「太っ腹だなぁ……」

 

 こんな事に金を使って良いのか不安になるが、学園の宣伝費と考えれば妥当なのかもしれない。

 康太なら機材の目利きも信用できるし、上手い手なのかもな。

 

「さてと、まだ開始まで時間があるな。僕のパートナーでも探すか」

「何だ、決めてなかったのか? てっきりBクラスの御空とかと組むものと思ってたぞ?」

 

 雄二は僕とあいつの関係を何だと思ってるんだろうか?

 ……まぁ、組もうとした事自体は事実なんだけどな。

 

「……実は最初はそのつもりだったんだが……」

 

 

  ……昨日の夜……

 

 

「もしもし? オレだよオレ! ちょっと電車で人を轢いちゃってさ。幸いな事にほぼ無傷だったんだけど治療費に5000円振り込んで……」

『何だってキミはツッコミどころの多い会話しかできないのよ……

 特に用が無いなら切るわよ?』

「ククッ、そう焦るな。

 明日の行事について貴様は聞いてるか?」

『行事? 一体何の事?』

「ああ、実は……」

 

 ……事情説明中……

 

『何それ凄く面白そうじゃないの。どうして教えてくれなかったのよ!』

「いや、今教えただろ? 夏期講習受けてる奴が対象だが、学園の生徒なら飛び入り参加は大歓迎だろう」

『もっと早く教えてくれれば……今からだと終電も無いし……』

「電車? 突然どうした?」

『今ちょっと親戚の家に居るのよ!

 仕方ない。明日の始発で急いで帰るわ。私が来るまでの終わっちゃわないでよね!』

「う~む、僕たちは妨害側じゃなくて攻略側だからな……保障はできんな」

 

 

  ……………………

 

 

「とまぁそんな事があってな」

「……そうか。そういや今は夏休みだったよな」

「ああ……ああ、そう言えば貴様のペアはどうするんだ?」

「何言ってんだ。翔子に決まってるだろ? 『パートナーはなるべく男女にする』なんてルールを提案してきたのはあいつなんだから」

「そんなルールがあった事すら初耳だが……まぁ、そっちの方が楽しそうだし異論は無い」

 

 しかしだからと言って雄二と霧島が組む根拠にはならないだろう。

 だって……期末テストの前にこの2人って一応別れてるし。

 まあいい。本人に訊いた方が早そうだ。もう来てるみたいだし。

 

「おい霧島翔子、僕と組まないか?」

「…………うん、分かった」

 

 案の定である。

 良かった。始まる前に気づけて。

 

「ちょっ、翔子!? 俺と組むんじゃなかったのか!?」

「……雄二からは誘われていない。仕方ないから今誘ってくれた剣と組む」

「うぐっ! た、確かに組もうとは言ってなかった気が……いやいや、いつものお前なら俺が何を言おうと組んでいただろ!?」

「……今は違う。剣、楽しもう」

「お~、楽しも~。

 そういう訳だから雄二、特に異論が無いなら貰っていくぞ」

「ぐぬぬ……ま、待て! 翔子、俺と組んでくれ!!」

「……どうしても、私と組みたい?」

「ああそうだ! その……アレだ。お前が居なかったらペアを組む当てなんて無い。だから俺と組んでくれ!」

 

 雄二のヘタレめ。そこで告白でもしてれば完璧だというのに。

 まぁ、雄二だしな。仕方ない。

 

「霧島、どうする?」

「……分かった。じゃあ雄二と組んであげる。剣、ごめんね」

「気にするな。また別の奴を誘うから」

 

 さてどうするかな。知り合いの女子となると数が少ないし、その少ない連中もペアが既に居る連中が多い。

 Aクラスだと霧島はさっき断られたし、光も論外。工藤は多分康太と組むし、木下姉は……まぁ、うん。

 Fクラスだと姫路は論外、あとは島田……う~ん……

 ……やっぱり居ないな。

 そんな事を考えていたら丁度良いタイミングで顔見知りの女子が教室に入ってきた。

 

「よ~し、今日は目立つわよ!」

「丁度良い所に来たな小野寺優子。僕とペアを組まないか?」

「うわっと、いきなりね。と言うか、何で私と?」

「ペアを組んでくれそうな奴が居なくてな……」

「へ~、性格悪いからじゃない?」

「かもな。で、どうする? もう既に相方が決まってるとか、そういう事情があるなら無理強いはしないが」

「う~ん……私の彼氏は今日は不参加だから正直言うと私も困ってたわ。組ませてもらいましょうか」

「お前……彼氏なんて居たんだな」

「ちょっとー? どういう意味かなー?」

 

 と言うわけで、Dクラス副代表こと小野寺優子と組む事になった。

 特に成長してなければ実力はDクラス上位レベルか。まぁそれなりに役に立ってくれるだろう。きっと。






「雄二と僕の相方が決まったな」

「リメイク前からそうだったけど私が参加できてない。訴訟」

「仕方ないだろ。お前が参加したら瞬殺しちゃうんだもん」

「そういう理由だったのね……」

「うちの駄作者は味方陣営を何も考えずにインフレさせるくせに敵は据え置きだからこういう時に困る事になる。
 かと言って貴様にお化けが苦手なんて属性を付けたら姫路や島田と被るし、残念ながら無駄に大声を出すような性格でもない。
 点数に関してはいわずもがな。リタイアする理由が全く思いつかない」

「強いて言うならパートナーが悲鳴を上げる事かしらね」

「そのパートナーの第一候補が僕な時点で有り得ない仮定だな」

「他のパートナーを考えると……強いて言うなら代表かしらね。参加してないっぽいから意味無いけど」

「参加してたとしても悲鳴を上げる事は無さそうだな。よっぽどのものを出されない限りは」


「では、次回もお楽しみに!」
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