バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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06 第二試合と新サービス?

 というわけで、クレーマーを撃退したりゴミ掃除したりしていたらあっという間に2回戦の時間になった。

 対戦科目は英語のライティング。そして対戦相手は……

 

「なっ、お、お前らはっ!!」

「アンタ達は……確かFクラスの」

「ふむ……久しぶりと言っておこうか」

「あれ? 剣、知り合い? Bクラス代表の根本くんは分かるけど」

「う~ん、そう言えばあんまり関わってなかったか?

 隣の女子はCクラス代表の小山だ」

「あ、そっか! 通りで見覚えがあるわけだよ」

 

 というわけで、事前に予想していた通りBCクラスの代表コンビだ。

 代表であるこの2人は腕輪目的で出場してる可能性も十分ありそうだが、ペアチケット狙いの可能性も十分ある。実は付き合ってたりするのだろうか?

 

「ここで私たちと当たったのが運の尽きね。徹底的に叩き潰してあげるわ!」

「ククッ、そっくりそのまま返してやろう。先生、早速始めてください!」

「分かりました。承認します!」

 

「「「「試獣召喚(サモン)!!」」」」

 

 [フィールド:英語W(ライティング)]

 

Bクラス 根本恭二 189点

Cクラス 小山友香 155点

 

Fクラス 吉井明久 59点

Fクラス 空凪剣  400点

 

 

「「……えっ?」」

「ん? ……ああ、すまないな。

 明久の点数は悲惨だがこれでも頑張ってる方なんだ。そんな驚かないでやってくれ」

「いやいやいやいや、違うわよ!! アンタの方よ!!」

「……ちょっと何言ってるかよく分からないな。とりあえず始めようじゃないか」

 

 さて、この2人が勝ち上がってくるのは容易に予測できた事だ。

 だからこそこの2人に対する切り札もしっかりと用意してある。

 してあるが……わざわざ切るほどでもあるまい。少し見せる程度に留めておくとしようか。

 

「おっと手が滑った」

「んなっっ!? そ、それは!!!」

 

 さり気なく床に落としてすぐさま回収したもの、それは女装根本写真集『生まれ変わったワタシを見て!!』である。

 以前の試召戦争でBクラスを使ってAクラスに喧嘩を売った後に康太が主導で作成したものだとかなんとか。

 正直、見てと言われても見たいものではない。

 

「? どうしたの根本くん」

「うぐぐぐ……な、何でもないっ!」

 

 チラ見させるだけで十分に動揺は誘える。2対1は言い過ぎだが2対1.5くらいにはなるだろう。

 

「さて、殺るか」

「うん、よろしく~」

「……おい明久、まさかとは思うが僕に丸投げして楽しようだとか考えてないだろうな?」

「えええっ? そそそそんなまさか! そそそんな事おおお思ってもみなかったよ!!」

「……そうかそうか。悪かったな、疑って」

「そ、そうだよ! ちゃんと反省してね!」

「……お詫びと言っては難だが、全力で戦えるように策を練ってやろう」

 

 そう言いながら召喚獣を操作して明久の召喚獣を持ち上げる。

 

「あ、あの~、何だか凄く嫌な予感がするんだけど……」

「安心しろ。最高効率の戦術を使うだけだ。

 さぁ……逝け明久っ!!」

「ちょっ、ええええっっ!? へぶっ」

 

 明久の召喚獣を敵の目の前へとポーンと投げてやった。

 顔面から着地したんでフィードバックで呻いているが……大した問題ではないな。

 

「よ、よく分からないけどチャンスね! サッサと仕留めるわよ!」

「お、おう、そうだな!」

「ちょ、待っ、剣ぃぃぃぃぃ!!!」

 

 当然の如く明久に攻撃が集中する。計算通りだ。

 こうやって危機に陥らないと本気を出そうとしないからな。困った奴だ。

 

「困った奴なのは剣だよ!! 死ぬ! 絶対死ぬ!!」

「安心しろ。墓参りくらいはしてやる」

「そういう問題じゃないってば!!!」

 

 なにも明久への嫌がらせの為にこんな事をしたわけではない。

 片方に集中するという事はもう片方が疎かになるという事でもある。

 そんな状態で直線的に投げられたナイフを躱す事は……まぁ不可能ではないだろうな。

 だが、その回避挙動は必然的に読みやすいものになる。そこを狙って曲射で投げられたナイフまでも躱すのは……

 

Bクラス 根本恭二 189→98点

Cクラス 小山友香 155→44点

 

 ……まず不可能、と言えるな。

 

「なんだと!? くっ、いつの間に!!」

「ここまで減れば明久1人でも勝てそうだが……わざわざそんな事をする必要も無いか。

 サッサと片付けさせてもらうぞ」

 

 

 ……その後、僕達がアッサリと勝利した事は言うまでもないだろう。

 

