バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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21 決戦への交渉

 Cクラスを挑発した後、起こった事を時系列順に簡潔にまとめよう。

 

・Bクラスの根本に女装させてからAクラスに喧嘩を売る。

・CクラスがAクラスに宣戦布告。開戦は午後から。

・その日のうちにCクラスがアッサリと敗北。

・下校時刻になる。Fクラスの補充期間終了。

・翌日朝、Aクラスが補充期間に突入。

・その日の放課後、Aクラスの補充期間が終了。

・更に翌日の朝、今に至る。

 

 こんな感じだな。まぁ要するにFクラスもAクラスも補充期間が終わってお互いに戦争が仕掛けられる状態という事だ。

 というわけで、早速Aクラスに宣戦布告だ。

 ただ、今回は条件を付ける必要があるのでいつも通りに投げつけて終わりというわけにはいかない。こちらにとって好条件をどれだけ押し通せるかが勝敗の分かれ目となるだろう。主要メンバーを連れて万全の状態で挑む。

 

「一騎打ち?」

「ああ、一騎打ちだ」

 

 こちら側の代表は雄二に対して、Aクラス側の対応者はうちの姉のようだ。

 基本的には雄二にお任せだが、必要そうな時は僕も口出しするとしよう。

 

「何でまた一騎打ちなんて提案するの?

 うちの代表が負けるとは思えないんだけど?」

「そう難しい事じゃない。だって、お互い全戦力で戦争するなんて面倒なだけだろ?」

「一理あるわね。

 ……でも、普通の戦争をやった方がAクラスとしては安定して勝利できる。地力の差が違うから」

「逆に、不意打ち等の搦め手も使いやすい。極端な例だが、俺たち50人がそっちの代表を袋叩きにするのであれば流石に勝てるぞ?」

「それは極論過ぎるけど……まぁ言いたい事は分かった」

「それじゃ、受けてくれるのか?」

「……ここでゴネたらどうせBクラスが攻めてくるとか言うんでしょ? あの女装した変態が」

「……さぁ、何の事だろうな?」

「はいはい。でも、流石に一騎打ちっていうのは却下よ。条件次第ではどうやっても負けるから」

「じゃあどうする気だ?」

「そうねぇ……3対3……だと少なすぎるか。

 5対5が妥当かしら?

 一騎打ちを5回やって、勝ち数が多い方が勝ちよ」

「…………まぁ、いいだろう」

「良かった。交渉成り……」

「その代わり、各一騎打ちの科目の選択権を俺たちにくれ」

「っ……それは流石に飲めないわ。最低でも2つ貰う」

「半分か。妥当だな。俺たちも2つだとすると、あと1つはどうする気だ? 当然、こっちは3つ欲しいが……そっちも同じだろう?」

「う~ん…………」

 

 光が唸っていると、相手の代表である霧島がやってきた。

 

「……譲っても良い」

「代表!?」

「でも、条件がある」

「何だ? 言ってみろ」

「……負けたクラスは、勝ったクラスの言う事を1つ、なんでも聞く」

「…………まぁいいだろう。それで選択権が得られるならな」

「ちょ、ちょっと雄二! 大丈夫なの!? もし負けちゃったら姫路さんが……」

「え? 私がどうかしましたか?」

 

 何か明久が騒ぎ出した。何の話だろうか?

 ……そう言えば、Aクラス代表の霧島は百合だという噂があったっけか。事実無根だが。

 放っておいても別に構わないが……そうだ、ちょっと提案してみよう。

 

「霧島、こちらから提案させてくれ。

 その命令権、クラス単位じゃなくて個人単位にしてみないか?

 そうすれば権利の持ち主が分かりやすいからより自由に使えるし、敗北はあくまでも自己責任になる」

 

 つまりは5個の命令権を賭けて戦うわけだな。

 クラスが勝っても個人で勝てなければ意味が無い。負けたとしてもその相手からしか命令されない。

 実にシンプルだ。

 

「…………」

「不満そうな顔だな。じゃあこれも追加だ。お互いの代表は大将らしく最後の戦いで一騎打ち。

 ついでに、途中でどちらかの3勝が確定しても中断せずに続行。どうだ?」

「……分かった。それでいい」

 

 これで霧島が使う(かもしれない)命令権は雄二に対してだけのものとなった。

 つまり、姫路に対して命令する事は不可能になったわけだが……

 

「え、えっと……あれ? どゆこと?」

 

 明久は未だにルールを良く飲み込めていないようだ。まあいいか。放っとこう。

 

「さて、これで交渉成立だな? あと何か話しておく事はあるか?」

「じゃあまた僕から。科目の選択権だが、使用のタイミングを予め決めておきたい。

 勝負開始前にお互いに温存しようとしたり、逆にお互いに使おうとしたら面倒くさいからな」

「それもそうね。奇数がそっち、偶数が私たちで大丈夫?」

「ああ。丁度そう提案しようと思ってた」

「他にも詰められそうな所はあるけど……ガチガチにしても面倒だからこんなものかしらね」

「そうだな。それじゃ開戦は……」

「1時間後。それで十分でしょ?」

「十分だな。な、雄二?」

「ああ。十分だ。それじゃ、1時間後にまた会おう」

 

 こうして宣戦布告は完了した。

 どうにか過半数をもぎ取れたか。きっと何とかなるだろう。







「今回は少々短いか?」

「流れとしてはリメイク前とほぼ同じね。
 ついでに原作ともほぼ同じ。
 『命令権が5コ』っていうのは原作との違いね」

「科目選択権の順番に関しては今回が初だな。
 そんなものをわざわざ追加した理由は……本編で述べた通りだ」

「……島田さんをアンチする創作物だと『勝手に数学を宣言して無様に負ける』なんていう展開がよくあるけど、よく考えるとアレって島田さんだけの問題じゃないわよね。
 出場者が勝手に宣言できるルール自体にも問題があるわ」

「その場合は島田の暴走で片付く話だが、お互いに暴走してたりしたら収集が付かんからなぁ……
 まぁ、そんなわけでこういうルールにした。
 本当に細かい事を言うとこれでも甘いんだけどな」

「ザッと考えられるのは……
 ・相手の出場者を見て後出しする事は可能か?
 ・相手の科目決定を待って後出しする事は可能か?
 ・後出し出場者、又は科目に対して更に後出しするのは可能か?
 ……キリが無いわね」

「そんな感じで考えていくとキリが無いんで明言しないでおこう。本当に厳密にすると遊戯王みたいに複雑怪奇な事になりそうだし。
 常識の範囲で対応してもらい、よっぽどの場合は再び話し合いになりそうだ」


「では、次回もお楽しみに!」
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