バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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第2章 転校騒動と蠢く陰謀
清涼祭編 プロローグ


 この文月学園では毎年5月頃に学園祭が行われる。

 まだ学校に慣れていない1年生の連中には少々酷だと思うんだが……これも特殊な試験校ならではの試みの一環だろう。

 それぞれのクラスが模擬店を出し、それぞれの手段で祭りを盛り上げる。

 そんな祭りを一週間後に控えた今、我らがFクラスは何をしているかと言うと……

 

『来いよ吉井! お前の球なんて場外まですっ飛ばしてやらぁ!』

『別に構わないよ。やれるものならね!!』

 

 

 ……何故か、野球をやっていた。

 

 

「……ねぇ空凪、吉井たちは一体何をしてるの?」

「ん? ドイツには野球は無かったのか?

 いいか、アレは野球といって……」

「いやいや、そのくらいあったから! そういう意味じゃないから!!」

 

 全く我侭な奴だな。

 今の状況を説明すると、グラウンドで野球をやってる連中を僕達がAクラスの教室から見下ろしている最中だ。

 何故Aクラスに居るのかって? そうだな、箇条書きで説明しよう。

 

・この時期に我がクラスの企画は全く決まってない!

・そうだ、どっかのクラスに便じょ……協力を申し出て合同企画にしよう!

・大人数での企画になるから規模のデカい教室……Aクラスしか無いな。

 他学年との交流も無いから2-Aで決まりだ!

 

 ……こんな感じだ。

 なお、この一連の流れは副代表である僕の独断で決めた。

 代表が遊んでるから仕方ないね♪

 

「あの……皆さんを呼ばなくて良いんでしょうか?」

「良いと思うか?」

「思ってたら訊いてないです。

 何とか合同企画を受け入れてもらえたのに私たちは今4人しか居ないんですよ?」

「ん? 4人?」

 

 周囲を見回すと、僕と島田と姫路以外にもう1人居た。

 居ると思ってなかったんで少し驚いた。

 

「お前、居たのか。下に居ると思ってたが」

「当たり前だ。むしろこんな時期に呑気に遊んでられる代表達の方が信じらんねぇよ」

「……お前、本当にFクラス生か?」

「……一応」

 

 Fクラスにしてはまともな感性を持っていたので思わず変な質問をしてしまった。

 こいつの名前は……何だっけな。まあいいや。

 僕達4人だけが居てもしょうがないのでサッサと呼びに行くとするか。

 そんな事を考えながらふと視線を再び外に向けた。

 

 

『(カーブを、内角、高めに……)』

『(……雄二の、股間に、ストレート!)』

 

 

 ……あれ? キャッチャーやってる雄二の後ろに変な背後霊が見えたような……

 もう一度見てみよう。

 

 

『うぐぉぉぉおお!! 何故だ明久!!』

『……大変、雄二。怪我、診てあげないと』

『しょ、翔子!? 何故ここに居る!?

 い、いや、大丈夫だ。怪我は大したこと無いから脱がさなくて大丈夫だぞ!!』

『……(吉井! もう一度、同じ、コースに!)』

『テメェのせいかよ!!』

 

 

 

「……おい光」

「ん~?」

「貴様のとこの代表もサボっているようなんだが……」

「……坂本くんを呼びに行ってたはずなのに完全に一緒に遊んでるわね……

 仕方ない。兄さん、呼んできて」

「良かろう」

 

 『呼んでこい』と言われたが、今僕はグラウンドから普通に視線が通る位置に居る。わざわざ降りる必要もあるまい。

 そう思って窓から身を乗り出して呼びかけた。

 

「(遊んでないで、早く、戻ってこい)」

「ここからサイン出して伝わるわけが無いでしょうが!!」

 

 

 

  ……数分後……

 

 驚いた事にハンドサインには全く反応してくれなかったので仕方なくグラウンドに普通に降りてから雄二を引っ張ってきた。

 

「な、何だと!? Aクラスとの合同企画だと!?

 いつの間にそんな事になってんだ!!」

「文句があるならこんな時期に呑気に遊んでるんじゃない」

「ぐぬぬ……」

 

 唸っているアホ代表は置いておいてクラスの連中に説明するとしよう。

 今更ゴネるメリットは皆無なのでそんなアホな事をする奴は代表以外には居ないだろうが……説明だけはしっかりとしておかねば。

 

「え~、諸君。先ほども言ったが今回はAクラスとの合同企画になった。

 言うまでもないことだがAクラスには女子が居る。堂々とサボってるようなアホはどういう目で見られてどういう噂をされるかは……まぁ、貴様らの想像に任せるとしようか。

 そして、精一杯頑張っていた場合には……これも説明するまでもないな」

 

 今回の合同企画の収益は均等な山分けではなく貢献度に応じて適当に分配される。サボってる奴が居るとFクラスの利益がどんどん減っていくので見つけ次第シバき倒す予定だが、こう言っておけば堂々とサボる奴は流石に居ないだろう。

 

『なるほどな……分かったぜ!』

『それで、一体全体何をやるってんだよ?』

 

「おっと、説明していなかったな。

 今回の企画は『喫茶店』だ。

 より正確には『執事&メイド喫茶』だ。よって仕事は大まかに2種類。

 料理等を出す厨房班、そしてお客様をおもてなしするホール班。あとは細々とした雑用だな。

 厨房班は指示に従って料理できるなら十分だが、ホール班は光による面接が必要だ。自信が無い奴は大人しく料理に回ってくれ。

 今から紙を配るんで希望する仕事と、あとシフトを書いてくれ。100%希望を通す事は不可能だが、上手いこと調整する。

 各々の部活とかとの兼ね合いもあるだろうから労働時間はお任せだ。ただ、頑張れば頑張るだけ評価はされると思ってくれ」

 

 と、ここまで言ってからそもそも部活に入ってる奴が秀吉以外に居ただろうかと考える。

 流石にそこまでは把握できていないんだが……まぁ、別にいいか。シフトが上手いこと埋まってくれればどうでもいい。

 

「全員に紙は行き渡ったな?

 その紙は遅くとも明日中に僕に提出してくれ。紙を紛失したら替えを渡すからすぐに言え。提出期限をすっぽかす愚か者がもし居たらこちらで適当に決める。

 以上だ。それでは各自作業に入ってくれ」

 

 これにて全体への連絡は終了だ。

 じゃ、僕も働くとするか。金の為に。






「というわけで再開だ」

「リメイク前と流れはほぼ全く変わってないみたいね。
 強いて言うなら宮霧くんが出てたくらいね」

「ああ、そういやそんな名前だったな」

「……この空間を出たら即座に忘れるんでしょうね」

「ハッ、何を当たり前の事を」


「では、次回もお楽しみに~」
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