「……あの、剣、ちょっといいかな?」

「どうした?」

「……わざわざ僕を投げ飛ばさなくても普通に、って言うか剣1人でも勝てたんじゃない?」

「…………さぁ、教室に帰ろうか」

「ちょっと? 剣? 質問に答えて! もしも~し!!」

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ……って、何だ。吉井じゃないの」

 

 教室に戻った僕達を出迎えたのは島田だった。

 真面目に仕事しているようだな。

 

「やあ島田さん。メイド服似合ってるよ! 馬子にも衣装だね!」

「……ウチの記憶が正しければそれは貶してる言葉なんだけど?」

「え、アレ?」

「……島田の言うことは正しいな。その諺は『どんな凡人でも着る物が良ければ良く見える』という類のものだ。

 人を褒める言葉ではない」

「アレ? じゃあやっぱり合ってる……イダダダダッ! 右腕がネジ切れるように痛いぃぃぃ!!」

「よ~し~い~?」

 

 アホな事を口走った明久に対して島田が一瞬で間合いを詰めて関節技を仕掛けている。

 これは島田を責める事はできんな。明久の自業自得だ。

 

「お前たち、じゃれあってないで仕事に戻れ」

「じゃ、じゃれてるわけじゃないわよ!!」

「そ、そうだよ! これがじゃれあってるように見えるの!?

 姫路さんみたいに胸があるならまだしも島田さんだと直接肋骨が当たってみぎゃぁぁぁああ!!!!」

 

 ……放っとくか。明久の腕に甚大なダメージが入るだけだし。

 仕事に戻ろう。あ~、副代表って忙しいな~。

 

「え、ちょっと? 剣ぃぃぃぃ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 調味料の補充に出かけていたオレが戻ってくると何故か島田さんが吉井に関節技を仕掛けていた。

 島田さんがうちの店の制服であるメイド服を着ているんで新手のサービスかとも思ったが……吉井の反応から察するに違うだろう。

 

「……お前ら、何やってんの」

「お、お願い助けて!!」

「止めないで伊織! ウチはこのバカにお仕置きしなくちゃならないのよ!」

 

 いや、そうは言っても吉井の右腕が何か変な色になってきてるんだが……

 何があったのかは知らないが流石に止めた方がいいよな。

 

「島田さん、まずはちょっと落ち着け。これ以上やると吉井の右腕が冗談抜きでネジ切れる。

 あと吉井、拘束が緩んだら逃げ出そうだなんて思うなよ?」

「え? ……ハッ、その手があったか!」

「オイ」

 

 本当に放置しても良い気がしてきたが、そうすると店が新サービスを開始したとか思われて面倒なので根気よく付き合ってやろう。

 

「島田さん、あんまり緩めなくてもいいからちょっと事情を説明してくれないか?」

「事情って言っても、このバカがアホな事を言ったとしか言い様が無いわよ」

「だからそのアホな事の内容を訊いてるんだ」

「……えっと……その……」

 

 島田さんは渋々といった様子で事情を語り始めた。

 ……要約すると……確かにバカがアホな事を言っただけだったな。

 

「気持ちは分からんでもないけど……ちょっとやりすぎじゃないか?」

「でも、これくらいやらないと吉井にはお仕置きにならないわよ?」

「いや、この10倍やっても懲りないだろう。時間の無駄だ」

「うっ……確かに……」

 

 本当に10倍もやったら右腕がネジ切れるだけじゃなくて四肢までもがれそうだが……それでも懲りなさそうだな。このアホは。

 発言自体も本当に悪意が無かったみたいだし、学習能力が壊滅的なんでアウトな発言を学ぶという事にも期待できなさそうだ。

 

「っていうわけで、そろそろ解放してやってくれ」

「…………はぁ、分かった。確かにこれ以上やっても無駄ね。

 命拾いしたわね、吉井」

「た、助かった……」

 

 解放された吉井はオレにお辞儀をしてから一目散に逃げて行った。

 やれやれ、仕事に戻るとしよう。






「うちの代表との戦いと島田さんのメイド服回って所かしら」

「姫路のメイド服回と比べると服の扱いがかなり軽いけどな」

「まぁ、『外見は飾り』が座右の銘の筆者さんにしては頑張った方よ。きっと。
 ……それより、ナチュラルに吉井くんを見捨ててたわね」

「だって、どう考えても自業自得だしな。
 リメイク前の僕なら程々に仲裁してたかもしれんが、今の僕なら放っとくと判断したようだ」

「そして仲裁イベントは宮霧くんが拾う、と。
 何気に色々頑張ってくれてるわね」

「能力的にAクラス戦とかでは全く出番が用意できなかったキャラだからな……
 こういう時はここぞとばかりに活躍して貰う予定のようだ。
 それに、奴の誕生の経緯を考えるとこの手のイベントは増やしておきたかったようだ」

「ああ、アレね」

「ああ、アレだ」


「では、次回もお楽しみに!」
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