バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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12 第4チェックポイント

 未だにぶつくさ言っている小野寺優子と一緒に本陣まで帰還した。

 

「お疲れ。2人ともよくやってくれたな!」

「……お疲れ様」

 

 総指揮を執っている代表コンビから労いの言葉がかけられる。

 普段は人を褒める事が少ない雄二や普段は無口な霧島がこういう言葉を掛けるのは意外だ。それほど第三チェックポイントが厳しかったんだろうな。

 

「最終チェックポイントの攻略状況は……まだ始まったばかりだから何とも言えんか」

「ああ。Fクラスの捨て駒が居なくなったから厳しいが……とりあえずは様子見だ。お前は休んでおけ」

「りょーかい」

 

 自分が元々居た席に戻って休む事にする。

 パートナーが戦死したから代理を見つける必要があるな。まぁ、突入する時で良いか。

 

「……ところで、小野寺」

「何か?」

「ペアは解消されたから好きな所に行ってて構わんぞ。Dクラスの友達とか居るだろ」

「まあ居るけど……キミの解説聞いてた方が面白そうだからここに残るわ。邪魔だって言うなら話は別だけど……」

「そこまでは思ってないさ。雑談相手が居るならこちらも損は無い」

 

 モニターには既に突入中のペアによる映像が流れている。

 それじゃ、じっくりと観察させてもらおうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『きゃあっ!!』

 

「また失格か……厄介だな」

 

 席に着いてから数十分。未だにチェックポイントは見えていない。

 この最終チェックポイントの仕掛けは今までの仕掛けの寄せ集めだ。死角から視覚に訴えかける演出、不意を突いた触覚による演出、その他色々。

 流石に汚物先輩やホモ先輩による精神攻撃、露出狂こと小暮先輩による肝試しじゃない何かといったヤベェ仕掛けは無いが、その代わりなのか今回新しく追加された一番厄介な仕掛けがある。

 

「地図がまた書き変わったわね……」

「ああ。所詮は薄いベニヤ板だから着脱式にする事は簡単だが……まさか迷路の組み換えまでやってくるとは思わなかった」

 

 迷路の組み換え、板の張り替えとかいうシンプルだが効果的な仕掛けだ。これのせいで右往左往させられ、滞在時間が伸び、失格が増える。

 最初に気付いたのは勿論、地図を書いていた代表たちである。

 

『……雄二、そこに壁は無かったはず』

『あん? さっきの映像だとしっかり壁があったぞ?

 記憶違い……いや、お前に限ってそれは無いか』

『……壁が新しく作られてる?』

『そういう事に……いや、こっちは新しく通路ができてるな』

『……組み替えられた?』

『らしいな。地味だが厄介な手を打って来やがる』

 

 こんな感じの流れだった。その後は着脱可能っぽい壁と流石に動かないであろう壁を分けて地図に書いている。

 

「って言うか、ルール的に大丈夫なのこれ?」

「一応、辿り着けない構造にする事はルールで禁止されているが……理論上辿り着けないような構造にはなってないだろう。

 万が一そうなっていたとしても証拠が無い。カメラを多数配置してやれば証明できるかもしれんけど、そんな事ができるならこんなに脱落していない」

「挑戦者以外がカメラ持って入るのはルール違反だもんね……」

「残念ながらな」

 

 邪道な戦法は既に塞がれている。あくまでも正攻法での突破を試みるとしよう。

 この場合の正攻法は……複数のペアを投入する事だな。辿り着けない構造が禁止されている以上はどこかが開いているはずだ。

 3~4ペアほど投入すれば誰かしらは開いてる道に入れるだろう。

 

「地図も8割くらい出来上がってるみたいだし、そろそろ出るとしよう。行ってくる」

「気をつけなさいよ。キミに限って悲鳴とかは上げないでしょうけど」

 

 さて、僕1人が突入しても意味が無い。雄二と相談してタイミングを合わせるとしよう。

 

「雄二、そろそろ僕の出番じゃないか?」

「……そうだな。そろそろ良いだろう。

 お前たち! この肝試し大会もいよいよ大詰めだ!

 自信がある奴はカメラとマイクを持て! ここで一息でケリを付けてやろう!!」

 

 残りの全戦力を投入……と行きたい所だがカメラとマイクの数に限りがあるので流石に無理だ。

 許された数だけ全力投入となる。

 

「剣、パートナーは決まってんのか?」

「まだだ。だが2人……いや、1人ほど心当たりがある」

「じゃ、サッサと組んで来い」

 

 御空が到着した様子は無い。結局間に合わなかったみたいだな。

 しょうがないのでもう1人の心当たりの方に声をかけようとする……が、その前に声がかけられた。

 

「おい副代表」

「…………何か用か、伊織」

「パートナー、探してるんだろ?」

 

 ここで伊織がパートナーに立候補するとかいう話であれば何の問題も無い。『もう既に失格になってるだろバーカ』と言うだけで済む。

 しかし、伊織の隣に立っている人物の事を考えると……すんごく気が重い。

 

「貴様……何のつもりだ」

「そんな怖い顔するなよ。ただのパートナーの紹介だって。

 副代表はパートナーを探している。この人にもパートナーが居ない。

 ほら、利害が一致してるじゃないか」

 

 確かに、彼女は今の所誰とも組んでいない。

 そして成績優秀。肝試しへの耐性は未知数としてもチェックポイントでの戦力になる事は間違いない。

 

「……理屈は通っている。しかし、本人の意思をまだ確認していない。

 貴様は、僕と組む。それで良いのか? 姫路瑞希」

 

 そう、伊織が連れてきたのは姫路瑞希。

 数日前に僕が屋上で『やらかした』その人である。

 

「良いも何も、宮霧くんが言った通りです。

 お互いにパートナーが居ない。だから組む。それだけですよ」

「…………そうか。まぁ、納得しているなら構わんさ。

 せいぜい足を引っ張ってくれるなよ」

 

 姫路が何を考えているのかはさっぱり分からんが、これで一応準備は整った。

 後は突破するだけだ。サッサと片付けよう。







「ようやく最後のチェックポイントに突入ね」

「Fクラスの捨て駒の皆さんが居ればこんな迷路組み換えトリックなんて簡単に突破できそうなんだけどな……
 小暮先輩はやはり3年側のMVPだな。露出狂だけど」

「……本作の小暮先輩は若干いじられキャラになってるわね。主に君たち兄姉のせいで」

「何故か筆者の中では小暮先輩は常識人寄りなイメージになってるっぽいな。
 原作での言動はヤベェ人だったはずだが……」

「3年の纏め役だからねぇ……他にまともな人が居ないせいでしょうね」

「高城とかいうストーカーが王道の優等生だったら小暮先輩も自由に変人ムーブができただろうにな」

「……その変人ムーブは果たして本人にとって幸せなのかしら……?」

「……さぁな」

「では、次回もお楽しみに!」
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